魔法属性が遺伝する異世界で、人間なのに、何故か魔族のみ保有する闇属性だったので魔王サイドに付きたいと思います

町島航太

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最終章 勝利の為なら手段は選ばず

144話 我々の底力をみせてやろうじゃないか

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「どうなされたのです!?また、予知夢を見たのですか?」

「今度は誰に殺される夢を見たんだい!?うちのアルが見事に見つけてみせよう!!」

「ぶっちゃけ、まだ、魔族の剣が量産段階に入って無かったから少しありがたいかも?」

 すぐさま詰め寄る3人の幹部。しかし、魔王様もそうなる事は予想済みだったようで、冷静な表情で3人を宥めた。

「落ち着け。とりあえず、話を聞くがいい」

「・・・そうですな。貴方が考えなしに行動を起こす人だとは思っていません。何か考えがあるのでしょう?」

「勿論だ。エンデ王国が他国と同盟を結んでいる事は知っているよな?」

「確か、互いにピンチになったら助け合うとかいう110年前に交わした同盟ですよね?ここ最近戦争が無かったから、皆忘れてるけど」

「妾が送り出したスパイによると、今、エンデは同盟国に援軍の要請をしているらしい」

「ほう・・・どの国にですか?」

「隣国全ての国にだ。そこで我々はその援軍が来るまで待とうと思う。理由が分かる者はいるかな?」

「圧勝ばかりで鬱憤が溜まっている兵士達に戦いごたえのある戦争の場を用意するためですかな?」

「それは2の次に過ぎん。妾の目的は、我々の力の誇示である!!」

 彼女の考えはシンプルそのものだった。圧倒的な力で格の違いを見せつけ、他国へ絶望感を与え、歯向かう気力を奪う事。自分達の侵略行為を沈黙させる為の援軍待ちである。

「けど、どのくらい援軍が来るか分かりませんよ?もしかしたら、我々以上の戦力かも」

「だから、魔族の剣の製造をお前に頼んだのだろうが。流石に試作品は出来ているだろうな?」

「なんなら、持ってきてますよ?量産段階もあと少しで入れますし」

「それが終わったら、その技術を応用して他の武器も作れ。斧や槍を愛武器にしている者は多いからな」

「うへ~~しばらくぐっすり眠れなさそうだよぉぉぉ~~」

「今までさぼってきたんだ。いいじゃあ、ないか。それじゃあ、今日が解散で良いかい?」

「うむ!皆の者ご苦労であった!!」

「有意義な時間だった事に間違いはないと思うのですが、この程度で終わるなら、別に招集しなくても良かったのでは?」

「皆のやる気が見たかったんだ!!ああ、バール!そんなに嫌そうな顔はしないでくれ!!たまたま見つけた魔法書をやるから!!あっ!スネイク!後で試作品は持ってきてくれ!どんなものなのか見てみたい!!」

 ただ、王手を取るのではなく、絶対に勝てない事を気づかせる為の戦い。有効ではあるが、果たして僕達は援軍に勝てるのだろうか?
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