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王立魔法学園~甘いは誰のため~(ざまぁはないよ!)
乙女ゲーム:甘い殿下
しおりを挟むクスリと笑われたショコラは、顔を真っ赤に染める。
それは、馬鹿にされたからではなく、自分を見て笑った笑顔が驚くほど魅力的だったからだ。
先ほどのシフォンティーヌの貴族らしい威圧するような雰囲気ではなく、自分を認めてくれたと感じる優しい雰囲気。
「まだ1ヶ月じゃ礼儀も覚えられなくて当然だ。困った事があったら相談してくれ。
私はマカディーア・フォン・パティシエーリル。
この国の第一王子だ」
キラキラと絵本から抜け出たような人物は、本当にこの国の王子だった。
マカディーアは、何事かをビタールに命じ、ショコラの座っていた席の隣へ座る。
そしてショコラにも座るようにと視線を動かす。
ショコラは素直にマカディーアの隣へと腰を下ろした。
それを烈火の如く睨んでいた人物がいた事になど気付かずに……
入学式は、滞りなく進んだ。
入学生代表は、勿論、この国の第一王子であるマカディーアである。
学生であると共に、学園を担う王国側の人間でもあるマカディーアは、学園をより良くする宣言をし、ショコラの中の好感度を更に上げた。
講堂から教室へと移動する。
座っていた順で退室するのだから、当然マカディーアの後にショコラが続く。
講堂を出た瞬間、ショコラが声を発した。
「マカディ様、わたし感動しました。特にあの『全ての者が平等であるべきだ』の台詞に!」
ショコラは興奮気味に、自分の気持ちを素直に告げる。
普段そんなにストレートに気持ちをぶつけられる事が無いのだろう。
マカディーアは目を大きく見開く。
そして嬉しそうに笑う。
「そうか。ショコラ嬢は共感してくれるのだな」
呼び慣れない敬称に、ショコラは首を傾げ、
「ショコラ、で良いですよ」
と笑顔を返した。
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