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第二十二章 決戦、泥と血の祝宴
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グレイヴェリア帝国帝都シュタールグラード攻防戦。
それは、誰の目にも明らかな「一方的な虐殺」になるはずだった。
シュタールグラードを包囲して攻めるは、エルバニア王国軍二十万。
士気は旺盛で、物資は潤沢だ。
守るは、グレイヴェリア帝国軍三万弱。
士気は低く、指揮系統は崩壊寸前。
総大将グラハム・レノックスは勝利を確信していた。
四方から
一斉突撃を一度かければ、シュタールグラードの軟弱な城門は紙のように破れ、あとは降伏を受け入れるだけだと。
だが──開戦から三日経っても、帝都の門は閉ざされたままだった。
それどころか、城壁の前には、おびただしい数の「肉の山」が築かれていた。
*
「突撃ぃッ! 止まるな! 止まれば撃たれるぞ!!」
督戦隊の怒号と鞭に追われ、最前線の兵士たちが半狂乱で雄叫びを上げて走る。
彼らの視線の先にあるのは、難攻不落の要塞と化したシュタールグラードの城壁だ。
ヒュンッ、ヒュンッ、ヒュンッ──!!
空を裂く音と共に、城壁から矢の雨が降り注ぐ。
さらに、城壁上に設置された多数の固定弩砲から、丸太のような投げ槍が水平に撃ち出された。
ドスゥッ!! グシャァッ!!
重装歩兵の盾ごと胴体を貫き、後ろの兵士ごと串刺しにする。
人間が破裂する生々しい音が戦場に響くが、足音は止まらない。
「怯むな、進め! 死体を踏み台にしろッ!」
攻城用長梯子を担いだ徴募兵部隊と、それを守る重装歩兵隊が、泥と血と腸でぬかるんだ斜面を登る。
彼らは仲間が死ぬと、その屍を足場にして一歩でも前へ進もうとする。
だが、その頭上に死神の鎌が振り下ろされる。
「放てッ!!」
城壁上の投石機のアームが唸りを上げ、巨大な岩塊が放物線を描いて落下した。
ズドォォォォンッ!!
直撃を受けた梯子隊が、赤茄子のように潰れる。
さらに、城壁の上から、火のついた油瓶──火炎瓶が次々と投げ込まれた。
「ギャァァァァッ!! あ、熱い、熱いィッ!!」
「目が、俺の目がァァッ!!」
生きたまま火だるまになった兵士たちが、松明のように燃え上がりながら転げ回る。
その炎が後続の兵士に引火し、前線は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。
「こ、こんな地獄、もう嫌だ!」
血塗れで息絶えた仲間──ほんの数分前まで故郷の話をしていた友人──の下半身を抱きかかえ、若い兵士が泣き叫ぶ。
「進めば死ぬ! 戻れば命令違反で処罰される! どうすればいいんだァァッ!!」
その絶叫も、次の瞬間には投槍によって断ち切られた。
翌日も戦いは続いた。
グレイヴェリア帝都シュタールグラードの外壁は、もはや石造りの構造物ではなかった。
それは、重なり合った死体と、凍りついた鮮血によって塗り固められた「肉の要塞」へと変貌していた。
二十万のエルバニア軍が投じた一万以上の命が、堀を埋め尽くし、城壁へと続く緩やかな「坂」を作り上げていた。
「……ひっ、ふぅ、ひっ……!」
一人のエルバニア歩兵が、泥濘に足を取られながら斜面を這い上がる。
だが、彼が踏みしめたのは土ではない。昨日まで一緒に飯を食っていた戦友の、冷たくなった背中だ。
踏むたびに、ぐちゃりと内臓が漏れ出す音が響く。
死臭と、火炎瓶で焼かれた死肉の臭いが混ざり合い、戦場にはこの世のものとは思えない死の芳香が立ち込めていた。
「進めッ! 止まるな! 退く者は背後から射殺せッ!」
後方からは、正気を失った将校たちの罵声が飛ぶ。
兵士たちにとって、前方は地獄であり、後方は処刑場だった。もはや彼らに残されたのは、思考を停止し、ただ目の前の壁に向かって肉の塊として突撃を繰り返すことだけだった。
開戦から五日。
シュタールグラードの城壁は、エルバニア兵数万の命を吸い込んでもなお、無慈悲に聳え立っていた。
「……なぜだ。なぜ落ちんッ!」
本陣の幕舎で、グラハムは焦燥を露わに叫んだ。
「第一波、全滅! 死体で堀が埋まりました」
「第二波、攻城塔を接舷させようとしましたが、火矢による集中攻撃で焼かれました!」
「魔法部隊、詠唱中に投石を受け、散り散りです!」
次々と舞い込む敗報。
シュタールグラードの防御は、まるで精巧な歯車のように噛み合い、一分の隙もなかった。
派手な魔法や英雄的な一騎当千があるわけではない。
ただひたすらに、来る場所を予測し、最も効果的なタイミングで、地味な妨害を行う。
その徹底された堅実さが、二十万の波を完璧に押し返していたのだ。
「指揮官だ……。
指揮官は誰だッ!?
