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最終章 悪魔の契約
161話 何かが違う
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「・・・あれ?」
浄化属性が付与された光の魔法を放ったと思っていたジュリエットだけでなく、やられたと思っていた悪魔達もが首を傾げ、何が起きているのかを理解しかねていた。
あんなに意気揚々と光の魔法を使ってあたかも倒そうとしていたのにこのざま!あまりにも滑稽過ぎて悪魔達は笑い転げ、ジュリエットは顔面蒼白状態だ。頼みの綱だった力が使えなかったんだ。絶望くらいするだろう。
出た何処勝負な感じは実際は少しあった。出せたと言っても一度だけ。更に言うなら偶然出せた物なのだから。
「いや、違う・・・」
私はあの時、死にたくないと心の底から願った。その願いに応えるかのように涙から光が発生した。真の勇者の力を発揮するには生きたいという強い気持ちが必要なんじゃないだろうか?
「おいおい!ぼーっと突っ立ってんじゃねぇよぉ!」「死にたいでーすって言ってるようなもんだぜぇ!!」
ならば、試してみるべきなのではないだろうか?
「はぁぁぁぁぁ!!」
ものは試しようと言わんばかりに悪魔達に突っ込んでいき、剣を振るい暴れ回るジュリエット。あまりの変化っぷりに悪魔達も戸惑い、連携が上手く行っていないみたいだ。
戦い続ける事で生と死の狭間をさまよい、生存本能を掻き立てるというのが彼女の考えた作戦である。どんなに暴れ回っても攻撃はロクに入らないので、ジュリエットのダメージのみが蓄積していく。
「あぐっ!」
脳が思わず揺れてしまう一撃を喰らう。視界が揺らぎ、武器を持つ手が緩む。この時、ジュリエットはほんのわずかではあるものの、命の危機を感じ取った。
生物は命の危機を感じれば死にたくないと必ず強く思うようになる。ジュリエットも同様に死にたくないと生きることに対する願望を心の底で叫んだ。
その瞬間、彼女の口からまろびでた血が強く光りだす。光った血は、周囲の悪魔達の動きを止めるだけでなく、先程は与えることができなかったダメージを負わせることに成功した。
「出た!これだ!!」
今回はしっかりと出すと意識して実行したからか。感覚を掴んだ模様。しかし、同時に全てを出しきれていない事も悟った。
自分の力だからなのだろう。本来の力を全然出しきれていない事に気が付けた。本来の力の1割程度しか出しきれていない。
「もしかして、違うの?まだ何が足りない?いや、それとも何かが違う?」
死にたくないと強く思う事で発動するんじゃないのか?もっと強く思わないといけないのか?
・・・いや、違う。強く思うのはそのままで、全力が出せないのは強く思う感情が違うからか?
もっと別の何かが必要なのだろうか?分からない。分からなかった私はただひたすらに剣を振い続けた。
浄化属性が付与された光の魔法を放ったと思っていたジュリエットだけでなく、やられたと思っていた悪魔達もが首を傾げ、何が起きているのかを理解しかねていた。
あんなに意気揚々と光の魔法を使ってあたかも倒そうとしていたのにこのざま!あまりにも滑稽過ぎて悪魔達は笑い転げ、ジュリエットは顔面蒼白状態だ。頼みの綱だった力が使えなかったんだ。絶望くらいするだろう。
出た何処勝負な感じは実際は少しあった。出せたと言っても一度だけ。更に言うなら偶然出せた物なのだから。
「いや、違う・・・」
私はあの時、死にたくないと心の底から願った。その願いに応えるかのように涙から光が発生した。真の勇者の力を発揮するには生きたいという強い気持ちが必要なんじゃないだろうか?
「おいおい!ぼーっと突っ立ってんじゃねぇよぉ!」「死にたいでーすって言ってるようなもんだぜぇ!!」
ならば、試してみるべきなのではないだろうか?
「はぁぁぁぁぁ!!」
ものは試しようと言わんばかりに悪魔達に突っ込んでいき、剣を振るい暴れ回るジュリエット。あまりの変化っぷりに悪魔達も戸惑い、連携が上手く行っていないみたいだ。
戦い続ける事で生と死の狭間をさまよい、生存本能を掻き立てるというのが彼女の考えた作戦である。どんなに暴れ回っても攻撃はロクに入らないので、ジュリエットのダメージのみが蓄積していく。
「あぐっ!」
脳が思わず揺れてしまう一撃を喰らう。視界が揺らぎ、武器を持つ手が緩む。この時、ジュリエットはほんのわずかではあるものの、命の危機を感じ取った。
生物は命の危機を感じれば死にたくないと必ず強く思うようになる。ジュリエットも同様に死にたくないと生きることに対する願望を心の底で叫んだ。
その瞬間、彼女の口からまろびでた血が強く光りだす。光った血は、周囲の悪魔達の動きを止めるだけでなく、先程は与えることができなかったダメージを負わせることに成功した。
「出た!これだ!!」
今回はしっかりと出すと意識して実行したからか。感覚を掴んだ模様。しかし、同時に全てを出しきれていない事も悟った。
自分の力だからなのだろう。本来の力を全然出しきれていない事に気が付けた。本来の力の1割程度しか出しきれていない。
「もしかして、違うの?まだ何が足りない?いや、それとも何かが違う?」
死にたくないと強く思う事で発動するんじゃないのか?もっと強く思わないといけないのか?
・・・いや、違う。強く思うのはそのままで、全力が出せないのは強く思う感情が違うからか?
もっと別の何かが必要なのだろうか?分からない。分からなかった私はただひたすらに剣を振い続けた。
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