君の横を歩きたい

渡良瀬 カンナ

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定期テスト

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 僕たちは県大会を無事突破して全国への切符を手に入れた。平穏な日常を過ごして僕のところに不穏な気配が近づいて来ていた。
 部活終わり千里が大声を出しながらダッシュしてきた。
「ヤバイやばいYABAI」
「千里が1番やばいよ、どうしたのさ?」
「明日から定期テスト前で練習休みになるんだよ。」
「知ってるよもう準備始めてるし」
「早すぎるよ」
「普通です」
「ここからが本題なんだけど私に勉強を教えてくれない。」
「ふぇっ⁉︎」
今までに出したことのないマヌケな声が出た。それもそうだ千里から「勉強を教えて」なんて言葉がでるなんて、聞き間違いかもしれない。
「いつも赤点取っても補習受けるから大丈夫って行ってるじゃん」
「もうそんな悠長なこと言ってる暇ないの、今日から翔の家で勉強会ね」
いやだとも言えずとりあえず家に帰った。
 どうして千里が勉強にやる気を出したかと言うと今日の部活終わりのミーティングで赤点者は全国には行かせないと言われ彼女は監督から釘を刺されたのだと言う。
 千里が勉強はからっきしだということは知っていたが、改めて見るとほんとひどい。
「お前高校どうやって入ったの?」
「そりゃ、詰め込み・気合い・運・あとお参りにも行った。」
論外だ。試しに今回の範囲の基本的なところをテストしてみると、国語・英語はまあまあだか他が壊滅している、数学に至っては何一つ理解できていない。結果をみて僕は
「千里諦めよ今回の全国は残念と言うことで」
と言うと半泣き状態で
「お願い~私1人じゃどうにもならんのだよ全国行けなきゃ私死ぬ~」
はぁ心からのため息だ。
「わかったよできることはやってみよ」
「ありがどぉぉ」
 とは言ったもののどっから手をつけようか…
 これが地獄の始まりであることを僕はまだはっきり理解はしていなかった。
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