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第二章 当主編
第六話 小坊主との出会い
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御屋形様、(武田信玄)が亡くなったのが、直ぐに織田、徳川、上杉、北条に伝わった。
この戦国大名達には、優れた間者衆を抱えており、義に厚い上杉と同盟している北条は、武田の領地に侵攻する気は無かったが、東美濃、岩村城を武田家の秋山信友に奪われている織田や遠江の大半を武田に奪われている徳川は、領地奪回を目論んでいた。
だが、武田や徳川は合戦の損害を回復するのに、最低でも一年は休養が必要である。
しかし、それに対して織田は、武田の同盟者、北近江の浅井長政、越前の朝倉義景を攻め滅ぼした。
この頃、遠江の浜松城では、城下町と田畑の復興、織田を模倣して、武士や農民の次男、三男以降の男を銭で雇い訓練し、季節を関係無く合戦の出来る軍勢を創る事にした。
それらを浜松城代に抜擢した山本家筆頭家老、飯富虎昌や元義信の旗本衆、長野衆に分担させ行わせた。
また、浜松城攻めで活躍した戦鷹の養殖は雉彦しか出来ず、鷹の訓練は真田間者衆が行い、雉彦は鷹の訓練の方法を盗むべく、一任している。
では、山本勘蔵は、というと、山本家には、人材が不足している為、疋田文五郎、猿彦、犬彦を連れ、北近江と越前に行き、浅井と朝倉の旧家臣を勧誘していた。
山本勘蔵達は、北近江にて、とある寺に宿を求め、寺の掃除をしている眼が鋭い、武士ならば元服間近の十代半の小坊主に住職は居るか? と尋ねた。
「お武家様、長旅をされていると思われます。どうぞ、茶などしか出せませぬが、お飲み下さい」
と、才気はありそうだが、感情の起伏に乏しい小坊主から茶を貰い飲むと、大きな器に入った冷たい茶であった。
「お代わりをどうぞ」
次の茶は、普通の器に、温い茶であったが、最初の茶と同じく、客の身体の様子を見た上手い茶である。
山本勘蔵も、他の山本家臣も、この小坊主は、中々面白いと思い、茶のお代わりを所望すると、今度は小さな器に入った熱い茶である。
俺は大変気に入り、勧誘した。
「小坊主。名を何と申す? そなた中々知恵が回るようだ。俺の家臣に成らぬか?」
すると、感情乏しい笑みを浮かべ、
「某は小坊主という名に非ず。石田佐吉と申す。あなた様は、甲斐から来られたのでございますか?」
俺を初め、皆、一瞬、驚き、殺気を放ってしまったが、
「佐吉殿、何故? そう思う?」
「甲斐の訛りが少しと血の臭いが少し……。後、人を殺すのが悲しいと思う眼かな?」
俺も山本家臣も、思い当たる節があり、この鑑定眼こそ、この者の真髄だと知り、
「佐吉殿、俺の家臣になって下され。そなたの様な素晴らしき才を埋もれさすのは、勿体無い。頼む!」
石田佐吉は、感情に乏しい笑みから、優しげな笑みを浮かべ、
「よろしくお願いいたします。殿!」
こうして、石田佐吉、(三成)が家臣となった。
更に、石田佐吉は、戦人から只者では無いと思わせる雰囲気と知識、鑑定眼で、同年五月二十三日から八月十三日までの旅路で、優れた浅井、朝倉の旧家臣を雇う事に成功する。
この戦国大名達には、優れた間者衆を抱えており、義に厚い上杉と同盟している北条は、武田の領地に侵攻する気は無かったが、東美濃、岩村城を武田家の秋山信友に奪われている織田や遠江の大半を武田に奪われている徳川は、領地奪回を目論んでいた。
だが、武田や徳川は合戦の損害を回復するのに、最低でも一年は休養が必要である。
しかし、それに対して織田は、武田の同盟者、北近江の浅井長政、越前の朝倉義景を攻め滅ぼした。
この頃、遠江の浜松城では、城下町と田畑の復興、織田を模倣して、武士や農民の次男、三男以降の男を銭で雇い訓練し、季節を関係無く合戦の出来る軍勢を創る事にした。
それらを浜松城代に抜擢した山本家筆頭家老、飯富虎昌や元義信の旗本衆、長野衆に分担させ行わせた。
また、浜松城攻めで活躍した戦鷹の養殖は雉彦しか出来ず、鷹の訓練は真田間者衆が行い、雉彦は鷹の訓練の方法を盗むべく、一任している。
では、山本勘蔵は、というと、山本家には、人材が不足している為、疋田文五郎、猿彦、犬彦を連れ、北近江と越前に行き、浅井と朝倉の旧家臣を勧誘していた。
山本勘蔵達は、北近江にて、とある寺に宿を求め、寺の掃除をしている眼が鋭い、武士ならば元服間近の十代半の小坊主に住職は居るか? と尋ねた。
「お武家様、長旅をされていると思われます。どうぞ、茶などしか出せませぬが、お飲み下さい」
と、才気はありそうだが、感情の起伏に乏しい小坊主から茶を貰い飲むと、大きな器に入った冷たい茶であった。
「お代わりをどうぞ」
次の茶は、普通の器に、温い茶であったが、最初の茶と同じく、客の身体の様子を見た上手い茶である。
山本勘蔵も、他の山本家臣も、この小坊主は、中々面白いと思い、茶のお代わりを所望すると、今度は小さな器に入った熱い茶である。
俺は大変気に入り、勧誘した。
「小坊主。名を何と申す? そなた中々知恵が回るようだ。俺の家臣に成らぬか?」
すると、感情乏しい笑みを浮かべ、
「某は小坊主という名に非ず。石田佐吉と申す。あなた様は、甲斐から来られたのでございますか?」
俺を初め、皆、一瞬、驚き、殺気を放ってしまったが、
「佐吉殿、何故? そう思う?」
「甲斐の訛りが少しと血の臭いが少し……。後、人を殺すのが悲しいと思う眼かな?」
俺も山本家臣も、思い当たる節があり、この鑑定眼こそ、この者の真髄だと知り、
「佐吉殿、俺の家臣になって下され。そなたの様な素晴らしき才を埋もれさすのは、勿体無い。頼む!」
石田佐吉は、感情に乏しい笑みから、優しげな笑みを浮かべ、
「よろしくお願いいたします。殿!」
こうして、石田佐吉、(三成)が家臣となった。
更に、石田佐吉は、戦人から只者では無いと思わせる雰囲気と知識、鑑定眼で、同年五月二十三日から八月十三日までの旅路で、優れた浅井、朝倉の旧家臣を雇う事に成功する。
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