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小魚、飛ぶ
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考えてみれば当然だ。
向こうはガチガチに装備を着込んでいるのに、俺は全裸で初期ステータスも低かった。
いくら俺のレベルが高いとはいえ、勝てるはずもなかった。
「こりゃ、終わりだ」
この状況から勝てる気がしない。
リスポーン地点(復活する場所)もこの池だろうし、俺は無限死を味わうことになるんだろう。
「フォォォォオオオ!!」
内心諦めていると、背後からママの声が聞こえてきた。
そちらを見てみると、眼を赤くし、怒っているのがありありとわかった。
え、何する気なの。
ママにかすられただけでここにいるものは全て死ぬだろう。
触れるもの皆傷つけるので出来れば静かにしていて欲しい。
「おい、なんだよこの化物モンスター」
「こんなのがいるなんて俺も知らなかったっての!! やってられるかよ。こいつだけぶっ潰してとんずらするぞ」
アロン達も突然現れた巨大魚に驚いているようだ。
それでも、俺を倒すことはやめないらしい。
俺になんの恨みがあるんだ。
親の仇クラスのしつこさには恐れ入ったが、ここでママが動く。
「フォォォ!!!!」
球体を3つ作り出し、それを俺たちに飛ばしてきたのだ。
池の主人として目の前の争いが許せなかったのか!?
とにかく、食らったら終わりだ。
黒い球2つはアロンたちに飛ばし、白い球が俺に向かってくる。なんとかしてかわそうとしたが、残念なことに球にはホーミング性能がついていたらしい。
確実にかわしたはずだったのに、進路を変えて俺に突っ込んできた。白い球体の中に飲み込まれる。
攻撃で死ぬのかと思ったが、そうではない。
ただ包み込まれただけだ。
アロン達も球がぶつかるところまでは同じようで、かわそうとしたアロン達に向けて球は進路を変えて直撃した。
しかし、俺とは明らかに違う現象が起きていた。
アロン達にぶつかった球体は爆破したのだ。
あたりを飲み込み、全てを破壊する。
爆破によって水が弾かれ、池に穴が空いた。
近くにいた俺も本来なら死ぬはずだが、ママが出した白い球体のおかげで無傷だ。
しばらくして水が戻ってくると白い球体も消え、自由に動けるようになった。
「フォォォォ」
「ありがとう」
いじめられていた俺を助けることに成功したのが嬉しかったのか、ママは機嫌よさそうに高らかに鳴いた。
しかし、今回は良かったがこれから先は問題だ。
このままだと魚人系のプレイヤーに遭遇したら戦闘を考えないといけなくなってしまった。
普通のプレイヤーならいきなりPK(プレイヤーを攻撃すること)なんてしないだろうが、警戒しなくちゃいけないのは面倒だ。
強く、ならなくてはいけない。
俺は自由に遊べるようになるために小魚の雑魚キャラから脱却するぞ。
しかし、そうは言っても手段は一つしかない
今の俺にある取り柄は跳ねることでやたらと入ってくる経験値だけだ。
レベルを上げて、進化する。
これに尽きる。
それでもずっとこの池にとどまるわけにもいかないし、どうしたものか。
辺りは大地が続いているので今の俺じゃどうしようもない。
「フォォォォ」
俺が頭を悩ませていると、ママが答えるように鳴いた。
「え、どうするつもりなの?」
ママは優しく鳴き、口から小さな光を吐き出す。
小さな光は俺のもとまで飛んでくると、そのまま身体の中にするりと入ってきた。
え、俺は今何を埋め込まれたんだ?
優しく鳴くだけじゃ分からないんですけど。
化物の……ママの考えはさっぱり分からない。
考えが分からぬまま、ママは次の行動に移った。
「フォォォォ!」
大きく息を吸い込み。
さっき俺を包んだものよりも大きな白い球体を吐き出したのだ。
どうせホーミングがついているので回避もせずに球を受けると、俺は白い球体に飲み込まれ、そのまま空へと吹っ飛ばされた。
「ふぁっ!!?」
あいつ優しそうに鳴いてたのになにしてくれてんだ。
今の俺は地面に生えている木々が小さく見えるほどまで高く打ち上げられている。
さっきまで俺が泳いでいた池の姿はどんどん小さくなっていく。
しばらくそのまま空の旅を続けていると、俺は着水した。
ジャボン!!!!!
あまりに高度からの飛び込みに隕石でもふってきたかのようにあたりに水が飛び散る。
-ママ愛ジャンプ! 親子の力によって経験値1891を獲得-
えぇ……。
相変わらずの仕様にげんなりしたけど、水のある場所に着水できてよかった。
俺が着水したのは川らしく遠くまで続いている。
「ありがとう、ママ」
どうやらママは俺をはじき出したのではなく、新たな旅へ出発させてくれたようだ。
いつか、ちゃんとした姿になったらママにお礼をしにいこう。
「これから、やっと冒険だ」
川にこれたということはかなり広範囲移動できるはずだ。
この川で修練してさらなる高みを目指すぞ。
※※※※※お願い※※※※※
面白い、続きが読みたいと思っていただけたら感想やしおり、お気に入り登録で応援してもらえると嬉しいです。
痛快VRMM O 小魚ピチピチを今後もよろしくお願いします!
