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黄金週間
第517話:戦闘準備……?
しおりを挟む特に何も準備をせず、クラン戦闘の日になる。
本来なら集めた素材で防具や武器を作成・強化するのだろうが、うちのクランには生産職が居ない。
頼んだら綺羅、爺さん、斗苫斗的が喜んで作りそうだが、生産職として有名らしいこの三人に頼むのも気が引けた。
リコンス辺りのレベルなら大丈夫かと思って一応聞いてみたが、あのアイドル服みたいなのしかまだ作れないらしい。
唯一の女性である咲樹がアレを着たら、多分、変なプレイな雰囲気ムンムンになるだろう。
ツッコミは受け付けないから、深く聞かないように。
〈クラン【魔鬼連隊】対【sechs(ゼクス)】の対人戦闘開始30分前です。戦闘フィールドへ移動します〉
個人やパーティーでのPvPと違って、クランだと戦闘フィールドも闘技場では無く、岩山のある広大な敷地になるのだな。
まぁ、うちとは違って相手は百人超えの大規模クランらしいしな。
ちょっとした戦争っぽい。
<我はこのサイズで良いのかい?>
リルが子狼姿で聞いてくる。
「本気で攻撃したら、リルだけで終わるだろう?」
このサイズでも、ちょっと心配だが。
<儂は主を護れば良いのだな>
ガルムが安定の紳士な執事発言である。むしろ護衛?
<ネルは膝の上にゃ>
バフを掛けた後はやる事の無いネルが俺の膝に陣取る。
<それなら妾は、主殿の横で控えて居るかのぅ>
ユキが俺の太腿に上半身を寄り掛からせるようにして寛ぐ。
なぜかヨミが俺の胸元に入って来て、いつものようにチョコンと両手と顔を出す。
「ヨミは参加しないのか?」
<ぎゅ!>
え、これはどっちだ?
<まだ出番が無い!と拗ねているよ>
「そうなのか。通訳ありがとうな、リル」
雷落とすとか言ってたけど、リルの炎と一緒で、悪友達に却下されたのか。
プーリが俺の後ろ、ガルムの背中に乗る。俺より大きいプーリが乗っても、全然平気なガルムが格好良いな。
戦闘に参加するリルとシズカは、俺の前で伏せ状態で待機している。
ムンド、テラ、タダムネの爬虫類組は、ガルムの少し上でフワフワと浮いて相手を観察して……無かった。この前食べた魔物果物の話で盛り上がっていた。
これから戦闘なのだが、理解しているよな?
「どうしよう。この緊張感の無い絵面」
咲樹が俺達をスクショで撮影しながら言うが、お前も大概だからな?
何を呑気に撮影しているのだか。
しかも相変わらずのドレス姿だし。
「か、かわ……」
口元に手を当ててるが、もう何を言おうとしたかバレバレだからな?レイよ。
ジルドも背中を向けているが、震えているから笑いを我慢しているのがバレバレだぞ、おい!
「可愛いな!ここだけ凄いファンシーな空間だ!」
わはははは、と笑って言っているユズコ。
お前はもう少し、オブラートに包むという事を覚えろ。
「頑張って本拠地とか、拠点とかを設営している相手に謝った方が良いよ、ヴィン」
なぜかオーべに真顔で叱られた。
解せぬ。
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