これほどの巧妙な指揮、必ずや城壁上で直接指揮している筈だッ!」
グラハムは自慢の剛弓を手に城壁を睨む。
見つけ次第、矢で射て狙撃するつもりだ。
(役立たずのガイゼリック帝や、無能なマクシミリアン皇子ではないな──ルスラーナとヴァレンティンか?
だが、ムギトの報告では二人は死んだ筈だ──む、あの者か?)
硝煙と怒号が飛び交う城壁の中央。
兵士たちが走り回る中で、一人だけ、岩のように動かない男がいるのを、グラハムは遠望した。
飛来する矢の雨を避けることもせず、泰然と戦況を睥睨している。
「……あやつは……。どこかで見た覚えがあるな」
右目から左頬に走る、無骨な剣傷。
華美な装飾のない、銀灰色の傷だらけの甲冑。
グラハムの脳裏に、十数年前の、名前も記録されていないような小競り合いの記憶が蘇った。
(そうだ……。思い出したぞ。
国境付近の泥濘の中、我が軍の進撃を、たった一個大隊の重騎兵で阻み続けた、あの『鉄塊』だ)
当時、グラハムは一国の将軍として、その千人長を「名前を覚える価値もない、頑固なだけの若造」として切り捨てていた。
だが、その若造が放った最後の一撃が、グラハムの愛馬を殺し、進軍を一日遅らせた。
その一日が、結果としてエルバニア軍の撤退を招いたのだ。
「ガルド……。ガルド・アイゼンだと!?
引退して市井に紛れたと聞いていたが……。
よもや、あのような一介の千人長上がりが、我がエルバニアの、儂の王道を阻んでいるというのかッ!」
グラハムの背中を、嫌な汗が伝う。
将軍としての地位も、家柄も、魔力量もない。
ただひたすらに「敵を殺し、守り抜く」という実戦の経験値だけで磨き上げられた、純粋な「戦争のプロ」。
それが、今、二十万の大軍を前にして、平然と「仕事」をこなしているのだ。
「おのれ……ッ……貴様のような無名の兵卒に、儂の栄光を汚されてたまるかッ!」
グラハムは激昂し、全軍への総攻撃を命じた。
それは、実力ある老将が、格下の「現場叩き上げ」に追い詰められた時に見せる、致命的な「焦り」であった。
*
シュタールグラードの城壁の上。
そこは血しぶきと悲鳴が舞う地獄の釜の蓋の上だったが、ガルドの周囲だけは、奇妙なほど静謐な空気が流れていた。
「……第三小隊、右翼へ。敵の梯子がかかるぞ」
「魔導部隊、放て。あそこの攻城塔の車輪を狙え」
「油を惜しむな。どうせこれが最後の宴だ」
ガルドの指示は短く、的確だった。
彼の目には、戦場の「流れ」が見えている。
敵がどこに圧力をかけ、どこで息切れするか。長年の経験が、未来予知のように敵の動きを教えてくれるのだ。
その神懸かった指揮に、最初は怯えていた兵士たちも、次第に落ち着きを取り戻していた。
「この人の言う通りにすれば、死なない」「勝てる」という確信が、彼らを精強な兵士へと変えていた。
「す、凄い……。これがあの、ガルド卿の実力か……」
安全な塔の上から戦況を見ていたガイゼリック皇帝は、呆然と呟いた。
彼は今まで、ガルドを「むさ苦しい古狸」「平民上がりの野暮な男」と軽んじていた。
だが今、帝国の命運を支えているのは、煌びやかな近衛騎士でも、高貴な血筋の将軍でもなく、傷だらけの男ただ一人なのだ。
「余は……何と愚かだったのだ。
真の忠臣、真の英雄が足元にいたというのに、見ようともしていなかったとは……」
皇帝は、古強者の騎士の背中に、心からの敬意と懺悔を抱いた。
だが、ガルド自身は、名誉や称賛になど興味はなかった。
「……来るぞ。
射程、残り三十……よし、放てい!」
城壁の上、ガルドは、耳を覆うような悲鳴の中でも、自身の心拍数すら変えずに右手を下ろした。
ドォォォォンッ!!