向こうはガチガチに装備を着込んでいるのに、俺は全裸で初期ステータスも低かった。
いくら俺のレベルが高いとはいえ、勝てるはずもなかった。
「こりゃ、終わりだ」
この状況から勝てる気がしない。
リスポーン地点(復活する場所)もこの池だろうし、俺は無限死を味わうことになるんだろう。
「フォォォォオオオ!!」
内心諦めていると、背後からママの声が聞こえてきた。
そちらを見てみると、眼を赤くし、怒っているのがありありとわかった。
え、何する気なの。
ママにかすられただけでここにいるものは全て死ぬだろう。
触れるもの皆傷つけるので出来れば静かにしていて欲しい。
「おい、なんだよこの化物モンスター」
「こんなのがいるなんて俺も知らなかったっての!! やってられるかよ。こいつだけぶっ潰してとんずらするぞ」
アロン達も突然現れた巨大魚に驚いているようだ。
それでも、俺を倒すことはやめないらしい。
俺になんの恨みがあるんだ。
親の仇クラスのしつこさには恐れ入ったが、ここでママが動く。
「フォォォ!!!!」
球体を3つ作り出し、それを俺たちに飛ばしてきたのだ。
池の主人として目の前の争いが許せなかったのか!?
とにかく、食らったら終わりだ。
黒い球2つはアロンたちに飛ばし、白い球が俺に向かってくる。なんとかしてかわそうとしたが、残念なことに球にはホーミング性能がついていたらしい。
確実にかわしたはずだったのに、進路を変えて俺に突っ込んできた。白い球体の中に飲み込まれる。
攻撃で死ぬのかと思ったが、そうではない。
ただ包み込まれただけだ。
アロン達も球がぶつかるところまでは同じようで、かわそうとしたアロン達に向けて球は進路を変えて直撃した。
しかし、俺とは明らかに違う現象が起きていた。
アロン達にぶつかった球体は爆破したのだ。
あたりを飲み込み、全てを破壊する。
爆破によって水が弾かれ、池に穴が空いた。
近くにいた俺も本来なら死ぬはずだが、ママが出した白い球体のおかげで無傷だ。
しばらくして水が戻ってくると白い球体も消え、自由に動けるようになった。
「フォォォォ」
「ありがとう」
いじめられていた俺を助けることに成功したのが嬉しかったのか、ママは機嫌よさそうに高らかに鳴いた。
しかし、今回は良かったがこれから先は問題だ。
このままだと魚人系のプレイヤーに遭遇したら戦闘を考えないといけなくなってしまった。
普通のプレイヤーならいきなりPK(プレイヤーを攻撃すること)なんてしないだろうが、警戒しなくちゃいけないのは面倒だ。
強く、ならなくてはいけない。
俺は自由に遊べるようになるために小魚の雑魚キャラから脱却するぞ。
しかし、そうは言っても手段は一つしかない
今の俺にある取り柄は跳ねることでやたらと入ってくる経験値だけだ。
レベルを上げて、進化する。
これに尽きる。
それでもずっとこの池にとどまるわけにもいかないし、どうしたものか。
辺りは大地が続いているので今の俺じゃどうしようもない。
「フォォォォ」
俺が頭を悩ませていると、ママが答えるように鳴いた。
「え、どうするつもりなの?」
ママは優しく鳴き、口から小さな光を吐き出す。
小さな光は俺のもとまで飛んでくると、そのまま身体の中にするりと入ってきた。
え、俺は今何を埋め込まれたんだ?
優しく鳴くだけじゃ分からないんですけど。
化物の……ママの考えはさっぱり分からない。
考えが分からぬまま、ママは次の行動に移った。
「フォォォォ!」
大きく息を吸い込み。
さっき俺を包んだものよりも大きな白い球体を吐き出したのだ。
どうせホーミングがついているので回避もせずに球を受けると、俺は白い球体に飲み込まれ、そのまま空へと吹っ飛ばされた。
「ふぁっ!!?」
あいつ優しそうに鳴いてたのになにしてくれてんだ。
今の俺は地面に生えている木々が小さく見えるほどまで高く打ち上げられている。
さっきまで俺が泳いでいた池の姿はどんどん小さくなっていく。
しばらくそのまま空の旅を続けていると、俺は着水した。
ジャボン!!!!!
あまりに高度からの飛び込みに隕石でもふってきたかのようにあたりに水が飛び散る。
-ママ愛ジャンプ! 親子の力によって経験値1891を獲得-
えぇ……。
相変わらずの仕様にげんなりしたけど、水のある場所に着水できてよかった。
俺が着水したのは川らしく遠くまで続いている。
「ありがとう、ママ」
どうやらママは俺をはじき出したのではなく、新たな旅へ出発させてくれたようだ。
いつか、ちゃんとした姿になったらママにお礼をしにいこう。
「これから、やっと冒険だ」
川にこれたということはかなり広範囲移動できるはずだ。
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