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4章 魔王の肩書きを持つ少女
77話 天使退治
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「あ・・・うあ・・・」
「呂律も回らなくなってきたみたいだね」
かなり強力な毒だったのだろう。ものの数十秒で、立ち上がらなくなってしまった。
「これじゃあ、魔法の詠唱もできない。つまり、君は戦う手段を失ったわけだ」
「アル、どうするの?もう死ぬのはほとんど確定みたいだけど・・・」
「このまま、毒で死ぬのを待ちましょう。どんな顔で死んでいくのか見てみたいですし・・・」
「いえ、スネイクさん。このまま首を刎ねて殺します。敵とはいえ、苦しんで死ぬのは可哀想ですし」
「そうですか、それは残念です。ですが、この天使の生殺与奪の権利は貴方にあります。どうぞ、ご自由に」
「はい、魔王様。失礼します」
カルー将軍の剣に持ち変えると、苦しむエンジの首を刎ねる。エンジが動かなかったお陰で、一撃で跳ねる事ができた。
「・・・まさか、エンジが我々の裏切り者だったなんて・・・」
口を覆い、ホロホロと涙を流すミシェル。従者にするほどまでに可愛がっていた者が、裏切り者の上に自分らを見下していたと知ったのだ。ショックは大きいだろう。
「申し訳ございません、魔王様。これは全て私の失態です・・・」
「気にするな。お前自身が悪いわけでは無い。それに、侵攻を進めれば、このような事が起きると予想できていた」
一方、魔王様は安堵していた。自分を殺そうとする者が目の前でしっかりと殺されるのを確認したからだろう。
「魔王様・・・どういう事か説明をしていただけませんか?アルフォースに何を指示していたのですか?」
「・・・妾が何者かに殺される予知夢を見た。ここにいる誰がに殺される夢を。だから、秘密裏にアルフォースに調べてもらっていたのだ」
「なっ・・・余も疑われていたのですか!?まさか、アルフォースが余に近づいてきたのも・・・」
「調査の一環です。任務とはいえ、貴方を疑い、打算的に貴方に近づいてしまい、申し訳ございませんでした」
「い、いや!謝る必要はない!理由がどんな事であれ、お前ほ魔王様を守ったのだからな・・・はっ!もしや、侵攻に尻込みしていたのも暗殺者の襲撃を恐れてですか?」
「・・・恥ずかしいことにな。幹部の者達よ、お前達に相談できなかった事、疑ってしまった事を心から謝罪する。申し訳なかった・・・」
「気になさらないで下さい!!寧ろ、余は疑われて当然です!魔物の待遇を変えて欲しいが為にあのような態度を取っていたのですから」
「わたしも文句はないねぇ。研究費を出してもらってる立場だしねぇ」
「むしろ、良い事だと捉えましょう!これからやっと、前に進めるのですから!」
「皆ぁ・・・感謝する!」
涙ぐみ、頭を下げる魔王様を見て、自分も少し目頭が熱くなるのを感じる。この人に一生ついていこう。何があったとしても・・・。
「それじゃあ!裏切り者も倒した事だし?皆で遊びませんか?コレで!!」
そう言って、スネイクさんが手に取ったのは、エンジの生首だった。
「な、何をする気だ?スネイク・ウィーマン・・・」
「そんなの決まってるでしょ!え~い☆」
スネイクさんは、エンジの首を手放すと、あろう事か、床に落とさないようにリフティングを始める。
裏切り者だったとはいえ、流石にやりすぎなのではないだろうか?
「スネイクさん、流石にやりすぎですよ!!」
アルは少し怒り気味に、スネイクを止め始めた。
「呂律も回らなくなってきたみたいだね」
かなり強力な毒だったのだろう。ものの数十秒で、立ち上がらなくなってしまった。
「これじゃあ、魔法の詠唱もできない。つまり、君は戦う手段を失ったわけだ」
「アル、どうするの?もう死ぬのはほとんど確定みたいだけど・・・」
「このまま、毒で死ぬのを待ちましょう。どんな顔で死んでいくのか見てみたいですし・・・」
「いえ、スネイクさん。このまま首を刎ねて殺します。敵とはいえ、苦しんで死ぬのは可哀想ですし」
「そうですか、それは残念です。ですが、この天使の生殺与奪の権利は貴方にあります。どうぞ、ご自由に」
「はい、魔王様。失礼します」
カルー将軍の剣に持ち変えると、苦しむエンジの首を刎ねる。エンジが動かなかったお陰で、一撃で跳ねる事ができた。
「・・・まさか、エンジが我々の裏切り者だったなんて・・・」
口を覆い、ホロホロと涙を流すミシェル。従者にするほどまでに可愛がっていた者が、裏切り者の上に自分らを見下していたと知ったのだ。ショックは大きいだろう。
「申し訳ございません、魔王様。これは全て私の失態です・・・」
「気にするな。お前自身が悪いわけでは無い。それに、侵攻を進めれば、このような事が起きると予想できていた」
一方、魔王様は安堵していた。自分を殺そうとする者が目の前でしっかりと殺されるのを確認したからだろう。
「魔王様・・・どういう事か説明をしていただけませんか?アルフォースに何を指示していたのですか?」
「・・・妾が何者かに殺される予知夢を見た。ここにいる誰がに殺される夢を。だから、秘密裏にアルフォースに調べてもらっていたのだ」
「なっ・・・余も疑われていたのですか!?まさか、アルフォースが余に近づいてきたのも・・・」
「調査の一環です。任務とはいえ、貴方を疑い、打算的に貴方に近づいてしまい、申し訳ございませんでした」
「い、いや!謝る必要はない!理由がどんな事であれ、お前ほ魔王様を守ったのだからな・・・はっ!もしや、侵攻に尻込みしていたのも暗殺者の襲撃を恐れてですか?」
「・・・恥ずかしいことにな。幹部の者達よ、お前達に相談できなかった事、疑ってしまった事を心から謝罪する。申し訳なかった・・・」
「気になさらないで下さい!!寧ろ、余は疑われて当然です!魔物の待遇を変えて欲しいが為にあのような態度を取っていたのですから」
「わたしも文句はないねぇ。研究費を出してもらってる立場だしねぇ」
「むしろ、良い事だと捉えましょう!これからやっと、前に進めるのですから!」
「皆ぁ・・・感謝する!」
涙ぐみ、頭を下げる魔王様を見て、自分も少し目頭が熱くなるのを感じる。この人に一生ついていこう。何があったとしても・・・。
「それじゃあ!裏切り者も倒した事だし?皆で遊びませんか?コレで!!」
そう言って、スネイクさんが手に取ったのは、エンジの生首だった。
「な、何をする気だ?スネイク・ウィーマン・・・」
「そんなの決まってるでしょ!え~い☆」
スネイクさんは、エンジの首を手放すと、あろう事か、床に落とさないようにリフティングを始める。
裏切り者だったとはいえ、流石にやりすぎなのではないだろうか?
「スネイクさん、流石にやりすぎですよ!!」
アルは少し怒り気味に、スネイクを止め始めた。
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