17 / 30
#17 アレクシス
しおりを挟む(ど、どどど、どうしよう……)
(でも吐くところない……)
リーシェは目を瞑ると、口の中に吐き出されたクロードのものを思いきってゴクンと飲み込んだ。
「リーシェ!お前飲んだのか!?」
とクロードが驚いて声をあげた。
「お、おいしくない…」
リーシェは涙目になった。
「…リーシェ」
クロードはリーシェの腕を引いて立ち上がらせると、リーシェを抱き締めた。
「…クロード?」
「……」
クロードは何か言いたげだったが、目を閉じ、ぐっと唇を噛みしめるとリーシェを再びぎゅっと抱き締めた。
「…寮まで送る」
ーーー翌日。
(イーデン先生ったらこんなか弱い乙女にこんなにいっぱい持たせるなんて…!)
リーシェはイーデン先生に山盛りの教材を持たされ、教室へと向かう途中だった。
(あそこを通りかかったのが運の尽き。というか絶対目を付けられてる…)
(前見えない…重い…教室遠い…)
そう思いながらぼんやり歩いていると、
「リーシェ!」
とリーシェを呼ぶ声がして、後ろから腕が延びてきた瞬間、抱き締められるように後ろへ引っ張られた。
バサバサと教材が階段から落ちて散乱した。
(ひぇ…階段だった!)
そして振り返ってみると…アレクシスだった。
「リーシェ、良かった」
アレクシスも焦った顔をしている。
「あ、ありがとう。前見てなかった…」
とリーシェは顔をうっすら赤くした。が…
「……?アレクシス?」
アレクシスはリーシェを抱き締めた腕を離さなかった。
そしてリーシェの肩にポスッと頭を乗せた。
「リーシェが最近変なのって…クロードのせいだろ?」
「えっっっ」
リーシェの心臓がドキッとした。
「見てれば分かるよ」
アレクシスの金色の髪がリーシェの頬に当たる。
「な、何にもないよ!クロードが意地悪だから…」
(アレクシスを心配させちゃってる…)
その時、アレクシスは自分の腕がリーシェの胸に当たっていた事に気付き、真っ赤になって手を離した。
「ご、ごめん、リーシェ…。その、拾うの手伝うよ」
(…リーシェ、柔らかかった。それにいい匂いがした)
アレクシスはそう思い、リーシェの方が見れなくなった。
そして顔を赤くしたまま階段を降りて、散らばった教材を拾い始めた。
「うん…ありがとう…」
と、リーシェも一緒に拾い始める。
「教室まで持っていくの手伝うよ」
そうして二人は教材を全て拾うと歩きだした。
「この前カフェ行けなかったから、今度は奢るよ」
と教室に向かう途中、アレクシスは照れたように言った。
「本当!?」
リーシェは目を輝かせた。
「リーシェ」
その様子を見て、アレクシスは微笑むと足を止めた。
「…?」
リーシェが振り返ると、アレクシスはこう言った。
「…その、二人で行きたいんだ」
アレクシスは俯いて顔を赤くしている。
「? いいよ。一緒に行こう!」
リーシェは笑顔で答えた。
(階段から落ちそうになった時、一瞬助けてくれたのはクロードかと思った…)
それに気付いた途端、何故か胸がドキドキとし始めた。
(こういう時、意地悪言いながらいつも助けてくれたのはクロードだった…)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる