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5章
訪ねてきた老婦人
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商館に戻ってきたアルネリアは、駆け寄ってビルギッタにしがみついた。わずか数日顔を見ていなかっただけなのに、懐かしさがこみ上げてくる。
「ごめんなさい、心配かけて」
「よかった、ご無事で本当に良かった」
ビルギッタは、アルネリアを抱き寄せて、髪を優しく撫でたあとで……
「でも、きちんと説明してもらいますからね。何があったんですか」
アルネリアの肩をつかんではがし、突然表情をキリリと引き締めた。
壁際では、ガリマーロがそんなふたりの様子を静かに眺めていた。アルネリアはそんな彼とビルギッタを交互に見つめた。
「俺がいると話もしにくいでしょう、姫。この国のことで何か聞きたいことがあれば、後で聞いてください。俺は、ソレイヤール人なのですから」
「えええ、バラしちゃったの?」
アルネリアに二の腕をつかまれたビルギッタは、ぶんぶんと首を振りながら答えた。
「バレてたんです! だから無理があるって言ったでしょう」
「まあまあ、旅先でドレス姿だとは狙われますから、いい選択です。知らない人には女性だと気がつかれないから大丈夫です」
「ありがとう、ガリマーロさん」
ガリマーロは恭しく頭を下げると、静かに部屋を出て行った。
そしてアルネリアたちは、ここ数日の間にあった出来事を、手短に伝え合った。
「姫様だけが見破る呪い……にわかには信じられぬが……ただ言えることはひとつ。今がいい機会です。このままノルデスラムトに帰りましょう。ユシドーラ様には、そのまま『呪われた王太子』と報告すればよいではないですか。フロレーテ様との結婚どころではありません」
「うーん……それはそうなんだけどね」
アルネリアは考え込んだ。ビルギッタの言う通りかもしれない。
しかし、このまま逃げ出すことも、ためらわれる。
「ねえビルギッタ。もう少し時間が欲しいの。もしかしたら、私たちは試されたのかもしれない。これは単なる勘なのだけど、このまま逃げ出すと、我が国のためにならない気がして」
「私もわかる気がします、姫様。あの王子様は、我々に相当期待していましたもの。もし逃げ出したと知ったら、ノルデスラムトまで追いかけてきそうですね」
ビルギッタはふたりの話を聞いて頷いた。
「とにかく、今日はもう休んだらどうですか? 顔色が悪いようですから、少し休むと頭も冴えるはずです」
勧められてアルネリアは久しぶりに与えられた部屋に行き、ベッドに身体を投げ出した。まだ日は高い。眠れないかもしれないと思ったものの、数日王宮で緊張しながら過ごした疲れがでたらしく、目を閉じて数分もたたないうちに、夢の中に落ちていった。
◆◆◆‡◆◆◆‡◆◆◆
次の朝。薄いカーテンを通して、室内に柔らかい光が差していた。
「うー、いい気持ちー」
アルネリアは湯を張った磁器の浴槽に身体を浸し、思わず声を漏らした。たっぷりとかいた寝汗が流れていく心地よさもあるが、湯に数滴垂らしたソレイヤールの紫花の精油が、張り詰めた神経を解きほぐしてくれるからでもある。
「もう、おっさんみたいな声を出さないでくださいよ」
背中を柔らかい海綿で流しながら、パウラが静かにたしなめた。
「宮殿だと、安心してお風呂に入れなかったもん」
「確かに、入ってる間は、常に誰か来そうでヒヤヒヤしてましたね。特にあの……」
「王太子殿下が『遠慮するな、男同士じゃないか』とか、お気楽なことを言いながら」
「私、そこまでは言ってませんよ」
「あーあ。ここで寝て、毎日王宮に通えないかな。王太子殿下に頼んでみようかな?」
「じゃあ夕食もここで?」
「それは王宮で」
「最低ですね」
そんなふたりの会話が、階下から聞こえる男の声で中断された。
「お帰りくださいっ!」
アルネリアとパウラは顔を見合わせた。
「今のはガリマーロさんの声?」
「珍しいね、あんな大きな声を出すなんて」
