6 / 22
06:王太子 16-17歳 ※胸クソ注意
しおりを挟む神の国だと、神が護っているから、神の加護が有るから栄えている国だと。
まるで王家が神のオマケ……いや、下僕のように言われる。
神の言葉を巫女が伝え、それを元に色々な対処を王家が行う。
これではまるで、巫女の方が王家より偉いようではないか!
しかも今代の神の巫女は、今までよりも遥かに優秀だと?
そんな女が俺に従えば、王家の株もあがるな!
しかも公爵家の令嬢らしいじゃないか。
なんて都合の良い女だ。
年は6歳下だが、そんな程度ならよくある話だ。
今はまだ10歳だが、後5年もしたら充分女になるだろう。
俺が18歳になったら形だけの結婚をして、俺と同い年の側妃を用意し共に結婚式も挙げてしまえば、一石二鳥だな。
巫女が15歳の頃には、側妃を3年も抱いて飽きてる頃か。丁度良いな。
そんな俺の計画は、父である陛下の横暴で止められた。
1年も神の巫女や神殿との関係を聞かされた。
前にも聞いているので、何とも思わない。
神の巫女だって結局は国に尽くす。
それは結局、王家の為に働いているんだろう?
やはり俺の方が上ではないか!
だがそれを言うと、いつまでも再教育が終わらない。
俺は、教師や父が気に入りそうな答えを丸暗記した。
1年振りに神殿に来た。
ここは相変わらずムカつく所だ。
誰も俺に跪かない。
何が神の前では平等だ。
「巫女はどこだ」
通りすがりの神官を捕まえて聞く。
「今の時間は、祈りの場で神に祈りを捧げております」
それだけを言うと、そそくさとその場を去ってしまった。
王太子が質問したのだから、察して案内するのが普通だろうが。
こういう何も解っていない所も嫌なんだ!
人に何回も聞いて、やっと祈りの場に辿り着いた。
そう、何回もだ。
だから俺はイライラしていたんだ。
本当は優しく諭して、婚約者にしてやるつもりだったのに。
「お前を俺の婚約者にしてやる!」
俺は、神の巫女を見た途端に叫んでいた。
俺の苦労も知らずに、呑気に祈っていたのが悪い。
しかもこちらを向いても返事もしない。
「聞いているのか!カテリーナ・ラ・リッツォーリ」
婚約者として、名前は調べてやった。
だから礼儀としてフルネームで呼んでやったのに、なぜそんな不満気な顔をする。
あぁ、俺が怒っているからか。
それは、俺を祈りの場まで案内しなかった奴が悪いんだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
402
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる