ビビりとモフモフの異世界道中

とある村人

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ビビりとモフモフ、冒険開始

ピクニック&お散歩(爆走)日和

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ひとまず、お兄さんには、アイテムボックスから出した椅子に座ってもらった。
周囲をちっこい狼達に取り囲まれて、若干落ち着かない様子だ。

『なにするのー?』
『これなぁに?』
「あー、コラコラ。椅子をかじらないの。」
『おにーさん、だっこー。』
「…な、何故寄ってくるんだ……。」
「いいじゃん、可愛いだろ?」
『ふわぁ~……』

詩音がご長男…マクベスさんにコツとかを教えてもらってる間、狼達はお兄さんから離れなかった。
解呪云々は解らなくても、これからお兄さんに何かが起きるってことは、判るらしい。

「準備はできたかね?」
「は、ははははいっ!」
「…その…本当に…貴殿で大丈夫なのか?」
「大丈夫だから。お互い肩の力抜いて。」
『しおちゃん、がんばるです!』
「やったれ、詩音。」
「わかりました…!では…い、行きますね…《ディスペル》!」

詩音がお兄さんの額に触れて、呪文を唱えた。
お兄さんの体が淡く光ったと思ったら、何か黒いモヤモヤが抜け出して消えていく。

「おお、何か出てる!」
『あれなにー?』
『もやもや~』
『なにしたのー?』
『zzz』

ちっこい狼達も、興味津々で騒いでる。
1匹おねむだけど。

「……えっと、体調などは、大丈夫でしょうか?」
「あ、ああ。…成功、したのか?」
「見事なものだ。初めてでよく解呪したな。」
「い、いえいえ!マクベスさんの教え方が良かったので…!」
「別に、ちょっとコツ教えただけだし。アンタの実力なんだから、謙遜しなくていいよ。」
「そ、そうですか?えへへ。」

成る程、あの黒いモヤモヤが呪いなのな!
一発成功とか、これはもう詩音を誉め称えようじゃないか!

「シオンくん、やったねぇ~。」
「スゲーな、詩音!よくやったー!」
「わっ?!み、未來くん!持ち上げないでくださいっ!」
『しおちゃん、すごいのです!』

詩音を両手で抱えあげて、ノリでくるくる回ってみる。
いやぁ、詩音は軽いなぁ。
このまま手を放したら、すっ飛んで行きそうだ。

「ちょっと!は、恥ずかしいですからっ!」
『わーいわーい!』
『あそぶのー?』
「おっとと…こら、足元にじゃれつくなよw危ないだろー?」

狼達にも、何か喜ばしいことが起きたのは、伝わったみたいだ。
はしゃぐのはいいけど、踏みそうで怖いから足元はやめてくれい。
仕方ない、詩音を降ろそう。

「…シオン殿、だったか。その…感謝する。」
「お礼は受けますけど…私はまだ怒ってるんですからね!未來くんに、ちゃんと謝ってくださいっ!」
「…わかった。」

詩音は名前呼びなんだね、お兄さん。
俺のことは名字だったけど。
ゆっくり俺に向き直ったお兄さんは、渋々って感じに頭を下げた。

「ヒノワ殿…貴殿にはたらいた無礼の数々、申し訳なかった。」

超棒読みだなおい。まあ、いいけど。
ぶっちゃけ、俺が欲しいのは謝罪より平穏だ。
無駄に敵意持たなくなってくれたなら、それでいい。

「……よし!」
「?」
「昼飯にしよう!お兄さんも食ってけ!」
「…いいのか?」
「いーのいーの、野外飯は皆で食ってなんぼだから!」

今更言葉で許すって言うのも癪だから、貴重なご飯を提供することで示そうじゃないか。
…いやまあ、単に俺がお腹空いたってだけなんだけどね!

───────

「いいか、おにぎりは1人1つだからな!」
「あぁ、白いご飯が食べられるなんて…!」

一口食べた詩音が、泣いて喜んでくれている。
解るよ、なんか感動もんだよね。

「コレうまっ!1個じゃ足りないよ、もう少し無い?」
「無いよ。残りは小梅と狼ズにあげちゃった。オーク汁大盛りにするから、我慢して。」
「えー。」
「デイヴィー、文句言わないの。お前のおにぎり、一番大きくしてくれてるんだから。…父さん、絶対足りてないよね。大丈夫?」
「大丈夫だ。ロゥミアの弁当もある。」
「え、ずるい!」
「…母さんいつ作ったの……。」

愛妻弁当持ち歩いてんのかよ!爆発しろ爆発!
俺なんて、店除けばご飯お菓子系作ってもらったことある女性、母さんと妹だけだぞ!!
妹に至っては、俺が作ってやる方が多かったし!
バレンタインだって、チョコくれる人の中で一番可愛いの、家族抜いたら詩音だったよ畜生っ!
(要は野郎からしか貰ってない)

「滅べリア充!!」
「おっと。無詠唱とは、やるなミライ。」
「どしたの、ミライ?父さんが何かやらかしたんなら、代わりに報復しとくけど。」
「あ、えっと、大丈夫だから、シャベル置いて!」

撲殺するまでのことじゃないから!
火の玉、指一本で掻き消されたのは、腹立つけどさ。

「えっと、サリエルさん、オークは食べられますか?嫌いな野菜などは?」
「好き嫌いは無いな。ヒノワ殿、この、オニギリという物は何だ?妙にべたべたするが、香りはとてもいいな…。」
「んっと、炊いたライスを纏めて丸めて、塩ふったやつ。」
「ライス?!馬や牛の餌にするアレか?!」

そうなんである。
この世界、米の調理法が確立されてなかったもんだから、家畜の飼料だったんだよ。

「らしいねー。俺らの故郷じゃ、こっちのパン並みに馴染みある食べ物なんだけど。旨いよ?」
「我々にとっては、主食です。」
「……貴殿の料理人としての腕は、ある程度信用しているが…流石にコレは…。」
「いいから食えや、お坊っちゃん。」
「もごっ?!」
「み、未來くん…そんな無理矢理…!」

半ば強引に口へ突っ込んだら、目を見開いて大人しく食べ始めた。どうだ、旨かろう。

「大丈夫、ですか?」
「こ…これは、食の革命が起きるぞ…!」
「だろ~?…あー、やっぱおにぎりは塩だな。あと、焼き海苔があったら最高なんだけども。」

流石にデイヴィーさんも、海藻は持ってないかなぁ。

「私は筋子と焼き鮭が欲しいです。勿論、塩むすびも好きですけどね。」

鮭か…詩音は魚好きだもんな。川で捕れないだろうか。

『これおいしー♪』
『おにくは、みんなでわけるです!』
『しろいのすき~』
『きいろの、なーに?』
『それは、じゃがいも なのです。』
『おにく~♪』

でかめの器に盛った、汁多めねこまんまも好評だ。
良かった良かった。

「…ヒノワ殿。」
「ん?」
「昨日は、その日暮らしの身なら飛び付くかと、金貨10枚という安値をつけたが…その……正統な値段であれば、レシピを売ってもらえるだろうか……?」

ほほう。

「いいよー。」
「ほ、本当か?!」
「うん。謝ってくれたし。ハンバーグとポテトサラダと、ライスの炊き方でいい?」
「かたじけない!」

…ディアさんに相場聞いて、慰謝料込みで50%増し請求しちゃおーっと。
シェープ様貯金最初の50万Gの出番、本格的に無くなりそうだけど。
まあ、貯金だな。

「デイヴィー。食べ終えたら、この子達を帰すから、手伝ってくれたまえ。」
「俺じゃなくていいの?」
「俺ー?チビ達吹っ飛ばない?」
「マクベスも、ミライ達と遊びたいだろう?」
「それはそうだけど……。」
「ありゃ、帰しちゃうの?」
「サリエルも、屋敷へ帰るなら私が送ろう。」
「…では、お言葉に甘えまして。」

遊びたかったのになぁ。
……あ、皆既にお腹いっぱいで、またお昼寝モードになってる。小梅まで……。
可愛い。起こせない。詩音写メ。むしろ録画。

「この子達、なんて種族?」
「…そういえば、私に抱かせてきた子犬の種族は聞いていないな。」
「癒されますねぇ~。」

スマホ使えるようになったら、詩音に写真貰って待ち受けにしよう。

「黒いのはシャドウウルフだよ。」
「白くて冷たい子は、スノーウルフ。翼があるのはフェザーウルフ。」
「灰色の子は…自分で鑑定してみるといい。」
「鑑定?」

…なんか、特別な子なのかね?
狼で特別ってーと…………まさかな?
まさか違うよな?

「…《鑑定》!」


『聖獣 フェンリル』
 名前 サシャ
 年齢 0歳0ヶ月(生後7日)
 性別 ♀


「どうだ?ヒノワ殿。」
「種族、解りましたか?」
「……ディアさん…?この子…どしたの……?」
「つい、7日前にひ孫の所で産まれてな。預かってきた。」
「「「ひ孫?!」」」

待って、フェンリル連れてきてることより、そっちのがビックリなんだけど!マジ何歳だよ!

「何を驚いている?」
「父さん、もうそろ自分の見た目年齢、自覚しようよー。俺ら20~30代にしか見えないんだって。」
「そうか?」
「え、ディアさんさ…どこまで子孫居るの……?」
「…はて、どこまでだったか……。玄孫やしゃご…いや、来孫らいそんまでは確実に居るが…。」
「父さん、しっかりしてよ。去年昆孫こんそん産まれたでしょ。」
「ああ…そういえばタニアの子が産まれたのだったな。名前は……トニーだったか?」
「惜しい、トミー。」

こん…そん?