アルネリアは浴槽の中で立ち上がり、両腕を広げた。その細い肢体をパウラが大きな浴布で包む。
「行ってみよう」
少年の衣服を身につけたふたりは、そっと階段を降りた。角を曲がり、廊下を歩いて商館の玄関のそばまで進む。声は玄関脇の接待の間から聞こえてくるようだ。
「ガリマーロ、そんな邪険にするものではありません」
穏やかになだめようとしているのは、ビルギッタだ。
「違います、フィラーロです。そのような名前ではありません!」
女性の声が聞こえ、アルネリアとパウラは、接待の間の扉にはりついて耳を寄せた。
誰かな? さあ? 見つめ合い、唇だけで会話を交わす。
「ですから! 俺にはこの方々を守るという使命があるのです。命に代えても、お守りすると決めたのです!」
ガリマーロだ。
そんな熱い決意だったんだねとアルネリアが言えば、パウラは知らなかった、と返す。
「それはレオーニスから聞きました。けれど、このご婦人は子持ちだというではありませぬか」
「あなたが思うような関係ではありません」
「では、なぜ?」
「人を守るのに理由はいりません」
「いつまでもそんな騎士道にしがみついてどうするの。もうこの国に騎士はいないのですよ、フィラーロ。皆、魔法で動かす木偶の兵士になってしまったの。すべてレオーニスが改良したのだよ。あの子は神官の中でも狭き門の立法祭司に出世して、とても忙しいの。いずれはお父様のようになるに違いないわ。だからおまえも、家に帰って妻をめとって、レオーニスの右腕になっておくれ」
「お断りします!」
ガリマーロの声は力強く響き、扉をかすかに振動させた。
「もちろんおまえがメリーサのことで深く傷ついていたのは知っていますよ。でもあの娘は最初からおまえではなくレオーニスばかり見ていたじゃないですか。でもレオーニスはメリーサを選ばなかったから、おまえが逆恨みすることは……」
うわ、修羅場だ。大人の会話だ。アルネリアたちが目配せをした瞬間、拳で机を叩く音が響いた。
「違います! 騎士団長を、父上たちが見殺しにしたからです」
重い沈黙が降りた。
どういうこと? アルネリアが耳を扉に押しつけると、中から苦渋に満ちたガリマーロの声が聞こえてきた。
「母上。あなたの愛に報いることができない不肖の息子を許してください」
全く抑揚のない声で告げたあと、がたん、と立ち上がった音が聞こえた。そして扉に大股で近づいてくる足音。
アルネリアとパウラは、つま先立ちで廊下を走り、曲がり角に隠れた。そのまま様子をうかがっていると、扉が鈍い音と共に開き、中から滑らかなドレスを纏った初老の女性が現れた。あれがガリマーロの母親なのだろう。
「フィラーロ……」
「お元気で」
何度も振り返る母親を見送ったガリマーロの声は、少し湿っていた。
木馬車が石畳を走る音が遠ざかり、ガリマーロが商館の中に一歩足を踏み入れたとたん。6つの目にじっと見つめられ、一瞬たじろいだ。口を開いたのは、ビルギッタだった。
「ガリマーロ……」
「わかっている。すまない、言っていなかったことがまだある」
「それはかまわない。言いにくいこともあることは理解している」
ビルギッタの言葉に、ガリマーロが肩の力を抜いたことがわかった。だが、
「だが、そこを伏して頼みたい。おまえが体験してきたことを話してくれないか。この子たちには、どうしても解決しなくてはならないことがあるのだ」
一歩も譲らない力を込めた声で、ビルギッタが言う。
「みんなで知恵を出し合い、問題を解いていくことが一番いいと思んです」
そこで、階段の下に隠れていたアルネリアが姿を見せた。
ガリマーロがあわてて跪く。
「しかし姫君、とてもあなたの耳に入れられるような話では……」
「ちょっと、それ、やめてくださいよ。私のことは今まで通り、アル、もしくはアルベルトと呼んで、今までみたいに普通にしゃべってください。そうでないと、周りの人に変に思われます!」
アルネリアたちに促されたガリマーロは、ゆっくりと立ち上がって接待の間に入った
「それでガリマーロさん。お父上が団長を見殺しにしたという話ですが。聞いてもいいでしょうか」
着席するなり、アルネリアはまっすぐにガリマーロを見据えた。
「わかりました。できれば言わずに済ませたいことでしたが」
そう前置きをして、覚悟を決めたようにガリマーロは語り始めた。
「ごめんなさい、心配かけて」
「よかった、ご無事で本当に良かった」
ビルギッタは、アルネリアを抱き寄せて、髪を優しく撫でたあとで……
「でも、きちんと説明してもらいますからね。何があったんですか」
アルネリアの肩をつかんではがし、突然表情をキリリと引き締めた。
壁際では、ガリマーロがそんなふたりの様子を静かに眺めていた。アルネリアはそんな彼とビルギッタを交互に見つめた。
「俺がいると話もしにくいでしょう、姫。この国のことで何か聞きたいことがあれば、後で聞いてください。俺は、ソレイヤール人なのですから」
「えええ、バラしちゃったの?」
アルネリアに二の腕をつかまれたビルギッタは、ぶんぶんと首を振りながら答えた。
「バレてたんです! だから無理があるって言ったでしょう」
「まあまあ、旅先でドレス姿だとは狙われますから、いい選択です。知らない人には女性だと気がつかれないから大丈夫です」
「ありがとう、ガリマーロさん」
ガリマーロは恭しく頭を下げると、静かに部屋を出て行った。
そしてアルネリアたちは、ここ数日の間にあった出来事を、手短に伝え合った。
「姫様だけが見破る呪い……にわかには信じられぬが……ただ言えることはひとつ。今がいい機会です。このままノルデスラムトに帰りましょう。ユシドーラ様には、そのまま『呪われた王太子』と報告すればよいではないですか。フロレーテ様との結婚どころではありません」
「うーん……それはそうなんだけどね」
アルネリアは考え込んだ。ビルギッタの言う通りかもしれない。
しかし、このまま逃げ出すことも、ためらわれる。
「ねえビルギッタ。もう少し時間が欲しいの。もしかしたら、私たちは試されたのかもしれない。これは単なる勘なのだけど、このまま逃げ出すと、我が国のためにならない気がして」
「私もわかる気がします、姫様。あの王子様は、我々に相当期待していましたもの。もし逃げ出したと知ったら、ノルデスラムトまで追いかけてきそうですね」
ビルギッタはふたりの話を聞いて頷いた。
「とにかく、今日はもう休んだらどうですか? 顔色が悪いようですから、少し休むと頭も冴えるはずです」
勧められてアルネリアは久しぶりに与えられた部屋に行き、ベッドに身体を投げ出した。まだ日は高い。眠れないかもしれないと思ったものの、数日王宮で緊張しながら過ごした疲れがでたらしく、目を閉じて数分もたたないうちに、夢の中に落ちていった。
◆◆◆‡◆◆◆‡◆◆◆
次の朝。薄いカーテンを通して、室内に柔らかい光が差していた。
「うー、いい気持ちー」
アルネリアは湯を張った磁器の浴槽に身体を浸し、思わず声を漏らした。たっぷりとかいた寝汗が流れていく心地よさもあるが、湯に数滴垂らしたソレイヤールの紫花の精油が、張り詰めた神経を解きほぐしてくれるからでもある。
「もう、おっさんみたいな声を出さないでくださいよ」
背中を柔らかい海綿で流しながら、パウラが静かにたしなめた。
「宮殿だと、安心してお風呂に入れなかったもん」
「確かに、入ってる間は、常に誰か来そうでヒヤヒヤしてましたね。特にあの……」
「王太子殿下が『遠慮するな、男同士じゃないか』とか、お気楽なことを言いながら」
「私、そこまでは言ってませんよ」
「あーあ。ここで寝て、毎日王宮に通えないかな。王太子殿下に頼んでみようかな?」
「じゃあ夕食もここで?」
「それは王宮で」
「最低ですね」
そんなふたりの会話が、階下から聞こえる男の声で中断された。
「お帰りくださいっ!」
アルネリアとパウラは顔を見合わせた。
「今のはガリマーロさんの声?」
「珍しいね、あんな大きな声を出すなんて」
アルネリアは浴槽の中で立ち上がり、両腕を広げた。その細い肢体をパウラが大きな浴布で包む。
「行ってみよう」
少年の衣服を身につけたふたりは、そっと階段を降りた。角を曲がり、廊下を歩いて商館の玄関のそばまで進む。声は玄関脇の接待の間から聞こえてくるようだ。
「ガリマーロ、そんな邪険にするものではありません」
穏やかになだめようとしているのは、ビルギッタだ。
「違います、フィラーロです。そのような名前ではありません!」
女性の声が聞こえ、アルネリアとパウラは、接待の間の扉にはりついて耳を寄せた。
誰かな? さあ? 見つめ合い、唇だけで会話を交わす。
「ですから! 俺にはこの方々を守るという使命があるのです。命に代えても、お守りすると決めたのです!」
ガリマーロだ。
そんな熱い決意だったんだねとアルネリアが言えば、パウラは知らなかった、と返す。
「それはレオーニスから聞きました。けれど、このご婦人は子持ちだというではありませぬか」
「あなたが思うような関係ではありません」
「では、なぜ?」
「人を守るのに理由はいりません」
「いつまでもそんな騎士道にしがみついてどうするの。もうこの国に騎士はいないのですよ、フィラーロ。皆、魔法で動かす木偶の兵士になってしまったの。すべてレオーニスが改良したのだよ。あの子は神官の中でも狭き門の立法祭司に出世して、とても忙しいの。いずれはお父様のようになるに違いないわ。だからおまえも、家に帰って妻をめとって、レオーニスの右腕になっておくれ」
「お断りします!」
ガリマーロの声は力強く響き、扉をかすかに振動させた。
「もちろんおまえがメリーサのことで深く傷ついていたのは知っていますよ。でもあの娘は最初からおまえではなくレオーニスばかり見ていたじゃないですか。でもレオーニスはメリーサを選ばなかったから、おまえが逆恨みすることは……」
うわ、修羅場だ。大人の会話だ。アルネリアたちが目配せをした瞬間、拳で机を叩く音が響いた。
「違います! 騎士団長を、父上たちが見殺しにしたからです」
重い沈黙が降りた。
どういうこと? アルネリアが耳を扉に押しつけると、中から苦渋に満ちたガリマーロの声が聞こえてきた。
「母上。あなたの愛に報いることができない不肖の息子を許してください」
全く抑揚のない声で告げたあと、がたん、と立ち上がった音が聞こえた。そして扉に大股で近づいてくる足音。
アルネリアとパウラは、つま先立ちで廊下を走り、曲がり角に隠れた。そのまま様子をうかがっていると、扉が鈍い音と共に開き、中から滑らかなドレスを纏った初老の女性が現れた。あれがガリマーロの母親なのだろう。
「フィラーロ……」
「お元気で」
何度も振り返る母親を見送ったガリマーロの声は、少し湿っていた。
木馬車が石畳を走る音が遠ざかり、ガリマーロが商館の中に一歩足を踏み入れたとたん。6つの目にじっと見つめられ、一瞬たじろいだ。口を開いたのは、ビルギッタだった。
「ガリマーロ……」
「わかっている。すまない、言っていなかったことがまだある」
「それはかまわない。言いにくいこともあることは理解している」
ビルギッタの言葉に、ガリマーロが肩の力を抜いたことがわかった。だが、
「だが、そこを伏して頼みたい。おまえが体験してきたことを話してくれないか。この子たちには、どうしても解決しなくてはならないことがあるのだ」
一歩も譲らない力を込めた声で、ビルギッタが言う。
「みんなで知恵を出し合い、問題を解いていくことが一番いいと思んです」
そこで、階段の下に隠れていたアルネリアが姿を見せた。
ガリマーロがあわてて跪く。
「しかし姫君、とてもあなたの耳に入れられるような話では……」
「ちょっと、それ、やめてくださいよ。私のことは今まで通り、アル、もしくはアルベルトと呼んで、今までみたいに普通にしゃべってください。そうでないと、周りの人に変に思われます!」
アルネリアたちに促されたガリマーロは、ゆっくりと立ち上がって接待の間に入った
「それでガリマーロさん。お父上が団長を見殺しにしたという話ですが。聞いてもいいでしょうか」
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