26 / 184
2章 2度目の人生の目標
24話 止まらない暴走
しおりを挟む
「ア、アクア様がやられた・・・」
「だから言ったんだ!早く撤退すべきだって!なのに、あのクソガキは・・・!!」
「んな事言ってる場合か!早く逃げるぞ!」
「・・・いや、もう逃げられない。俺達は」
「はぁ!?何言ってんだよ!相手は油断している!今のうちに!!」
「自分の体を見ろ!!何が巻き付いている!!」
主人を失った敵兵。彼らの体にまとわりついていたのは、主人を殺した影のだった。
「ま、待ってくれ!!助け────」
命乞いを言い切る前に影の手は、敵兵を締め付け、熟れた果実のように弾けさせる。1人、2人と次々に破裂していき、あたりは血の池と化す。
ものの一瞬で、残っていた24人の敵兵達は挽肉と血に変化。バール軍の防衛戦は成功を収めたのである。
収めたのだが────。
「・・・・・・」
「あの・・・アル?」
「・・・ス」
「え?」
「コロス!!」
感情に任せて、闇の魔法を使った結果、アルの心は暴走。理性を失ってしまっていた。今のアルは、目の前にいる敵を殲滅するだけのモンスターと化したのだ。
「うわぁ!オイラだよ!オイラ!親友の顔すら忘れちまったのかよ!!」
「ヨクモ・・・ヨクモ、カルー将軍ヲォォォォォォ!!」
「行くなゴップ!親友に殺されたくなかったならな!!」
闇の魔法を熟知している魔族の兵士達は、すぐにアルから距離を取る。
「初めて闇の魔法を使うと、たまにこうなるヤツがいるんだ。俺の甥っ子もそうだった」
「じゃあ、どうすれば元に戻るの!?」
「ぶん殴って気絶させるしかない。それしか方法がないんだが・・・」
「魔力量が多すぎて、シャドウ・ハンドがかなり厄介だ。捕まったら、敵の二の舞になるぞ!!」
熟練の兵士ですら、近づくのを躊躇するアルの状態。しかし、このままにしておいたら、街が破壊される。どのみち止めなければならない。
「凄い魔力を感じたと思ったら・・・なぁんだ、そういう事だったのかぁ。コツを掴んだみたいだね、アル」
そこに現れたのは、最高戦力であり、バール領最高権力者のバール。彼女は、兵士達を退けて、アルの前に出る。
「そこのゴブリン君、何があったのかな?」
「カルー将軍が、アルを庇って死んじゃいました・・・」
「なるほどぉ~把握把握。これはまた、惜しい戦力を失った。弔いはしっかりとしよう。その前に、アルを止めなきゃね」
「でも、バール様。一体どうやって・・・」
「はぁ?そんなの簡単だろう?殴れば良いのさ・・・闇より出し黒き手よ、冷たいその手で包み込め『シャドウ・ハンド』」
バールが使ったのは、アルが現在使用している魔法。しかし、数えきれないほど作っているアルとは違い、バールは巨大な影の手を作り、握り拳を作らせた。
「ひっさ~つ!シャドウ・パーンチ!!」
巨大な影の拳は、アルへと真っ直ぐ飛んでいき、アルを思い切り殴り飛ばす。
しっかり気絶したようで、アルのシャドウ・ハンドは消えていた。
「よーし!終わり!それじゃ、後片付けと行こうかぁ!」
人員と壁共に甚大な被害を受けているにも関わらず、バールはとても嬉しそうだったと、兵士達は後に語った。
「だから言ったんだ!早く撤退すべきだって!なのに、あのクソガキは・・・!!」
「んな事言ってる場合か!早く逃げるぞ!」
「・・・いや、もう逃げられない。俺達は」
「はぁ!?何言ってんだよ!相手は油断している!今のうちに!!」
「自分の体を見ろ!!何が巻き付いている!!」
主人を失った敵兵。彼らの体にまとわりついていたのは、主人を殺した影のだった。
「ま、待ってくれ!!助け────」
命乞いを言い切る前に影の手は、敵兵を締め付け、熟れた果実のように弾けさせる。1人、2人と次々に破裂していき、あたりは血の池と化す。
ものの一瞬で、残っていた24人の敵兵達は挽肉と血に変化。バール軍の防衛戦は成功を収めたのである。
収めたのだが────。
「・・・・・・」
「あの・・・アル?」
「・・・ス」
「え?」
「コロス!!」
感情に任せて、闇の魔法を使った結果、アルの心は暴走。理性を失ってしまっていた。今のアルは、目の前にいる敵を殲滅するだけのモンスターと化したのだ。
「うわぁ!オイラだよ!オイラ!親友の顔すら忘れちまったのかよ!!」
「ヨクモ・・・ヨクモ、カルー将軍ヲォォォォォォ!!」
「行くなゴップ!親友に殺されたくなかったならな!!」
闇の魔法を熟知している魔族の兵士達は、すぐにアルから距離を取る。
「初めて闇の魔法を使うと、たまにこうなるヤツがいるんだ。俺の甥っ子もそうだった」
「じゃあ、どうすれば元に戻るの!?」
「ぶん殴って気絶させるしかない。それしか方法がないんだが・・・」
「魔力量が多すぎて、シャドウ・ハンドがかなり厄介だ。捕まったら、敵の二の舞になるぞ!!」
熟練の兵士ですら、近づくのを躊躇するアルの状態。しかし、このままにしておいたら、街が破壊される。どのみち止めなければならない。
「凄い魔力を感じたと思ったら・・・なぁんだ、そういう事だったのかぁ。コツを掴んだみたいだね、アル」
そこに現れたのは、最高戦力であり、バール領最高権力者のバール。彼女は、兵士達を退けて、アルの前に出る。
「そこのゴブリン君、何があったのかな?」
「カルー将軍が、アルを庇って死んじゃいました・・・」
「なるほどぉ~把握把握。これはまた、惜しい戦力を失った。弔いはしっかりとしよう。その前に、アルを止めなきゃね」
「でも、バール様。一体どうやって・・・」
「はぁ?そんなの簡単だろう?殴れば良いのさ・・・闇より出し黒き手よ、冷たいその手で包み込め『シャドウ・ハンド』」
バールが使ったのは、アルが現在使用している魔法。しかし、数えきれないほど作っているアルとは違い、バールは巨大な影の手を作り、握り拳を作らせた。
「ひっさ~つ!シャドウ・パーンチ!!」
巨大な影の拳は、アルへと真っ直ぐ飛んでいき、アルを思い切り殴り飛ばす。
しっかり気絶したようで、アルのシャドウ・ハンドは消えていた。
「よーし!終わり!それじゃ、後片付けと行こうかぁ!」
人員と壁共に甚大な被害を受けているにも関わらず、バールはとても嬉しそうだったと、兵士達は後に語った。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
91
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる