126 / 414
第125話 [気功法]
しおりを挟む
レイはその後暫く俺達と雑談するとアノスさんの所へ向かった。
「レイも頑張ってるみたいだな。」
「この短期間で最後の詰めって本人が言えるくらいなんだ、相当頑張ってるんだろう。」
「そうだな。俺も負けてられないな!」
「おっ、気合いがはいってるねぇ。」
「そりゃな。」
「そうだ!ルークが落ち着く環境は森か?平原か?何処だ?」
「ん?何でだ?」
「コレからする事は邪魔が入ると危険だからアイテムボックス改の中でやるつもりなんだが、ルークが落ち着く環境の方がより危険度が下がるからな。」
「なるほどな。それなら森の川の側が良いかな。」
「なるほどな。分かったなら軽く食べたら向かうとするか。」
「もう食べるのか?」
「あぁ、少しだけでも腹に入れといた方が良いからな。」
「分かった。」
ルークも納得した様なので、デニムさんにお願いして、軽食を用意してもらい、食事を済ませると森/川フィールドに入っていった。
「恵美、真司とりあえず別のフィールドで久しぶりに練武でもやっててくれ。」
「「は~い。」」
「じゃあ行こうか。」
「うん。」
恵美達はそう言うとフィールドを移動してくれた。
「さて、次は、っと精霊達、聞こえるか?」
俺がそう言うと精霊達が現れた。
「お前達には俺とルークが邪魔されない様にしてもらいたいのと子供達が無茶しない様に見ていてくれないか?」
「「「「「「承知しました。」」」」」」
精霊達がそう言いながら去って行くと周りの気配も消えていった。
「よし!問題ないな。それじゃあルークやるぞ。」
「おう。」
そう言うとルークに胡座をかいて座る様に指示し、ルークが座ると俺も目の前で座った。
「さて、両手を出してくれ。」
「おう。」
俺はルークが出した手の上に両手を添えた。
「今から気を少しずつ送るが、目を瞑り感じろ。」
俺はルークが指示通りに目を瞑ったタイミングで気を送り始めた。
「どうだ、分かるか?」
「あぁ何とか。」
「よし!次に気を一点にだけ強く送るから何処に送られているか、言ってみてくれ。」
俺はそう言うと1箇所ずつ移動する様に気を送っていった。
「頭頂部・・・胸・・・腹・・・いや、臍の下辺りか。・・・股を通って背中側からまた頭頂部か。」
「よし!では、此処からが本番だ。お前の気を少し刺激するからそれを感じ取ったらフォローするから自分で今やった様に動かしてみろ。」
俺はそう言うとルークの気を刺激した。
最初は刺激しても動かなかった気の流れだったが、暫くすると動き始め、だんだん上手く流せる様になって、最終的にはルーク1人の力で流せる様になった。
「よし!暫くその状態を維持しつつ、流れを速くしていけ。」
俺がそう言うとルークは大粒の汗を流しながら続行していった。
よし。やはり才能があるな、普通なら1週間は掛かるけど、もう自分の意思で流せているな。
暫く様子を見て問題ないと判断した俺はそっと手を離し、ルークから離れ、ダンジョンの設定画面を開いた。
【ダンジョン設定】
海/島フィールドを作成しますか?
YES/NO
島?あぁ、あの島も入口だからか。じゃあネロの要望も有ったし・・・YESっと。
【ダンジョン設定】
それではダンジョンを作成します。暫くお待ち下さい。
さてと、とりあえず今日はそこまで時間が無いし、もう暫くやらせたら今日は終わりだな。
そう思いながら時々、懐中時計で時間を見ながら瞑想して、夕食までの時間を潰した。
「よし!もう終わりだ。」
俺がそう言うとルークはそのまま仰向けに寝転がった。
「ふぅ~。疲れたぁ~。」
「初めてで予想以上の成果だな。」
「そうなのか?」
「あぁ。今日は感じるところまでの予定だったが、自分で動かせるところまで出来たからな。」
「へぇ~そうなのか。」
「それにお前なら少ししたら動けるだろ?」
俺がそう言うとルークは手を動かしながら自分の状態を確認した。
「あぁ。大丈夫そうだ。」
「普通なら話す事もままならないからな。」
「そんなものか。」
「とりあえず、夕食を頼めるか聞いてくるから。」
「おう。頼む。」
「誰か聞こえるか?」
俺がそう言うと木の影からスキアが出てきた。
「何ですか?」
「子供達に父さんは外に行くからそろそろ止めて出てくる様に伝えてくれないか?」
「・・・いやぁ、それは一寸我々には・・・。」
「ん?どうした?」
「何かあったのか?」
「アレからずっと戦闘状態で、途中で止めても止めなくて、疲れたらとも思ったんですけど疲れる様子も無く・・・。」
「ほう。ぶっ通しでか。」
「はい。」
スキアが申し訳なさそうにそう言ったので、俺はスキアの頭を撫でてルークに声を掛けた。
「ルーク、夕食の前に子供達の所に行ってくるから一寸待っててくれ。」
俺がそう言うとルークは無理矢理立ち上がろうとした。
「おいおい。まだ無理をするな。」
「俺も見てぇ。」
「はぁ?・・・まぁ良いけど・・・仕方ないなぁ。」
俺はそう言うとルークに肩を貸してやった。
「すまねぇ。」
「まぁ気にするな。じゃあ行くぞ。」
「おう。」
「スキア、子供達は何処のフィールドに居るんだ?」
「荒野/渓谷フィールドです。」
「なるほどな。」
「じゃあ行くか。」
そう言いながら移動すると子供達は模擬戦の真っ最中だった。
「す、凄ぇなぁ。なぁシュウト、俺さぁコレでもかなり強い方だと思ってたんだよ。」
「あぁ、そうだろうな。」
「そんでよぅ。シュウトの修行で、更に強くなった自信があったんだよ。」
「そうだな。そのつもりで鍛えてたからな。」
「けどよぅ・・・何だよアレは?」
ルークが落ち込み気味で子供達の事を見ていたので、答えてやった。
「そりゃ、ルークは俺の修行を始めてひと月も経ってないだろ。あの子らは前世とはいえ、物心がつく前から徹底的に鍛えてたんだ。転生して、更に聖獣の力を手に入れたんだ。強くない訳が無いだろ。」
「物心つく前ってそれは流石に人としてどうなんだ?」
「そう言われてもなぁ。物心つく前は俺の親父が鍛えてたからなぁ。」
「親子揃って教え方が無茶苦茶だなぁ。」
「そんな事ないぞ。俺はまだマシだと思うぞ。」
「シュウトでマシってどうなんだ?」
「まぁ俺が言うのもアレだけど無茶苦茶な人だったし、本人は天才だから何言ってるか分かんなかったしな。」
「あぁ、ギューンとかタ、タタタッとかそんな感じで教える人だろ。」
「そうそう!それ!お前もそんな人に教えて貰った経験あるのか?」
「あぁ、今はもういねぇけど、昔、剣聖様に教えて貰った時にそんな感じだった。」
「アレは困るよなぁ。」
「だな。ってか、アレって傍から見たら殺し合いにしか見えねぇぞ。」
「ん?何言ってんだ?確かに恵美は多少加減してるけど、殺す気でやらなきゃ稽古にならないだろ。」
「はぁ!?・・・俺、シュウトの息子じゃなくて良かったぁ。」
「何言ってんだよ。さて、そろそろ止めてくるか、一寸行ってくるな。」
「え?あの中に行くのか?声を掛けずに?」
「当たり前だろ。声なんか掛けたら怪我するだろ。それに俺からしたらあの程度、児戯だ!」
「そうかぁ・・・児戯かぁ・・・。」
俺はそう言うとルークの呟きを子供達の間に入って互いの武器を掴んだ。
「はい、ストップ。」
「「は~い。」」
「父さんとルークは夕食を食べに行くけど、お前達はどうする?」
「う~ん。父ちゃんは夜は戻ってくる?」
「そのつもりだぞ。もしかしたら遅くなるかもしれないけどな。」
「そっかぁ。じゃあコッチでもう少し稽古しとく。」
「真司はどうする?」
「ねえちゃんといっしょにけいこする。」
「模擬戦は駄目だぞ。」
「なんでぇ?」
「周りを見てみろ。荒野とはいえ、ボコボコじゃないか。」
「あっ!ホントだ!」
「父さんと爺さんの模擬戦後はどうなってた?」
「凄く綺麗な絵が描いてあった。」
「だな。もっと上手くなるには?」
「「稽古(けいこ)!」」
「じゃあ演武をやっていなさい。とその前にエダ、元に戻せるか?」
「問題ないのじゃ。」
「ありがとう。」
俺はそう言いながらエダに魔力を与えるとフォフォフォ!と言いながら一気に元に戻した。
「流石だな。この後は俺が戻るまで、子供達を頼むな。」
俺はそう言いながら子供達と精霊達に魔力を与えてアイテムボックス改からルークと出ていった。
「しかし、体が急に軽くなったけど、何かしてくれたのか?」
「無理矢理立った所為で気が乱れた状態になってたから調整しただけだ。」
「あぁ、肩を貸してくれてた時か。」
俺達がそう話しているとデニムさんが近づいてきた。
「シュウト様、ルーク殿下、アノス様から食事のお誘いがございますが、如何なさいますか?」
「レイも呼んでも構いませんか?」
「レイ様でしたらアノス様と御一緒されています。」
「分かりました。ルークもそれで良いよな。」
「あぁ。」
俺達はそのままデニムさんの案内で公爵家の皆さんと食事をして、3人で戻ってきた。
「レイはこのまま俺達と泊まるか?」
「良いのか?」
「あぁ。」
俺達はそう言うとアイテムボックス改の中に入っていった。
「丁度、海底神殿の事で話をしたかったんだ。」
「ん?何だ?」
「聞いた話だと行くまでも大変な道程なんだろ?」
「う~ん。ルーク、どうなんだ?」
「普通に船で行くなら軍か、最低でもAランクパーティの冒険者が乗った船じゃないと厳しいだろうな。後は、飛空艇で向かうかだな。」
「って言ってもダンジョンに入るのはAランクパーティの冒険者か、軍の精鋭部隊だろ。なら、大変じゃないんじゃないのか?」
「まぁ確かにそうなんだけど、飛空艇を停める場所とか色々造る必要があるんだよ。」
「それで?」
「攻略組も施設を造っておきたいんだよ。」
「そうか。なら、彼処がいいんじゃないか?」
「そうだな。」
「良い場所があるのか?」
「洞窟だ。」
「洞窟?」
「あぁ、マリクワ先生がコレクションを隠してた場所だからある程度広さも有ったぞ。」
「そうか。なら1度見ておきたいんだけど、明日の朝にでも連れていってくれないか?」
「う~ん。」
「どうしたんだ?」
「いやぁ、明後日じゃあ駄目か?」
「別に良いけど、それなら明後日見に行った後に師匠に報告したいから王都に送ってくれないか?」
「良いぞ。あっそうだ。レイは明日時間はあるか?」
「別に大丈夫かな。」
「レイも頑張ってるみたいだな。」
「この短期間で最後の詰めって本人が言えるくらいなんだ、相当頑張ってるんだろう。」
「そうだな。俺も負けてられないな!」
「おっ、気合いがはいってるねぇ。」
「そりゃな。」
「そうだ!ルークが落ち着く環境は森か?平原か?何処だ?」
「ん?何でだ?」
「コレからする事は邪魔が入ると危険だからアイテムボックス改の中でやるつもりなんだが、ルークが落ち着く環境の方がより危険度が下がるからな。」
「なるほどな。それなら森の川の側が良いかな。」
「なるほどな。分かったなら軽く食べたら向かうとするか。」
「もう食べるのか?」
「あぁ、少しだけでも腹に入れといた方が良いからな。」
「分かった。」
ルークも納得した様なので、デニムさんにお願いして、軽食を用意してもらい、食事を済ませると森/川フィールドに入っていった。
「恵美、真司とりあえず別のフィールドで久しぶりに練武でもやっててくれ。」
「「は~い。」」
「じゃあ行こうか。」
「うん。」
恵美達はそう言うとフィールドを移動してくれた。
「さて、次は、っと精霊達、聞こえるか?」
俺がそう言うと精霊達が現れた。
「お前達には俺とルークが邪魔されない様にしてもらいたいのと子供達が無茶しない様に見ていてくれないか?」
「「「「「「承知しました。」」」」」」
精霊達がそう言いながら去って行くと周りの気配も消えていった。
「よし!問題ないな。それじゃあルークやるぞ。」
「おう。」
そう言うとルークに胡座をかいて座る様に指示し、ルークが座ると俺も目の前で座った。
「さて、両手を出してくれ。」
「おう。」
俺はルークが出した手の上に両手を添えた。
「今から気を少しずつ送るが、目を瞑り感じろ。」
俺はルークが指示通りに目を瞑ったタイミングで気を送り始めた。
「どうだ、分かるか?」
「あぁ何とか。」
「よし!次に気を一点にだけ強く送るから何処に送られているか、言ってみてくれ。」
俺はそう言うと1箇所ずつ移動する様に気を送っていった。
「頭頂部・・・胸・・・腹・・・いや、臍の下辺りか。・・・股を通って背中側からまた頭頂部か。」
「よし!では、此処からが本番だ。お前の気を少し刺激するからそれを感じ取ったらフォローするから自分で今やった様に動かしてみろ。」
俺はそう言うとルークの気を刺激した。
最初は刺激しても動かなかった気の流れだったが、暫くすると動き始め、だんだん上手く流せる様になって、最終的にはルーク1人の力で流せる様になった。
「よし!暫くその状態を維持しつつ、流れを速くしていけ。」
俺がそう言うとルークは大粒の汗を流しながら続行していった。
よし。やはり才能があるな、普通なら1週間は掛かるけど、もう自分の意思で流せているな。
暫く様子を見て問題ないと判断した俺はそっと手を離し、ルークから離れ、ダンジョンの設定画面を開いた。
【ダンジョン設定】
海/島フィールドを作成しますか?
