【完結】最後は貴方と

仲村 嘉高

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06:王太子 16-17歳 ※胸クソ注意

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 神の国だと、神が護っているから、神の加護が有るから栄えている国だと。
 まるで王家が神のオマケ……いや、下僕のように言われる。

 神の言葉を巫女が伝え、それを元に色々な対処を王家が行う。

 これではまるで、巫女の方が王家より偉いようではないか!


 しかも今代の神の巫女は、今までよりも遥かに優秀だと?
 そんな女が俺に従えば、王家の株もあがるな!
 しかも公爵家の令嬢らしいじゃないか。
 なんて都合の良い女だ。

 年は6歳下だが、そんな程度ならよくある話だ。
 今はまだ10歳だが、後5年もしたら充分女になるだろう。
 俺が18歳になったら形だけの結婚をして、俺と同い年の側妃を用意し共に結婚式も挙げてしまえば、一石二鳥だな。

 巫女が15歳の頃には、側妃を3年も抱いて飽きてる頃か。丁度良いな。


 そんな俺の計画は、父である陛下の横暴で止められた。

 1年も神の巫女や神殿との関係を聞かされた。
 前にも聞いているので、何とも思わない。
 神の巫女だって結局は国に尽くす。
 それは結局、王家の為に働いているんだろう?
 やはり俺の方が上ではないか!

 だがそれを言うと、いつまでも再教育が終わらない。
 俺は、教師や父が気に入りそうな答えを丸暗記した。



 1年振りに神殿に来た。
 ここは相変わらずムカつく所だ。
 誰も俺にひざまずかない。
 何が神の前では平等だ。

「巫女はどこだ」
 通りすがりの神官を捕まえて聞く。
「今の時間は、祈りの場で神に祈りを捧げております」
 それだけを言うと、そそくさとその場を去ってしまった。
 王太子が質問したのだから、察して案内するのが普通だろうが。

 こういう何も解っていない所も嫌なんだ!


 人に何回も聞いて、やっと祈りの場に辿たどり着いた。
 そう、何回もだ。
 だから俺はイライラしていたんだ。
 本当は優しく諭して、婚約者にしてやるつもりだったのに。

「お前を俺の婚約者にしてやる!」
 俺は、神の巫女を見た途端に叫んでいた。
 俺の苦労も知らずに、呑気に祈っていたのが悪い。
 しかもこちらを向いても返事もしない。

「聞いているのか!カテリーナ・ラ・リッツォーリ」
 婚約者として、名前は調べてやった。
 だから礼儀としてフルネームで呼んでやったのに、なぜそんな不満気な顔をする。

 あぁ、俺が怒っているからか。
 それは、俺を祈りの場まで案内しなかった奴が悪いんだ。


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