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第一章:三日の猶予と、二人の出会い
ハーフエルフ、無茶な軍道建設を命じられる
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シャルマーニは机の上に置かれていた、無造作に削り出された拳大の岩塊をランスローネの方へ放り投げた。
反射的に受け止めたランスローネはよろけてしまう。
「……なんやこれ、重っ! 岩やなくて、ほとんど鉄の塊やんか」
異常なまでの、あまりの重さに、ランスローネは眉を跳ね上げる。
「このヴェリア辺境領の地下深くには、王都のそれをも凌駕する純度を誇る鉱脈が眠っている。我が覇道の礎となる、至宝の鉄だ」
シャルマーニは椅子から立ち上がり大きな胸を揺らすと、窓の外──荒涼としたヴェリア辺境領の岩山を指差した。
「だが、その宝を運び出す『道』が、今はまだ獣道すら満足にない岩棚の先にある。鉄がなければ剣も鎧も、城を崩す破城槌も作れん」
シャルマーニは一歩、また一歩とランスローネに歩み寄る。
彼女が動くたびに、白の衣装がその肉感的な起伏を強調し、圧倒的な威圧感が部屋を満たしていく。
「貴様に命ずる。このアイゼン・ガルドから、地下鉱脈の入り口に至るまでの軍道を整備せよ。重い鉄を積んだ荷馬車が、並んで二台、全速で駆け抜けられるだけの強固な道をだ」
「……えらい無茶言わはるなぁ。見たところ、あそこらへんは地盤もガタガタの岩場やで?」
ランスローネが冷や汗を流しながら答えると、シャルマーニは不敵に、そして残酷なまでに美しく微笑んだ。
「三日の猶予をやる」
王女は腕を組み、重たげな双丘をぐいと持ち上げた。その仕草一つにすら、他者を屈服させる絶対的なカリスマが宿っている。
「三日だ。それまでに我が軍の『足』となる道を作ってみせよ。出来なければ、その細い首を刎ねる」
「……」
ランスローネの翡翠の瞳が、僅かに細まった。
(三日かいな。普通の人間やったら、測量してる間に首が飛ぶ時間やで……けど、この姫様の声を聞いたら、やったらなあかん気がしてきたで!)
ランスローネは、恐怖ではなく、どこか挑戦的な笑みを口角に浮かべた。
「……ええよ、やったるわ。その代わり、道ができたら最高級のご飯と、それから『工兵長』の椅子でも用意しといてや」
「工兵長か……良かろう。我の覇道の道を作る工兵の長に成れるのなら、なるがいい。但し、監視役にロランドを附けるぞ。威勢のいい返事をしておいて逃げ出すかもしれんからな」
「ふっ、見損なうなや爆乳王女様」
ランスローネとシャルマーニの視線がぶつかり、目に見えない火花が散った。
反射的に受け止めたランスローネはよろけてしまう。
「……なんやこれ、重っ! 岩やなくて、ほとんど鉄の塊やんか」
異常なまでの、あまりの重さに、ランスローネは眉を跳ね上げる。
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シャルマーニは椅子から立ち上がり大きな胸を揺らすと、窓の外──荒涼としたヴェリア辺境領の岩山を指差した。
「だが、その宝を運び出す『道』が、今はまだ獣道すら満足にない岩棚の先にある。鉄がなければ剣も鎧も、城を崩す破城槌も作れん」
シャルマーニは一歩、また一歩とランスローネに歩み寄る。
彼女が動くたびに、白の衣装がその肉感的な起伏を強調し、圧倒的な威圧感が部屋を満たしていく。
「貴様に命ずる。このアイゼン・ガルドから、地下鉱脈の入り口に至るまでの軍道を整備せよ。重い鉄を積んだ荷馬車が、並んで二台、全速で駆け抜けられるだけの強固な道をだ」
「……えらい無茶言わはるなぁ。見たところ、あそこらへんは地盤もガタガタの岩場やで?」
ランスローネが冷や汗を流しながら答えると、シャルマーニは不敵に、そして残酷なまでに美しく微笑んだ。
「三日の猶予をやる」
王女は腕を組み、重たげな双丘をぐいと持ち上げた。その仕草一つにすら、他者を屈服させる絶対的なカリスマが宿っている。
「三日だ。それまでに我が軍の『足』となる道を作ってみせよ。出来なければ、その細い首を刎ねる」
「……」
ランスローネの翡翠の瞳が、僅かに細まった。
(三日かいな。普通の人間やったら、測量してる間に首が飛ぶ時間やで……けど、この姫様の声を聞いたら、やったらなあかん気がしてきたで!)
ランスローネは、恐怖ではなく、どこか挑戦的な笑みを口角に浮かべた。
「……ええよ、やったるわ。その代わり、道ができたら最高級のご飯と、それから『工兵長』の椅子でも用意しといてや」
「工兵長か……良かろう。我の覇道の道を作る工兵の長に成れるのなら、なるがいい。但し、監視役にロランドを附けるぞ。威勢のいい返事をしておいて逃げ出すかもしれんからな」
「ふっ、見損なうなや爆乳王女様」
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