投石機から発射されたのは、鉄条網を巻き付けた巨大な鉄柱だ。
それが密集して斜面を登る兵士たちの中央に突き刺さり、独楽のように回転しながら周囲を薙ぎ払う。
「ぎゃああああああッ!!」
「足が、俺の足がなァァァいッ!!」
肉が弾け、骨が砕ける。一撃で数十人の兵士が、原型を留めぬ肉塊へと成り果てた。
「旦那様ぁ、お食事をとって下さい……」
兜に胴鎧のみを着たガルドの妻、ミナが、手押し車で夫に食事を運びながらそう告げた。
手押し車の上には、冷え切ったパンと、申し訳程度のスープが載っている。
この防衛戦に際し、ガルドは妻を帝都から遠くに避難させず、あえて自らの傍らに置いていた。
指揮官の身内を人質に取る──そんな手段は、表面上の士道には背くが、裏の兵学上は当たり前の計略だ。
城内に残る無能な貴族たちが裏切り、己の保身のためにガルドの弱みを握ろうと画策することなど、彼には容易に想像できた。
百戦錬磨中の百戦錬磨。
ガルド・アイゼンはその様な愚を犯さない。
目の届く場所に置くことが、最も安全である。
それは愛情であると同時に、戦場という狂気を生き抜くための冷徹な最適解であった。
ミナから受け取った黒パンを、ガルドは戦況を見つめたまま無造作に口に放り込むと、戦場の空気に怯える妻を安心させるように笑いかける。
「……スープより茶が、欲しいな」
ガルド流の、不器用ながらのユーモアだ。
この「日常のような異常」が、城壁の上の兵士たちに奇妙な安堵感を与えていた。
*
エルバニア軍本陣。
「ええい、攻めろ! 休ませるな!
数で押し潰せ!」
グラハムは焦っていた。
予定が狂っている。
このまま長引けば、兵の士気が下がる。
何より、ムギトの言っていた「嫌な予感」が、背筋を這い上がってくる。
ドォォォォォォンッ……!!
その時、帝都の方角ではない──背後の街道から、腹に響くような轟音が轟いた。
「な、なんだ!? 地震か!?」
兵士たちが振り返る。
そこには、信じられない光景が広がっていた。
退路であるはずの街道を、黒い津波が埋め尽くしていたのだ。
先頭を行くのは、巨大な斧槍を担いだ黒騎士と、白馬に跨る貴公子。
そしてそれに続くのは、人間の騎兵や歩兵だけではない。
雄叫びを上げる狼人の群れ。
大地を揺らす巨人の足音。
森の木々のように立ち並ぶ槍の林。
「ば、馬鹿な……!?
あれは……ヴァレンティンか!?
死んだのではなかったのか!?」
グラハムが絶叫する。
*
エルバニア軍の背後──。
そこは、勝利を信じて疑わない予備兵──金に目の眩んだ冒険者たちが屯する安全圏のはずだった。
「ふふふ、選り取り見取り、狩り放題ね」
ルスラーナは、雲霞の如き軍勢に舌舐めずりをし、斧槍を握る手に力を込める。
戦意は沸騰寸前だ。
「落ち着け、ルスラーナ。……いや、落ち着く必要はないな」
隣に立つヴァレンティンは、冷徹な声音でルスラーナを唆す。
「見ろ、あの黄金の旗を。
あれを掲げる者たちが、お前から私を奪おうとした者たちだ。
私の首を刎ね、お前を再び冷たい鎖で繋ごうとした汚物どもだ」
ルスラーナの中で、戦意という名の油が沸点を超え、ヴァレンティンの言葉という火種で一気に爆発した。
「……許さない。私の兄上に、触れていいのは私だけ。……兄上を傷つけていいのも、私だけよ」
ルスラーナが巨大な斧槍を握り直す。
彼女が骸骨面頬を下ろした瞬間、その場から空気が消えたかのような錯覚を周囲に与えるほどの「死の圧」が放たれた。
「……よく言った。さあ、行け。
お前を怯えさせた全ての報いを、奴らの肉と叫びで支払わせてこい。
一人残らず──私の目の前から消し去れ、平らげろ!」
「──ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
それは叫びというより、地獄の蓋が弾け飛んだ音だった。
ルスラーナは青毛の愛馬デトゥーフを駆り、地面を爆破するように、黒い流星となってエルバニア軍の背後へ突っ込んだ。
ドォォォォォンッ!!
衝突の瞬間、最前列にいた十数人の兵士が、何が起きたか理解する暇もなく「霧」となって消えた。
ルスラーナの振るう斧槍は、もはや武器ではない。理性を失った死神が振るう、破壊の権現だ。
「ギャアァァッ!? なんだ、この女はぁぁッ!」
「あはっ! あははははは! 汚い! 汚い血ねぇ!
でも、その悲鳴はいいわ! もっと、もっと兄上に謝りなさいよッ!!」
ルスラーナの笑い声は、もう無邪気な子供のそれではない。
煮え滾る怒りと、兄を守り抜いたという歪んだ多幸感が混ざり合った、狂気の旋律だ。
彼女は、逃げ惑う冒険者たち──かつて自分にやられたことを忘れてイキり散らしていた『巨獣の牙』のリーダー、ガルガンチュアを見つけると、文字通り「獲物」を見る目で加速した。
「ひ、ひぃぃ! 待て、降参だ! 頼む……ッ!」
「降参? そんなの、お肉に必要かしら!?」
斧槍一閃。
ガルガンチュアの新しい剣ごと、その巨体が縦に真っ二つに割れた。
返り血を全身に浴び、ルスラーナはさらに激しく、美しく、残酷に駆ける。
エルバニア軍二十万。
彼らは今、ようやく理解した。
自分たちが攻めていたのは「帝都」ではなく、「死神が守る聖域」だったのだということを。
背後から迫るルスラーナの絶叫と殺戮の嵐に、エルバニア軍は総崩れとなった。
前方の、ガルドという「鉄床」に押し潰され、後方のルスラーナという「爆発した戦意」に切り刻まれる。
そこにあるのは、戦争という名の、あまりにも凄惨な「掃除」であった。
後世、大陸の軍事史において、この日は『シュタールグラードの断罪日』として刻まれることになる。
二十万の軍勢が、たった一人の皇女によって「捕食」され、軍隊という組織そのものが精神的に崩壊した、前代未聞の怪異として。
「あはっ……あははははははッ!!」
エルバニア軍の陣形など、もはや存在しなかった。
ルスラーナが通り過ぎた後には、道など残らない。あるのは、左右に跳ね飛ばされた肉片と、赤黒く染まった地面、そして絶叫すら間に合わなかった「かつて人間だったもの」の残骸だけだ。
彼女の振るう斧槍が空を切るたびに、真空の刃が数十人の兵士をまとめて両断する。
だが、今のルスラーナにとって、それは「効率的な殺害」ですらなかった。
彼女は、兄を害そうとした者たちへ、その指先が、その言葉が、どれほど重い罪であったかを、肉体の痛みを持って分からせようとしていた。
ルスラーナの全身は、返り血で漆黒の甲冑が見えなくなるほど赤く濡れ、血の雫を滴らせている。
その姿は、あまりにも美しく、そして直視した者の精神を破壊するほどに、おぞましかった。
生き残ったわずかな兵士たちは、武器を捨て、己の目を潰さんばかりの勢いで頭を抱えて蹲った。
彼らが目にしていたのは「戦争」ではない。
自然災害、あるいは神の怒り──人間が抗うことなど許されない、絶対的な『終焉』そのものだった。
「助けて……神様、助けて……っ」
「神様ならここにいるわよ。……私の兄上っていう、世界で一番素敵な神様がね!」
ルスラーナは慈悲を乞う兵士の喉笛を、接吻でもするかのような近さで、笑いながら引き千切った。
沸騰した彼女の戦意は、ヴァレンティンの「許可」というガソリンを得て、今や一国の軍隊を焼き尽くす業火となっていた。
後世の歴史資料『大陸近代戦史・グレイヴェリア篇』より抜粋された記述──
「……この日を境に、大陸の戦術思想は根底から覆された。
数による制圧、兵站による優位──それら全てが、一人の『特異個体』の圧倒的暴力を前にして無意味であることを、エルバニア軍の二十万の死体が証明したのである。
生存者の多くは、生涯にわたって『銀髪の少女の笑い声』と『肉が爆ぜる音』の幻聴に苛まれ、二度と金属の触れ合う音を聴くことができなかったという。
軍事用語における『ルスラーナの微笑』とは、これ以降、『絶対的な死の確定』を意味する禁句となった……」
*
「……ふむ。少々やりすぎたか」
血の海と化した戦場の中央。
死体の山の上に立ち、月明かりを浴びて恍惚と笑うルスラーナを見上げ、ヴァレンティンは優雅に肩をすくめた。
だが、その瞳にはルスラーナを止める意思など微塵もない。
「いいだろう、ルスラーナ。
この地獄こそが、お前から私を奪おうとした世界への、最も正しい返答だ」
ヴァレンティンの冷徹な支配と、ルスラーナの沸騰する怒り。
二人の兄妹が織りなしたこの惨劇は、帝国という枠を超え、世界中の軍人たちの魂に、一生消えない「ルスラーナという名の傷跡」を刻みつけたのであった。
それは、誰の目にも明らかな「一方的な虐殺」になるはずだった。
シュタールグラードを包囲して攻めるは、エルバニア王国軍二十万。
士気は旺盛で、物資は潤沢だ。
守るは、グレイヴェリア帝国軍三万弱。
士気は低く、指揮系統は崩壊寸前。
総大将グラハム・レノックスは勝利を確信していた。
四方から
一斉突撃を一度かければ、シュタールグラードの軟弱な城門は紙のように破れ、あとは降伏を受け入れるだけだと。
だが──開戦から三日経っても、帝都の門は閉ざされたままだった。
それどころか、城壁の前には、おびただしい数の「肉の山」が築かれていた。
*
「突撃ぃッ! 止まるな! 止まれば撃たれるぞ!!」
督戦隊の怒号と鞭に追われ、最前線の兵士たちが半狂乱で雄叫びを上げて走る。
彼らの視線の先にあるのは、難攻不落の要塞と化したシュタールグラードの城壁だ。
ヒュンッ、ヒュンッ、ヒュンッ──!!
空を裂く音と共に、城壁から矢の雨が降り注ぐ。
さらに、城壁上に設置された多数の固定弩砲から、丸太のような投げ槍が水平に撃ち出された。
ドスゥッ!! グシャァッ!!
重装歩兵の盾ごと胴体を貫き、後ろの兵士ごと串刺しにする。
人間が破裂する生々しい音が戦場に響くが、足音は止まらない。
「怯むな、進め! 死体を踏み台にしろッ!」
攻城用長梯子を担いだ徴募兵部隊と、それを守る重装歩兵隊が、泥と血と腸でぬかるんだ斜面を登る。
彼らは仲間が死ぬと、その屍を足場にして一歩でも前へ進もうとする。
だが、その頭上に死神の鎌が振り下ろされる。
「放てッ!!」
城壁上の投石機のアームが唸りを上げ、巨大な岩塊が放物線を描いて落下した。
ズドォォォォンッ!!
直撃を受けた梯子隊が、赤茄子のように潰れる。
さらに、城壁の上から、火のついた油瓶──火炎瓶が次々と投げ込まれた。
「ギャァァァァッ!! あ、熱い、熱いィッ!!」
「目が、俺の目がァァッ!!」
生きたまま火だるまになった兵士たちが、松明のように燃え上がりながら転げ回る。
その炎が後続の兵士に引火し、前線は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。
「こ、こんな地獄、もう嫌だ!」
血塗れで息絶えた仲間──ほんの数分前まで故郷の話をしていた友人──の下半身を抱きかかえ、若い兵士が泣き叫ぶ。
「進めば死ぬ! 戻れば命令違反で処罰される! どうすればいいんだァァッ!!」
その絶叫も、次の瞬間には投槍によって断ち切られた。
翌日も戦いは続いた。
グレイヴェリア帝都シュタールグラードの外壁は、もはや石造りの構造物ではなかった。
それは、重なり合った死体と、凍りついた鮮血によって塗り固められた「肉の要塞」へと変貌していた。
二十万のエルバニア軍が投じた一万以上の命が、堀を埋め尽くし、城壁へと続く緩やかな「坂」を作り上げていた。
「……ひっ、ふぅ、ひっ……!」
一人のエルバニア歩兵が、泥濘に足を取られながら斜面を這い上がる。
だが、彼が踏みしめたのは土ではない。昨日まで一緒に飯を食っていた戦友の、冷たくなった背中だ。
踏むたびに、ぐちゃりと内臓が漏れ出す音が響く。
死臭と、火炎瓶で焼かれた死肉の臭いが混ざり合い、戦場にはこの世のものとは思えない死の芳香が立ち込めていた。
「進めッ! 止まるな! 退く者は背後から射殺せッ!」
後方からは、正気を失った将校たちの罵声が飛ぶ。
兵士たちにとって、前方は地獄であり、後方は処刑場だった。もはや彼らに残されたのは、思考を停止し、ただ目の前の壁に向かって肉の塊として突撃を繰り返すことだけだった。
開戦から五日。
シュタールグラードの城壁は、エルバニア兵数万の命を吸い込んでもなお、無慈悲に聳え立っていた。
「……なぜだ。なぜ落ちんッ!」
本陣の幕舎で、グラハムは焦燥を露わに叫んだ。
「第一波、全滅! 死体で堀が埋まりました」
「第二波、攻城塔を接舷させようとしましたが、火矢による集中攻撃で焼かれました!」
「魔法部隊、詠唱中に投石を受け、散り散りです!」
次々と舞い込む敗報。
シュタールグラードの防御は、まるで精巧な歯車のように噛み合い、一分の隙もなかった。
派手な魔法や英雄的な一騎当千があるわけではない。
ただひたすらに、来る場所を予測し、最も効果的なタイミングで、地味な妨害を行う。
その徹底された堅実さが、二十万の波を完璧に押し返していたのだ。
「指揮官だ……。
指揮官は誰だッ!?
これほどの巧妙な指揮、必ずや城壁上で直接指揮している筈だッ!」
グラハムは自慢の剛弓を手に城壁を睨む。
見つけ次第、矢で射て狙撃するつもりだ。
(役立たずのガイゼリック帝や、無能なマクシミリアン皇子ではないな──ルスラーナとヴァレンティンか?
だが、ムギトの報告では二人は死んだ筈だ──む、あの者か?)
硝煙と怒号が飛び交う城壁の中央。
兵士たちが走り回る中で、一人だけ、岩のように動かない男がいるのを、グラハムは遠望した。
飛来する矢の雨を避けることもせず、泰然と戦況を睥睨している。
「……あやつは……。どこかで見た覚えがあるな」
右目から左頬に走る、無骨な剣傷。
華美な装飾のない、銀灰色の傷だらけの甲冑。
グラハムの脳裏に、十数年前の、名前も記録されていないような小競り合いの記憶が蘇った。
(そうだ……。思い出したぞ。
国境付近の泥濘の中、我が軍の進撃を、たった一個大隊の重騎兵で阻み続けた、あの『鉄塊』だ)
当時、グラハムは一国の将軍として、その千人長を「名前を覚える価値もない、頑固なだけの若造」として切り捨てていた。
だが、その若造が放った最後の一撃が、グラハムの愛馬を殺し、進軍を一日遅らせた。
その一日が、結果としてエルバニア軍の撤退を招いたのだ。
「ガルド……。ガルド・アイゼンだと!?
引退して市井に紛れたと聞いていたが……。
よもや、あのような一介の千人長上がりが、我がエルバニアの、儂の王道を阻んでいるというのかッ!」
グラハムの背中を、嫌な汗が伝う。
将軍としての地位も、家柄も、魔力量もない。
ただひたすらに「敵を殺し、守り抜く」という実戦の経験値だけで磨き上げられた、純粋な「戦争のプロ」。
それが、今、二十万の大軍を前にして、平然と「仕事」をこなしているのだ。
「おのれ……ッ……貴様のような無名の兵卒に、儂の栄光を汚されてたまるかッ!」
グラハムは激昂し、全軍への総攻撃を命じた。
それは、実力ある老将が、格下の「現場叩き上げ」に追い詰められた時に見せる、致命的な「焦り」であった。
*
シュタールグラードの城壁の上。
そこは血しぶきと悲鳴が舞う地獄の釜の蓋の上だったが、ガルドの周囲だけは、奇妙なほど静謐な空気が流れていた。
「……第三小隊、右翼へ。敵の梯子がかかるぞ」
「魔導部隊、放て。あそこの攻城塔の車輪を狙え」
「油を惜しむな。どうせこれが最後の宴だ」
ガルドの指示は短く、的確だった。
彼の目には、戦場の「流れ」が見えている。
敵がどこに圧力をかけ、どこで息切れするか。長年の経験が、未来予知のように敵の動きを教えてくれるのだ。
その神懸かった指揮に、最初は怯えていた兵士たちも、次第に落ち着きを取り戻していた。
「この人の言う通りにすれば、死なない」「勝てる」という確信が、彼らを精強な兵士へと変えていた。
「す、凄い……。これがあの、ガルド卿の実力か……」
安全な塔の上から戦況を見ていたガイゼリック皇帝は、呆然と呟いた。
彼は今まで、ガルドを「むさ苦しい古狸」「平民上がりの野暮な男」と軽んじていた。
だが今、帝国の命運を支えているのは、煌びやかな近衛騎士でも、高貴な血筋の将軍でもなく、傷だらけの男ただ一人なのだ。
「余は……何と愚かだったのだ。
真の忠臣、真の英雄が足元にいたというのに、見ようともしていなかったとは……」
皇帝は、古強者の騎士の背中に、心からの敬意と懺悔を抱いた。
だが、ガルド自身は、名誉や称賛になど興味はなかった。
「……来るぞ。
射程、残り三十……よし、放てい!」
城壁の上、ガルドは、耳を覆うような悲鳴の中でも、自身の心拍数すら変えずに右手を下ろした。
ドォォォォンッ!!
