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4 悪魔の囁き
しおりを挟む翌日、ミハイル朝から晩まで神像の前でひたすらに祈り懺悔した。
(私が愚かでした。神の道を生きるものとしてあってはならないことをしてしまいました。どうかこの愚かな私をお導き下さいーーー)
しかし後悔の傍から、昨日の興奮が、悦楽が甦り、どうしようもなく体が火照りだすのだ。
(ああ…私は悪魔に魅入られてしまったのでしょうか…)
ミハイルは悪魔付きに効果があるという神聖なる香を炊き、再び祈りを始めた。
そうして夜ーーー。
静かな夜に暗い自室で横になっていると、再び悪魔が耳元で囁くのだ。
一度快楽を知った体が、再びそれを求めてくる。
心を落ち着かせようとしても、はち切れんばかりに膨張したそれは痛みを伴い、治まることを知らない。
「ああ…神よ…」
ズボンで圧迫され苦しく衣服を脱ぐと、恐ろしいまでに姿を変えた自分のそれがあった。
ピクピクと僅かに動き、先の方は赤く充血し、透明の液体が溢れている。
「ああ…何と言うことだ…」
ミハイルは潤んだ瞳で、淫欲の象徴である自分のそれを触った。
弄っていると、快楽とともに恍惚に満たされていく。
「あっ…んん…」
(気持ちいい…手が止まらない…)
荒く激しくなっていく自分の鼓動と息遣い。
(そうだ…誰に迷惑を掛ける訳でもない…例え神が見ていても罰を受けるのは私だ…)
そう自分に言い聞かせながら一層激しく手を動かした。
「あっ、んんっ…」
ーーーそして身体を震わせて絶頂に達した。
そしてこの日からミハイルは自慰が日課となってしまったのだ。
毎晩のように快楽を求める、自分のそれ。
抑えられない欲望に罪悪感を感じながらも、その行為を止めることが出来なかった。
禁欲生活が長かった故だったのかもしれないが、一度タガが外れてしまったミハイルはもう元に戻れなかった。
そんな悶絶するような日々を過ごしていると、再びあの男が現れたのだ。
「司祭様、告解をお願いします」
ーーーその男の声を聞いただけで体が火照るのを感じた。
(話したくない…だが行かねばならない…)
聖典を手に握りしめると、重い足を引き摺るようにして告解室へと歩いていった。
「…告解を」
ミハイルが儀式の始まりを告げる。
「やはりどうしてもあの方を諦められないので、一度挑戦してみたいと思っています」
「……」
(相手が結婚してないなら、それも良いでしょう…)
そう思うのに、何故か心がチクチクと傷んだ。
「…相手は結婚しているのですか?」
「いいえ。婚約者もおりません」
「ならば何故想ってはいけないのでしょう?」
(この男の話し方からすると貴族のようだ。家門の問題なのかもしれない…)
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