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#5 放課後来いよ

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 リーシェは力が抜けてペタンと床に座った。


 「はぁ…本当に淫乱だな」


 クロードはリーシェの体液で濡れた手をペロリと舐めると、落とし物の紙袋を手に取った。


 「…お前、こんなの持ってるの知られたら退学だぞ」

 (え…っ)


 そう言うと、
「黙っててやるから、明日も来いよ」
 と言って落とし物を持ったまま部屋を去っていった。


 リーシェは暫くぼんやりとしていたが、急に我に返り、
 (な、何だったの一体!!)
と真っ赤になった。





 ーーー翌日。


 (お陰で眠れなかった)
 リーシェの目にはどんよりとクマが出来ている。


 (休もうかと思ったけど、クロードが来いって言うから…)


 「リーシェ、おはよう」
朝、教室へ向かっているとデイジーが近付いてきた。


 「おはよう、デイジー」
と振り向くと、
 「わぁ、すごいクマね」


 「昨日の課題も難しかったもんね」
というデイジーの言葉に、
 「えっっっ!」

とリーシェは驚いた。


 (完全に忘れてた!)


 「また忘れちゃってたの?リーシェったらどうしちゃったの」


 その時だった。
 リーシェの後ろから人影が近付き、「ふっ」と笑い声が聞こえた。
 そろりと振り向くと、


 (やっぱり…!)


 そこにはクロードの姿があった。相変わらず偉そうな感じで。
 ふとクロードの手に目がいき、昨日の事を思い出して真っ赤になった。


 (あ、あの指が私の中に…!)


 リーシェの様子を見ていたクロードは「ぶっ…クク」といつもより楽しそうに笑い、


 「今日は俺がみせてやるよ」


 と言って立ち去った。






 (字まで綺麗だなんて、やなやつ…)
なんて思いながらノートを写していた。


 (昨日のことがとっても、エッ…エッチな事ぐらいは私も分かる)


 どうしてもクロードの匂い、唇に綺麗な指を思い出してしまう。


 (…でも、ちゃんとあれは落とし物だって言わなくちゃ!)
 


 そしてノートを写し終わるとクロードの席へ行き、
 「あの…クロード、ノートありがとう。それと、昨日の事なんだけど…」
と、気まずい様子で話しかけた。


 「良かったんだろ?今日もしてやるよ」
といつもの偉そうな感じで言った。



 「ちょっとク、クロード、こんなとこで!」


 リーシェが真っ赤になっていると、クロードは立ち上がり、耳元で、
 「放課後来いよ」
と囁き、リーシェは耳にかかる息にビクッとした。


 (何今の…クロードが耳元で囁いただけで、何か変…)







 ーーーそして放課後。

 (…よし!今度こそちゃんと言う!)


 『来たれ!魔法少女を愛でる会!』
 の張り紙の前で決心をすると、リーシェは勢いよくガラッとドアを開けた。


 クロードは顔に読みかけの本を載せ、ソファで寝ていた。
 (なるほど。ここはアイツのサボり場所で、昨日は昼寝帰り)


 するとクロードは目を覚まし起き上がった。


 「もう放課後か?」


 「クロード、あのね…」
とリーシェが話し始めると、
 「いいから横に座れよ」と言ってきた。


 リーシェがもじもじとしながら横に座ると、クロードはいきなり耳を噛ってきた。


 「ちょ、ちょっと待って!話があるの!」
 

 


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