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4章 魔王の肩書きを持つ少女
62話 まずは、新参者から
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「お前には、これから1週間、妾の身を守りながら、裏切り者は誰なのかを見つけてもらう」
裏切り者になった次は裏切り者探しか。なんだか面白い人生を歩んでいるなと自分でも思ってしまう。
「でも、どうするんです?もしかしたら僕がその暗殺者かもしれませんよ?バール様の通常運転なのももしかしたら嘘かも」
「そうなのか!?」
「そうかもしれないって話です。僕はしっかりと魔王軍に忠誠を誓ってますよ。だから、僕以外には言わない方が良いと思いますよ。魔王様が言う暗殺者がビビッて引っ込んじゃうだろうし」
「ううむ・・・それはマズイな・・・今週中に突き止めて、エンデ王国に進攻したいのに・・・」
「やっぱり、進攻を渋っていたのは、新兵器とかではなく、暗殺者の為だったんですね」
「当たり前だ!!魔王が、他種族の新兵器なんかにビビッてたまるか!!」
それを聞けただけで良かった。でも、その事情を皆に説明できないのは、魔王様からしてももどかしいものなのだろう。
「というわけで、これから1週間、頼むぞ!!」
「任せてください!しっかりと見つけますよ!!」
「・・・と言いたい所なのだが、お前の先程の発言で少しお前にも不信感を抱いてしまった。これは事が済むまでどうも払拭する事が出来ない。なので、こうする」
「・・・え?」
「我が合図があるまで、その場で待機せよ。『ランドマイン』」
体のあちこちに光る丸い点が現れたかと思いきや、すぐに消え、目立たなくなった。今のは一体なんなのだろうか。
「お前に地雷を仕込んだ」
「はぁ!?地雷!?人の体に!?そんな事できるんですか!?ていうか何やってるんですか!!」
「落ち着け。妾が合図を出さなければ、爆発はしない。お前がもし、妾に背くような行動を行った場合・・・」
「爆発させる・・・つまり、爆破されたくなければ、裏切るなって事ですね」
「・・・すまないな」
あんな事言わなければ良かった。地雷を仕掛けられたのは僕の方に責任がある。それと、物理的な干渉ではなくて、合図で爆発するのは地雷とは呼べないのでは?
「ここでの会話も、誰にも話さないように分かったか?」
「はい・・・」
「では、失礼する・・・頼んだぞ」
魔王様の体が、霞のように消えていく。消える際に言い放った最後の言葉は、とてもか細く、不安を募らせている声だった。
魔王様が消え、残されたのは僕のみ。周りにはだれもおらず、聞かれた心配もない。
さて、魔王様直々に2度目の任務が与えられたわけだが、まず最初は誰をマークしようか・・・。
「・・・無難にスネイクさんかな?」
裏切りと言ったら、彼しか出てこない。第一印象が原因かもしれない。
裏切り者になった次は裏切り者探しか。なんだか面白い人生を歩んでいるなと自分でも思ってしまう。
「でも、どうするんです?もしかしたら僕がその暗殺者かもしれませんよ?バール様の通常運転なのももしかしたら嘘かも」
「そうなのか!?」
「そうかもしれないって話です。僕はしっかりと魔王軍に忠誠を誓ってますよ。だから、僕以外には言わない方が良いと思いますよ。魔王様が言う暗殺者がビビッて引っ込んじゃうだろうし」
「ううむ・・・それはマズイな・・・今週中に突き止めて、エンデ王国に進攻したいのに・・・」
「やっぱり、進攻を渋っていたのは、新兵器とかではなく、暗殺者の為だったんですね」
「当たり前だ!!魔王が、他種族の新兵器なんかにビビッてたまるか!!」
それを聞けただけで良かった。でも、その事情を皆に説明できないのは、魔王様からしてももどかしいものなのだろう。
「というわけで、これから1週間、頼むぞ!!」
「任せてください!しっかりと見つけますよ!!」
「・・・と言いたい所なのだが、お前の先程の発言で少しお前にも不信感を抱いてしまった。これは事が済むまでどうも払拭する事が出来ない。なので、こうする」
「・・・え?」
「我が合図があるまで、その場で待機せよ。『ランドマイン』」
体のあちこちに光る丸い点が現れたかと思いきや、すぐに消え、目立たなくなった。今のは一体なんなのだろうか。
「お前に地雷を仕込んだ」
「はぁ!?地雷!?人の体に!?そんな事できるんですか!?ていうか何やってるんですか!!」
「落ち着け。妾が合図を出さなければ、爆発はしない。お前がもし、妾に背くような行動を行った場合・・・」
「爆発させる・・・つまり、爆破されたくなければ、裏切るなって事ですね」
「・・・すまないな」
あんな事言わなければ良かった。地雷を仕掛けられたのは僕の方に責任がある。それと、物理的な干渉ではなくて、合図で爆発するのは地雷とは呼べないのでは?
「ここでの会話も、誰にも話さないように分かったか?」
「はい・・・」
「では、失礼する・・・頼んだぞ」
魔王様の体が、霞のように消えていく。消える際に言い放った最後の言葉は、とてもか細く、不安を募らせている声だった。
魔王様が消え、残されたのは僕のみ。周りにはだれもおらず、聞かれた心配もない。
さて、魔王様直々に2度目の任務が与えられたわけだが、まず最初は誰をマークしようか・・・。
「・・・無難にスネイクさんかな?」
裏切りと言ったら、彼しか出てこない。第一印象が原因かもしれない。
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