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2.群青
(2)告知④
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青海神社は、草木は適度に刈られているものの、手水《ちょうず》もなく明かりもなくの古びた神社だった。
住所的には私の家から遠くないし、なんならギリギリ藍海区の隣にあるような気もした。ただ、住宅街の奥の奥にあって、見かけたことはあっても来たことはなかった。それこそ、青海神社なんて聞いてもピンとこなかったくらいだ。
その中にある社務所か休憩所みたいなものの1つの前に、蛍さんは横柄な態度で座り込んでいた。まるで自分が宮司《ぐうじ》か神主かみたいな態度だ。
「全員、揃ったな?」
いや、それどころか、まるで神様だ。群青のメンバーは、私と桜井くんと雲雀くんを含め、ずらりと参道に整列していて、社の前にいる蛍さんを拝もうとしているかのようだった。人数は軽く1クラス分だろうか。それが不良チームとして多いのか少ないのかも分からないくらい、私は場違いだった。なんなら着いた時から「女だ」「誰の?」「永人さんじゃね」と囁かれていた。多分蛍さんの隣にいなければすぐに首根っこを摑まえられて尋問されていたと思う。
「じゃ、集会、始めるぞ」
そんな蛍さんの隣に、桜井くん、雲雀くんそして私の順に立たされて、正直死にそうだった。
いかんせん、目の前に並んでいるのは灰桜高校普通科の問題児を煮詰めた結果といっても過言ではない。しかも当然のように女子がいない、3学年分(なんならおそらく大半は2年と3年)の男子に不躾《ぶしつけ》にじろじろと見られ、見世物《みせもの》にでもなった気分だった。多分マネキンはいつもこんな気持ちなんだろう。
ただ……、新庄のせいだろうか、私の心臓は大人しく、鳴りを潜めていた。もしかしたら、あれくらいの衝撃を受けないと心臓は反応しない仕様に変わってしまったのかもしれない。
「噂で聞いてるヤツもいると思うが、この場で正式に知らせる。西中の桜井と雲雀が群青《ぐんじょう》に入った。どっちがどっちか、知らないやつはいねーな?」
なんならこの2人の認知度は群青の人にとって常識レベルだし、この2人と私が並べられている状態を俯瞰すると一層居心地が悪かった。
「……ブルー・フロックじゃないのかな?」
それはさておき“群青”と書いて“ブルー・フロック”と読むのがこのチームではないのだろうか? つい桜井くんに小声で囁くと「長いから“ぐんじょう”ってみんな呼ぶんだって」とのことだった。なるほど、と頷く私を雲雀くんが見ていたけれど、何を言いたいのかは分からなかった。
「で、隣が三国英凜だ」
そして私の紹介もされる、と……。さっきの予想とは違って、名前を呼ばれた瞬間に心臓が一瞬跳ねた。ただ、ほんの一瞬で、すぐに収まった。
「おい颯人《はやと》」
「はいっ!」
なぜか、群青《ぐんじょう》(私も倣ってそう呼ぶことにしよう)の中の1人が名前を呼ばれた。返事をしたのは、少しくせ毛交じりの可愛い顔をした人だった。暗くてよく分からないけれど、きっとその髪色はダークブラウンで、学ランの着方も、優等生とまでは言わないけれど普通科にありふれた着崩し方をしている程度の、そんなに派手なものではなかった。なんなら学年徽章もちゃんとつけていて、同級生のようだ。
私達に続いて呼ばれるということは、私達と同じく群青メンバーと告知される予定と考えるのが当然だけれど、その人は私達と違って群青のメンバーですみたいな顔をして列に混ざっていた。首を傾げていると、蛍さんは私を親指で示した。
「お前の件、三国が立ち会ってやる。よく頭下げときな」
「はいっ! すみません三国さん、よろしくお願いします!」
「……はい?」
そしていきなり頭を下げられた。目を白黒させる私の隣で桜井くんと雲雀くんは「6組の中津《なかつ》じゃん」「知ってんのか」「うん。舜とよくバカやってる」なんて話している。
「……え、いや、これ一体……え……?」
「三国、詳しいことは今度説明するけど、まあ頼むな」
「え……?」
「今回、颯人のバカがやらかしやがった。お前らマジでいい加減にしろ、声かけてくる女にろくなやつはいないつってんだろ。ナンパはすんな、ダセェから。で、ナンパはされんな、危ねぇから。分かったか?」
うぃっすだかおうだかなんだか分からない野太い返事を聞きながら、私達だけが状況を理解できずに困惑し続ける。きっといまの私の頭上にはクエスチョンマークがたくさん浮かんでいるに違いない。
「……あの、蛍さん……一体なにが……」
「おい颯人、前出てきな」
「はいっ」
蛍さんは石階段の上に座って頬杖をついたまま「さっきチラッと言ったけど、このバカがなぁ」と親指をその中津くんに向ける。
「他のチームの幹部の女に手出しやがった。それだけならただの喧嘩でいいんだけどな、その女が厄介で、颯人に無理矢理されただのなんだの喚《わめ》き始めたんだ。ここまで来れば分かるだろ、警察に駆け込まれたくなけりゃ金持ってこい、だ」