YES/NO
島?あぁ、あの島も入口だからか。じゃあネロの要望も有ったし・・・YESっと。
【ダンジョン設定】
それではダンジョンを作成します。暫くお待ち下さい。
さてと、とりあえず今日はそこまで時間が無いし、もう暫くやらせたら今日は終わりだな。
そう思いながら時々、懐中時計で時間を見ながら瞑想して、夕食までの時間を潰した。
「よし!もう終わりだ。」
俺がそう言うとルークはそのまま仰向けに寝転がった。
「ふぅ~。疲れたぁ~。」
「初めてで予想以上の成果だな。」
「そうなのか?」
「あぁ。今日は感じるところまでの予定だったが、自分で動かせるところまで出来たからな。」
「へぇ~そうなのか。」
「それにお前なら少ししたら動けるだろ?」
俺がそう言うとルークは手を動かしながら自分の状態を確認した。
「あぁ。大丈夫そうだ。」
「普通なら話す事もままならないからな。」
「そんなものか。」
「とりあえず、夕食を頼めるか聞いてくるから。」
「おう。頼む。」
「誰か聞こえるか?」
俺がそう言うと木の影からスキアが出てきた。
「何ですか?」
「子供達に父さんは外に行くからそろそろ止めて出てくる様に伝えてくれないか?」
「・・・いやぁ、それは一寸我々には・・・。」
「ん?どうした?」
「何かあったのか?」
「アレからずっと戦闘状態で、途中で止めても止めなくて、疲れたらとも思ったんですけど疲れる様子も無く・・・。」
「ほう。ぶっ通しでか。」
「はい。」
スキアが申し訳なさそうにそう言ったので、俺はスキアの頭を撫でてルークに声を掛けた。
「ルーク、夕食の前に子供達の所に行ってくるから一寸待っててくれ。」
俺がそう言うとルークは無理矢理立ち上がろうとした。
「おいおい。まだ無理をするな。」
「俺も見てぇ。」
「はぁ?・・・まぁ良いけど・・・仕方ないなぁ。」
俺はそう言うとルークに肩を貸してやった。
「すまねぇ。」
「まぁ気にするな。じゃあ行くぞ。」
「おう。」
「スキア、子供達は何処のフィールドに居るんだ?」
「荒野/渓谷フィールドです。」
「なるほどな。」
「じゃあ行くか。」
そう言いながら移動すると子供達は模擬戦の真っ最中だった。
「す、凄ぇなぁ。なぁシュウト、俺さぁコレでもかなり強い方だと思ってたんだよ。」
「あぁ、そうだろうな。」
「そんでよぅ。シュウトの修行で、更に強くなった自信があったんだよ。」
「そうだな。そのつもりで鍛えてたからな。」
「けどよぅ・・・何だよアレは?」
ルークが落ち込み気味で子供達の事を見ていたので、答えてやった。
「そりゃ、ルークは俺の修行を始めてひと月も経ってないだろ。あの子らは前世とはいえ、物心がつく前から徹底的に鍛えてたんだ。転生して、更に聖獣の力を手に入れたんだ。強くない訳が無いだろ。」
「物心つく前ってそれは流石に人としてどうなんだ?」
「そう言われてもなぁ。物心つく前は俺の親父が鍛えてたからなぁ。」
「親子揃って教え方が無茶苦茶だなぁ。」
「そんな事ないぞ。俺はまだマシだと思うぞ。」
「シュウトでマシってどうなんだ?」
「まぁ俺が言うのもアレだけど無茶苦茶な人だったし、本人は天才だから何言ってるか分かんなかったしな。」
「あぁ、ギューンとかタ、タタタッとかそんな感じで教える人だろ。」
「そうそう!それ!お前もそんな人に教えて貰った経験あるのか?」
「あぁ、今はもういねぇけど、昔、剣聖様に教えて貰った時にそんな感じだった。」
「アレは困るよなぁ。」
「だな。ってか、アレって傍から見たら殺し合いにしか見えねぇぞ。」
「ん?何言ってんだ?確かに恵美は多少加減してるけど、殺す気でやらなきゃ稽古にならないだろ。」
「はぁ!?・・・俺、シュウトの息子じゃなくて良かったぁ。」
「何言ってんだよ。さて、そろそろ止めてくるか、一寸行ってくるな。」
「え?あの中に行くのか?声を掛けずに?」
「当たり前だろ。声なんか掛けたら怪我するだろ。それに俺からしたらあの程度、児戯だ!」
「そうかぁ・・・児戯かぁ・・・。」
俺はそう言うとルークの呟きを子供達の間に入って互いの武器を掴んだ。
「はい、ストップ。」
「「は~い。」」
「父さんとルークは夕食を食べに行くけど、お前達はどうする?」
「う~ん。父ちゃんは夜は戻ってくる?」
「そのつもりだぞ。もしかしたら遅くなるかもしれないけどな。」
「そっかぁ。じゃあコッチでもう少し稽古しとく。」
「真司はどうする?」
「ねえちゃんといっしょにけいこする。」
「模擬戦は駄目だぞ。」
「なんでぇ?」
「周りを見てみろ。荒野とはいえ、ボコボコじゃないか。」
「あっ!ホントだ!」
「父さんと爺さんの模擬戦後はどうなってた?」
「凄く綺麗な絵が描いてあった。」
「だな。もっと上手くなるには?」
「「稽古(けいこ)!」」
「じゃあ演武をやっていなさい。とその前にエダ、元に戻せるか?」
「問題ないのじゃ。」
「ありがとう。」
俺はそう言いながらエダに魔力を与えるとフォフォフォ!と言いながら一気に元に戻した。
「流石だな。この後は俺が戻るまで、子供達を頼むな。」
俺はそう言いながら子供達と精霊達に魔力を与えてアイテムボックス改からルークと出ていった。
「しかし、体が急に軽くなったけど、何かしてくれたのか?」
「無理矢理立った所為で気が乱れた状態になってたから調整しただけだ。」
「あぁ、肩を貸してくれてた時か。」
俺達がそう話しているとデニムさんが近づいてきた。
「シュウト様、ルーク殿下、アノス様から食事のお誘いがございますが、如何なさいますか?」
「レイも呼んでも構いませんか?」
「レイ様でしたらアノス様と御一緒されています。」
「分かりました。ルークもそれで良いよな。」
「あぁ。」
俺達はそのままデニムさんの案内で公爵家の皆さんと食事をして、3人で戻ってきた。
「レイはこのまま俺達と泊まるか?」
「良いのか?」
「あぁ。」
俺達はそう言うとアイテムボックス改の中に入っていった。
「丁度、海底神殿の事で話をしたかったんだ。」
「ん?何だ?」
「聞いた話だと行くまでも大変な道程なんだろ?」
「う~ん。ルーク、どうなんだ?」
「普通に船で行くなら軍か、最低でもAランクパーティの冒険者が乗った船じゃないと厳しいだろうな。後は、飛空艇で向かうかだな。」
「って言ってもダンジョンに入るのはAランクパーティの冒険者か、軍の精鋭部隊だろ。なら、大変じゃないんじゃないのか?」
「まぁ確かにそうなんだけど、飛空艇を停める場所とか色々造る必要があるんだよ。」
「それで?」
「攻略組も施設を造っておきたいんだよ。」
「そうか。なら、彼処がいいんじゃないか?」
「そうだな。」
「良い場所があるのか?」
「洞窟だ。」
「洞窟?」
「あぁ、マリクワ先生がコレクションを隠してた場所だからある程度広さも有ったぞ。」
「そうか。なら1度見ておきたいんだけど、明日の朝にでも連れていってくれないか?」
「う~ん。」
「どうしたんだ?」
「いやぁ、明後日じゃあ駄目か?」
「別に良いけど、それなら明後日見に行った後に師匠に報告したいから王都に送ってくれないか?」
「良いぞ。あっそうだ。レイは明日時間はあるか?」
「別に大丈夫かな。」
88
あなたにおすすめの小説
捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ
月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。
こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。
そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。
太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。
テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う
シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。
当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。
そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。
その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
ソードオブマジック 異世界無双の高校生
@UnderDog
ファンタジー
高校生が始める異世界転生。
人生をつまらなく生きる少年黄金黒(こがねくろ)が異世界へ転生してしまいます。
親友のともはると彼女の雪とともにする異世界生活。
大事な人を守る為に強くなるストーリーです!
是非読んでみてください!
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情され、異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる