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第48話:聖王国
しおりを挟む「え?聖王国からの使者?」
ちょっと今更感が有るんですけど?
私が聖女だと判明してからどれだけ経っていると?
とりあえず本人には会わずに、手紙だけを読む事にする。
えぇと、なになに……。
ふんぬっ!!
紙の破けるビリビリッて音が部屋に響いた。
要約すると[聖女に選ばれたのに、何で聖王国に挨拶に来ないんだ。しかも領地に勝手に神殿建てておいて、こっちの派遣した神官を勝手に解雇してんじゃねえよ。聖王国から破門されたくなければ、さっさと挨拶に来いや、ボケ]
という内容が、遠回しに丁寧に書かれていた。
そうか~。聖女になったら、聖王国へ挨拶へ行くのね!
試練中だけど、女神様が聖女だと言ったなら、聖女よね。
聖女に挨拶に行ってもらいましょうか!
手紙には「愛し子」とは書いてなかったもんね!
「近々聖女が挨拶に向かうはずだとお伝えください」
それだけを伝えると、使者には早々にお帰りいただいた。
お茶?出しませんよ。
神様の果物?渡しませんよ。
さっさと帰れ。
私は、聖女だけど聖人ではないの。
全てを許すなんて出来ないわ。
破門にする?上等よ。
神様を巻き込んで、大事にしてやる。
聖王国が、聖女である私の事と、神様が建てた神殿を認めないと言っている事を、自国の国王陛下と隣国の王太子に連絡した。
神様が。
隣国は、まともなのは王太子だけっぽいからね。
王太子から第二王子へ「聖女を連れて聖王国へ挨拶へ行け」と命令してもらいましょう!
第二王子は公爵を巻き込むだろうから、イザベラも行く事になるわね。
そういえば、イザベラはもう結婚したのかしら?
アモローサも、もう学園は卒業してるわね。
後日、我が国から聖王国関連の神殿や神官が排除された。
そりゃあそうよね。
自分達が祀っている神様に喧嘩売る馬鹿よ?
誰だって巻き込まれたくないわよ。
隣国は、神様の加護のある領地は、同じようにしたみたいね。
マーガレット様とアイリス様の実家と、グルーバー辺境伯は速攻で実行していたけどね!
聖王国は、訪問してきた聖女にどう対応するのかしら?
それにしても、前は神様からの啓示をちゃんと伝えていた聖王国が、なぜこんな神様に喧嘩を売るような真似をしたのかしら?
不思議ね。
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