投石機から発射されたのは、鉄条網を巻き付けた巨大な鉄柱だ。
それが密集して斜面を登る兵士たちの中央に突き刺さり、独楽のように回転しながら周囲を薙ぎ払う。
「ぎゃああああああッ!!」
「足が、俺の足がなァァァいッ!!」
肉が弾け、骨が砕ける。一撃で数十人の兵士が、原型を留めぬ肉塊へと成り果てた。
「旦那様ぁ、お食事をとって下さい……」
兜に胴鎧のみを着たガルドの妻、ミナが、手押し車で夫に食事を運びながらそう告げた。
手押し車の上には、冷え切ったパンと、申し訳程度のスープが載っている。
この防衛戦に際し、ガルドは妻を帝都から遠くに避難させず、あえて自らの傍らに置いていた。
指揮官の身内を人質に取る──そんな手段は、表面上の士道には背くが、裏の兵学上は当たり前の計略だ。
城内に残る無能な貴族たちが裏切り、己の保身のためにガルドの弱みを握ろうと画策することなど、彼には容易に想像できた。
百戦錬磨中の百戦錬磨。
ガルド・アイゼンはその様な愚を犯さない。
目の届く場所に置くことが、最も安全である。
それは愛情であると同時に、戦場という狂気を生き抜くための冷徹な最適解であった。
ミナから受け取った黒パンを、ガルドは戦況を見つめたまま無造作に口に放り込むと、戦場の空気に怯える妻を安心させるように笑いかける。
「……スープより茶が、欲しいな」
ガルド流の、不器用ながらのユーモアだ。
この「日常のような異常」が、城壁の上の兵士たちに奇妙な安堵感を与えていた。
*
エルバニア軍本陣。
「ええい、攻めろ! 休ませるな!
数で押し潰せ!」
グラハムは焦っていた。
予定が狂っている。
このまま長引けば、兵の士気が下がる。
何より、ムギトの言っていた「嫌な予感」が、背筋を這い上がってくる。
ドォォォォォォンッ……!!
その時、帝都の方角ではない──背後の街道から、腹に響くような轟音が轟いた。
「な、なんだ!? 地震か!?」
兵士たちが振り返る。
そこには、信じられない光景が広がっていた。
退路であるはずの街道を、黒い津波が埋め尽くしていたのだ。
先頭を行くのは、巨大な斧槍を担いだ黒騎士と、白馬に跨る貴公子。
そしてそれに続くのは、人間の騎兵や歩兵だけではない。
雄叫びを上げる狼人の群れ。
大地を揺らす巨人の足音。
森の木々のように立ち並ぶ槍の林。
「ば、馬鹿な……!?
あれは……ヴァレンティンか!?
死んだのではなかったのか!?」
グラハムが絶叫する。
*
エルバニア軍の背後──。
そこは、勝利を信じて疑わない予備兵──金に目の眩んだ冒険者たちが屯する安全圏のはずだった。
「ふふふ、選り取り見取り、狩り放題ね」
ルスラーナは、雲霞の如き軍勢に舌舐めずりをし、斧槍を握る手に力を込める。
戦意は沸騰寸前だ。
「落ち着け、ルスラーナ。……いや、落ち着く必要はないな」
隣に立つヴァレンティンは、冷徹な声音でルスラーナを唆す。
「見ろ、あの黄金の旗を。
あれを掲げる者たちが、お前から私を奪おうとした者たちだ。
私の首を刎ね、お前を再び冷たい鎖で繋ごうとした汚物どもだ」
ルスラーナの中で、戦意という名の油が沸点を超え、ヴァレンティンの言葉という火種で一気に爆発した。
「……許さない。私の兄上に、触れていいのは私だけ。……兄上を傷つけていいのも、私だけよ」
ルスラーナが巨大な斧槍を握り直す。
彼女が骸骨面頬を下ろした瞬間、その場から空気が消えたかのような錯覚を周囲に与えるほどの「死の圧」が放たれた。
「……よく言った。さあ、行け。
お前を怯えさせた全ての報いを、奴らの肉と叫びで支払わせてこい。
一人残らず──私の目の前から消し去れ、平らげろ!」
「──ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
それは叫びというより、地獄の蓋が弾け飛んだ音だった。
ルスラーナは青毛の愛馬デトゥーフを駆り、地面を爆破するように、黒い流星となってエルバニア軍の背後へ突っ込んだ。
ドォォォォォンッ!!
衝突の瞬間、最前列にいた十数人の兵士が、何が起きたか理解する暇もなく「霧」となって消えた。
ルスラーナの振るう斧槍は、もはや武器ではない。理性を失った死神が振るう、破壊の権現だ。
「ギャアァァッ!? なんだ、この女はぁぁッ!」
「あはっ! あははははは! 汚い! 汚い血ねぇ!