「詩音、コンソンて?」
「…孫,ひ孫,玄孫,来孫の次ですね。」
「……ディアドルフ殿…よ、齢はおいくつで……?」
「ん?そうだな…君達よりは上だ。」

なんと大胆なはぐらかし方。
……とりあえず、人間じゃないってのは確定か。
こりゃ、本当に魔族?魔王様説濃厚になってきた。

───────

結局はぐらかされたまま、ディアさん達は狼達を帰しに行っちゃった。
今は残った4人で草原駆け回ってるなう。
俺は獣状態で走り、詩音は月之浮舟で飛んでる。
小梅は俺の背中に乗っていて、マクベスさんは普通に走ってる。

そうそう、例の腕輪鑑定してみたんだが、本当に結構いいアイテムに成っていた。


『装備品 疾風の腕輪』
 装備すると「走る,跳ぶ」といった行動を
 風が補助し、移動が素早くなる。
備考
 解呪済みアイテム


コレは、アレだ。
ドラ●エで言えば星降る●輪とか、疾風のバン●ナとかだ。
メタル狩りに重宝するやつ。

試しに装備したまま、全力疾走してみたんだけど…普通の全力疾走なら、詩音が月之浮舟でなんとか着いてくるのに、装備しての全力疾走だと、余裕で置いてってしまった。
マクベスさんが素で追い付いて来た上に、まだ全力じゃ無さそうだったのは、ディアさんの子だから気にしないでおく。
今は詩音が着いてこれる程度に、緩く走っております。

[しっかし、デイヴィー兄ちゃん…商売人にしちゃチョロくね?]
『ちょろ?』
「そう?」
「チョロいと言うより…私達に甘いような……。」
「あー、それはあるだろうね。」
『デイヴィーさん、あまいのです?なめてみるです!』
『小梅、味のことじゃないからね?』

出発直前、デイヴィーさんから「美味しい食事のお礼」という名目で、ありったけのライスを貰ったんだよ。タダで。

[いいのかな?大赤字じゃない?]
「大丈夫だよ。いつも金持ち貴族とか豪商から巻き上げてるし…売り物は毎日収穫できるから。」
「お、お米が毎日採れるんですか?」
「アイツ、植物の再生,成長促進の腕だけなら、父さんに匹敵するレベルだからね。焼け野原を一晩で森にできるよ。」
『もりが、すぐにできるですか?』

何それスゲェ。ト●ロだト●ロ。

「果樹園とか、畑も凄いんですか?」
「そっちは母さんの趣味だから…デイヴィーのほぼ魔境と化してる大森林希少植物収穫場よりは一般的かな。母さんは育てるのが楽しいみたいで、勝手に成長促進とかさせると怒るんだ。」
[へぇ~。あ、お母さんが作った葡萄のジュース、旨かったよ!]
『ぶどー、コウメものんだです!おいしいです!』
「そっか。母さん喜ぶよ。」

お、初めてマクベスさんに撫でられた。
やっぱり安心感はあるけど、ほにゃ~とは成らないな。
アレって、ディアさんのスキルとかなんだろうか。

「そういえば、ミライ…羊皮紙とかあるの?レシピ売るなら、書いた方がいいんじゃない?」
[あー、無いな。何処かで売ってる?]
『よーしひ!レヴァンおにーさんが、つかってるです!』
「羊皮紙、ですよ小梅ちゃん。」
『?』
「商業ギルドで扱ってる筈だよ。後で行こうか。」

お兄さんに高額レシピ売り付ける件は、一旦領主様に話を持っていってからとなった。
ディアさん曰く、領地の発展に関わる物だから、相場は安く見積もっても、レシピ1つで50万Gなんだとか。
交渉成立の暁には、俺名義で特許的なものを取るといいらしい。
特許は商業ギルドで申請するみたいだけど、商業ギルドへの登録は要らないんだと。

「…レシピ1つ75万で売れるかな……?」
「慰謝料込みで?ミライは優しいね。デイヴィーなら、少なくとも相場の3倍は吹っ掛けるよ。」
「え、兄ちゃんそこまで図太いの?」

そんなイメージ無いんだけど…。
身内以外には阿漕あこぎ?マジで?

「あの…では、デイヴィーお兄ちゃんが、色々と格安で売ってくださったのは……」
「お兄ちゃんって呼ばされてるんでしょ?それが答えだよ。アイツ、相当気に入らないと、そんな呼び方させないから。」
『そうちよーさんも、しおちゃんも、もうおとーとなのです?』
「まさか、呼び方1つで身内認定……?!」
「家の家族は、皆そんなもんだよ。一度懐に入れると、ちょっと過保護なくらい護るし、協力を惜しまないんだ。」

へ、へぇ……。
ヴァールフラン家の気に入る水準が、とても気になる……。

「身内の、しかも2人くらいのチビ達から、本当は代金取る気もあんま無いだろうね。見返り無しにタダなんて言ったら、2人が落ち着かないだろうから、お金取っただけだと思うよ。」

そこまで?

「俺もだいぶ気に入っちゃったし…羊皮紙くらいなら工面してあげる。」
「え、そ、そんな悪いです!」
「ああ、大丈夫。買うんじゃないから。」
[え、買わなくてもあるの?]
『よーしひ、もってるです?』
「ううん、今から貰いに行くんだよ。」

貰いに?羊皮紙を?

[誰にー?]
「そんなの決まってるじゃん、羊に。」

…………え?
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