5 / 30
#5 放課後来いよ
しおりを挟むリーシェは力が抜けてペタンと床に座った。
「はぁ…本当に淫乱だな」
クロードはリーシェの体液で濡れた手をペロリと舐めると、落とし物の紙袋を手に取った。
「…お前、こんなの持ってるの知られたら退学だぞ」
(え…っ)
そう言うと、
「黙っててやるから、明日も来いよ」
と言って落とし物を持ったまま部屋を去っていった。
リーシェは暫くぼんやりとしていたが、急に我に返り、
(な、何だったの一体!!)
と真っ赤になった。
ーーー翌日。
(お陰で眠れなかった)
リーシェの目にはどんよりとクマが出来ている。
(休もうかと思ったけど、クロードが来いって言うから…)
「リーシェ、おはよう」
朝、教室へ向かっているとデイジーが近付いてきた。
「おはよう、デイジー」
と振り向くと、
「わぁ、すごいクマね」
「昨日の課題も難しかったもんね」
というデイジーの言葉に、
「えっっっ!」
とリーシェは驚いた。
(完全に忘れてた!)
「また忘れちゃってたの?リーシェったらどうしちゃったの」
その時だった。
リーシェの後ろから人影が近付き、「ふっ」と笑い声が聞こえた。
そろりと振り向くと、
(やっぱり…!)
そこにはクロードの姿があった。相変わらず偉そうな感じで。
ふとクロードの手に目がいき、昨日の事を思い出して真っ赤になった。
(あ、あの指が私の中に…!)
リーシェの様子を見ていたクロードは「ぶっ…クク」といつもより楽しそうに笑い、
「今日は俺がみせてやるよ」
と言って立ち去った。
(字まで綺麗だなんて、やなやつ…)
なんて思いながらノートを写していた。
(昨日のことがとっても、エッ…エッチな事ぐらいは私も分かる)
どうしてもクロードの匂い、唇に綺麗な指を思い出してしまう。
(…でも、ちゃんとあれは落とし物だって言わなくちゃ!)
そしてノートを写し終わるとクロードの席へ行き、
「あの…クロード、ノートありがとう。それと、昨日の事なんだけど…」
と、気まずい様子で話しかけた。
「良かったんだろ?今日もしてやるよ」
といつもの偉そうな感じで言った。
「ちょっとク、クロード、こんなとこで!」
リーシェが真っ赤になっていると、クロードは立ち上がり、耳元で、
「放課後来いよ」
と囁き、リーシェは耳にかかる息にビクッとした。
(何今の…クロードが耳元で囁いただけで、何か変…)
ーーーそして放課後。
(…よし!今度こそちゃんと言う!)
『来たれ!魔法少女を愛でる会!』
の張り紙の前で決心をすると、リーシェは勢いよくガラッとドアを開けた。
クロードは顔に読みかけの本を載せ、ソファで寝ていた。
(なるほど。ここはアイツのサボり場所で、昨日は昼寝帰り)
するとクロードは目を覚まし起き上がった。
「もう放課後か?」
「クロード、あのね…」
とリーシェが話し始めると、
「いいから横に座れよ」と言ってきた。
リーシェがもじもじとしながら横に座ると、クロードはいきなり耳を噛ってきた。
「ちょ、ちょっと待って!話があるの!」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
59
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる