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17. スーパーって楽しいんだね
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「どこ行くの?」
「たまご」
あの日行き損ねたスーパーに着いた。一目散に卵売り場を目指すと理人が驚いたような声を出す。早歩きでコーナーを曲がると目当てのパックを手に取り賞味期限をチェックする。
「悩んでるなら両方買えば?」
「ちがう、賞味期限を確認してんの」
たまごを見比べたところで差異はない。これだから自炊をしない人間は…と心の中で呟く。確認してすぐ、カゴを取り忘れたことに気づいて入り口まで戻る。
「会計は?」
「するに決まってるだろ!カゴだよカゴ!!」
たまごを押し付けてカゴ置き場へと急ぐ。イケメンがたまご片手に呆然としている。じぃ…とこちらから視線を外さない。面白いのでそのまま放置することにした。
「スオ、」
理人が来るまでの間、野菜売り場に目を向ける。穂積は自分が作ったら弁当が茶色になると言っていた。それなら野菜でも詰めてプレゼントするか、とニンジンを手に取る。
今日は理人に晩御飯を作らなければならない。生姜焼きでも作るか…、でもそれだけじゃ寂しいよな…と献立を考える。ふと、カゴがどんどん重くなっていく。
「ちょ、…ごめんごめん悪かったって!」
「この間買い忘れてたよね。好きなだけ買っていいよ」
「そんなに食ったら消化不良になるから!」
カゴに何かを入れられる。それは大量のーーエノキだった。慌ててきのこ売り場にエノキを戻す。耳元で笑い声がした。
「スオと居るとなんでも楽しいね」
「荷物持ちよろしく」
振り返ると楽しそうに笑っていた。不覚にも胸がきゅんとする。口元が緩みそうになって慌ててカゴを押し付けた。手が自由になったのでその辺のきのこを手に取る。理人の顔がチラついて情報が入らないままカゴに入れていく。
「理人、何食べたい?」
「スオ、」
「売り切れ」
その言葉に正気を取り戻す。理人はじっとこちらを見た後視線を彷徨わせた。
「肉じゃが」
家庭の味がめちゃくちゃ出るやつだ。リクエストを聞きながら手早く素材をカゴに詰めていく。お金は理人が出すというので、家の分は別にカゴに入れた。セルフレジへと向かう。
「まて待て!たまごの上に肉を置くな!」
カゴがいっぱいで置き場所に困っている。手に持ったまま固まってしまった。笑いながらパックを受け取る。理人はエコバッグに詰める様子を物珍しげに観察していた。
コンビニではビニール袋を買うし、一度に大量の食材を買ったりしない。理人にとっては非日常なのだろう。長年幼馴染をしているが食事量の食材を買いに来たのは初めてだ。新鮮な気分になる。
「スーパーって楽しいんだね」
王子様みたいな見た目で家庭的なエコバッグを持つ。そのギャップがたまらなく愛しかった。
「明日も行きたい」
「あ~そっか。明日デスマッチの日か」
「デスマッチ?」
しまった、慌てて言い訳を探す。あ…えっと…と意味のない言葉を発する。その様子を眺めた後、閃いたように目を細めた。冷や汗が伝う。
「…まぁ、あながち間違えでもないか」
ぽつりと呟いた。どうやら言及を免れたらしい。デスマッチの日は帰りが重なるからスーパーに行けないこともない。そんなことを考えているとマンションについた。エントランスを抜けると理人が早歩きする。
エレベーターに乗り込むと高速でパネルを操作していた。
「たまご」
あの日行き損ねたスーパーに着いた。一目散に卵売り場を目指すと理人が驚いたような声を出す。早歩きでコーナーを曲がると目当てのパックを手に取り賞味期限をチェックする。
「悩んでるなら両方買えば?」
「ちがう、賞味期限を確認してんの」
たまごを見比べたところで差異はない。これだから自炊をしない人間は…と心の中で呟く。確認してすぐ、カゴを取り忘れたことに気づいて入り口まで戻る。
「会計は?」
「するに決まってるだろ!カゴだよカゴ!!」
たまごを押し付けてカゴ置き場へと急ぐ。イケメンがたまご片手に呆然としている。じぃ…とこちらから視線を外さない。面白いのでそのまま放置することにした。
「スオ、」
理人が来るまでの間、野菜売り場に目を向ける。穂積は自分が作ったら弁当が茶色になると言っていた。それなら野菜でも詰めてプレゼントするか、とニンジンを手に取る。
今日は理人に晩御飯を作らなければならない。生姜焼きでも作るか…、でもそれだけじゃ寂しいよな…と献立を考える。ふと、カゴがどんどん重くなっていく。
「ちょ、…ごめんごめん悪かったって!」
「この間買い忘れてたよね。好きなだけ買っていいよ」
「そんなに食ったら消化不良になるから!」
カゴに何かを入れられる。それは大量のーーエノキだった。慌ててきのこ売り場にエノキを戻す。耳元で笑い声がした。
「スオと居るとなんでも楽しいね」
「荷物持ちよろしく」
振り返ると楽しそうに笑っていた。不覚にも胸がきゅんとする。口元が緩みそうになって慌ててカゴを押し付けた。手が自由になったのでその辺のきのこを手に取る。理人の顔がチラついて情報が入らないままカゴに入れていく。
「理人、何食べたい?」
「スオ、」
「売り切れ」
その言葉に正気を取り戻す。理人はじっとこちらを見た後視線を彷徨わせた。
「肉じゃが」
家庭の味がめちゃくちゃ出るやつだ。リクエストを聞きながら手早く素材をカゴに詰めていく。お金は理人が出すというので、家の分は別にカゴに入れた。セルフレジへと向かう。
「まて待て!たまごの上に肉を置くな!」
カゴがいっぱいで置き場所に困っている。手に持ったまま固まってしまった。笑いながらパックを受け取る。理人はエコバッグに詰める様子を物珍しげに観察していた。
コンビニではビニール袋を買うし、一度に大量の食材を買ったりしない。理人にとっては非日常なのだろう。長年幼馴染をしているが食事量の食材を買いに来たのは初めてだ。新鮮な気分になる。
「スーパーって楽しいんだね」
王子様みたいな見た目で家庭的なエコバッグを持つ。そのギャップがたまらなく愛しかった。
「明日も行きたい」
「あ~そっか。明日デスマッチの日か」
「デスマッチ?」
しまった、慌てて言い訳を探す。あ…えっと…と意味のない言葉を発する。その様子を眺めた後、閃いたように目を細めた。冷や汗が伝う。
「…まぁ、あながち間違えでもないか」
ぽつりと呟いた。どうやら言及を免れたらしい。デスマッチの日は帰りが重なるからスーパーに行けないこともない。そんなことを考えているとマンションについた。エントランスを抜けると理人が早歩きする。
エレベーターに乗り込むと高速でパネルを操作していた。
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