でも、その悲鳴はいいわ! もっと、もっと兄上に謝りなさいよッ!!」
ルスラーナの笑い声は、もう無邪気な子供のそれではない。
煮え滾る怒りと、兄を守り抜いたという歪んだ多幸感が混ざり合った、狂気の旋律だ。
彼女は、逃げ惑う冒険者たち──かつて自分にやられたことを忘れてイキり散らしていた『巨獣の牙』のリーダー、ガルガンチュアを見つけると、文字通り「獲物」を見る目で加速した。
「ひ、ひぃぃ! 待て、降参だ! 頼む……ッ!」
「降参? そんなの、お肉に必要かしら!?」
斧槍一閃。
ガルガンチュアの新しい剣ごと、その巨体が縦に真っ二つに割れた。
返り血を全身に浴び、ルスラーナはさらに激しく、美しく、残酷に駆ける。
エルバニア軍二十万。
彼らは今、ようやく理解した。
自分たちが攻めていたのは「帝都」ではなく、「死神が守る聖域」だったのだということを。
背後から迫るルスラーナの絶叫と殺戮の嵐に、エルバニア軍は総崩れとなった。
前方の、ガルドという「鉄床」に押し潰され、後方のルスラーナという「爆発した戦意」に切り刻まれる。
そこにあるのは、戦争という名の、あまりにも凄惨な「掃除」であった。
後世、大陸の軍事史において、この日は『シュタールグラードの断罪日』として刻まれることになる。
二十万の軍勢が、たった一人の皇女によって「捕食」され、軍隊という組織そのものが精神的に崩壊した、前代未聞の怪異として。
「あはっ……あははははははッ!!」
エルバニア軍の陣形など、もはや存在しなかった。
ルスラーナが通り過ぎた後には、道など残らない。あるのは、左右に跳ね飛ばされた肉片と、赤黒く染まった地面、そして絶叫すら間に合わなかった「かつて人間だったもの」の残骸だけだ。
彼女の振るう斧槍が空を切るたびに、真空の刃が数十人の兵士をまとめて両断する。
だが、今のルスラーナにとって、それは「効率的な殺害」ですらなかった。
彼女は、兄を害そうとした者たちへ、その指先が、その言葉が、どれほど重い罪であったかを、肉体の痛みを持って分からせようとしていた。
ルスラーナの全身は、返り血で漆黒の甲冑が見えなくなるほど赤く濡れ、血の雫を滴らせている。
その姿は、あまりにも美しく、そして直視した者の精神を破壊するほどに、おぞましかった。
生き残ったわずかな兵士たちは、武器を捨て、己の目を潰さんばかりの勢いで頭を抱えて蹲った。
彼らが目にしていたのは「戦争」ではない。
自然災害、あるいは神の怒り──人間が抗うことなど許されない、絶対的な『終焉』そのものだった。
「助けて……神様、助けて……っ」
「神様ならここにいるわよ。……私の兄上っていう、世界で一番素敵な神様がね!」
ルスラーナは慈悲を乞う兵士の喉笛を、接吻でもするかのような近さで、笑いながら引き千切った。
沸騰した彼女の戦意は、ヴァレンティンの「許可」というガソリンを得て、今や一国の軍隊を焼き尽くす業火となっていた。
後世の歴史資料『大陸近代戦史・グレイヴェリア篇』より抜粋された記述──
「……この日を境に、大陸の戦術思想は根底から覆された。
数による制圧、兵站による優位──それら全てが、一人の『特異個体』の圧倒的暴力を前にして無意味であることを、エルバニア軍の二十万の死体が証明したのである。
生存者の多くは、生涯にわたって『銀髪の少女の笑い声』と『肉が爆ぜる音』の幻聴に苛まれ、二度と金属の触れ合う音を聴くことができなかったという。
軍事用語における『ルスラーナの微笑』とは、これ以降、『絶対的な死の確定』を意味する禁句となった……」
*
「……ふむ。少々やりすぎたか」
血の海と化した戦場の中央。
死体の山の上に立ち、月明かりを浴びて恍惚と笑うルスラーナを見上げ、ヴァレンティンは優雅に肩をすくめた。
だが、その瞳にはルスラーナを止める意思など微塵もない。
「いいだろう、ルスラーナ。
この地獄こそが、お前から私を奪おうとした世界への、最も正しい返答だ」
ヴァレンティンの冷徹な支配と、ルスラーナの沸騰する怒り。
二人の兄妹が織りなしたこの惨劇は、帝国という枠を超え、世界中の軍人たちの魂に、一生消えない「ルスラーナという名の傷跡」を刻みつけたのであった。
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