トラブルのことは分かった。ただそのトラブルについて私がよろしくされる理由は分からなかった。
頭の上にクエスチョンマークを浮かべたままの私に、蛍さんはそのまま続ける。
「で、いわく颯人に無理矢理されたから怖くて男と話せねー、女に金持ってこさせろってごねやがった。そういうわけで、三国、よろしくな」
「…………よ……ろ……?」
「俺達の代わりに白《スノウ・》雪《ホワイト》の幹部の女に会ってこい。金持って行けなんてお使いさせるつもりはねえ、ぶちかましてこの話ポシャらせて来い」
…………。
つまり、中津くんが美人局《つつもたせ》に遭い、恐喝《きょうかつ》をされているので、その美人局をしている女に会って……恐喝話を握り潰してこい、と。
「……はい?」
住所的には私の家から遠くないし、なんならギリギリ藍海区の隣にあるような気もした。ただ、住宅街の奥の奥にあって、見かけたことはあっても来たことはなかった。それこそ、青海神社なんて聞いてもピンとこなかったくらいだ。
その中にある社務所か休憩所みたいなものの1つの前に、蛍さんは横柄な態度で座り込んでいた。まるで自分が宮司《ぐうじ》か神主かみたいな態度だ。
「全員、揃ったな?」
いや、それどころか、まるで神様だ。群青のメンバーは、私と桜井くんと雲雀くんを含め、ずらりと参道に整列していて、社の前にいる蛍さんを拝もうとしているかのようだった。人数は軽く1クラス分だろうか。それが不良チームとして多いのか少ないのかも分からないくらい、私は場違いだった。なんなら着いた時から「女だ」「誰の?」「永人さんじゃね」と囁かれていた。多分蛍さんの隣にいなければすぐに首根っこを摑まえられて尋問されていたと思う。
「じゃ、集会、始めるぞ」
そんな蛍さんの隣に、桜井くん、雲雀くんそして私の順に立たされて、正直死にそうだった。
いかんせん、目の前に並んでいるのは灰桜高校普通科の問題児を煮詰めた結果といっても過言ではない。しかも当然のように女子がいない、3学年分(なんならおそらく大半は2年と3年)の男子に不躾《ぶしつけ》にじろじろと見られ、見世物《みせもの》にでもなった気分だった。多分マネキンはいつもこんな気持ちなんだろう。
ただ……、新庄のせいだろうか、私の心臓は大人しく、鳴りを潜めていた。もしかしたら、あれくらいの衝撃を受けないと心臓は反応しない仕様に変わってしまったのかもしれない。
「噂で聞いてるヤツもいると思うが、この場で正式に知らせる。西中の桜井と雲雀が群青《ぐんじょう》に入った。どっちがどっちか、知らないやつはいねーな?」
なんならこの2人の認知度は群青の人にとって常識レベルだし、この2人と私が並べられている状態を俯瞰すると一層居心地が悪かった。
「……ブルー・フロックじゃないのかな?」
それはさておき“群青”と書いて“ブルー・フロック”と読むのがこのチームではないのだろうか? つい桜井くんに小声で囁くと「長いから“ぐんじょう”ってみんな呼ぶんだって」とのことだった。なるほど、と頷く私を雲雀くんが見ていたけれど、何を言いたいのかは分からなかった。
「で、隣が三国英凜だ」
そして私の紹介もされる、と……。さっきの予想とは違って、名前を呼ばれた瞬間に心臓が一瞬跳ねた。ただ、ほんの一瞬で、すぐに収まった。
「おい颯人《はやと》」
「はいっ!」
なぜか、群青《ぐんじょう》(私も倣ってそう呼ぶことにしよう)の中の1人が名前を呼ばれた。返事をしたのは、少しくせ毛交じりの可愛い顔をした人だった。暗くてよく分からないけれど、きっとその髪色はダークブラウンで、学ランの着方も、優等生とまでは言わないけれど普通科にありふれた着崩し方をしている程度の、そんなに派手なものではなかった。なんなら学年徽章もちゃんとつけていて、同級生のようだ。
私達に続いて呼ばれるということは、私達と同じく群青メンバーと告知される予定と考えるのが当然だけれど、その人は私達と違って群青のメンバーですみたいな顔をして列に混ざっていた。首を傾げていると、蛍さんは私を親指で示した。
「お前の件、三国が立ち会ってやる。よく頭下げときな」
「はいっ! すみません三国さん、よろしくお願いします!」
「……はい?」
そしていきなり頭を下げられた。目を白黒させる私の隣で桜井くんと雲雀くんは「6組の中津《なかつ》じゃん」「知ってんのか」「うん。舜とよくバカやってる」なんて話している。
「……え、いや、これ一体……え……?」
「三国、詳しいことは今度説明するけど、まあ頼むな」
「え……?」
「今回、颯人のバカがやらかしやがった。お前らマジでいい加減にしろ、声かけてくる女にろくなやつはいないつってんだろ。ナンパはすんな、ダセェから。で、ナンパはされんな、危ねぇから。分かったか?」
うぃっすだかおうだかなんだか分からない野太い返事を聞きながら、私達だけが状況を理解できずに困惑し続ける。きっといまの私の頭上にはクエスチョンマークがたくさん浮かんでいるに違いない。
「……あの、蛍さん……一体なにが……」
「おい颯人、前出てきな」
「はいっ」
蛍さんは石階段の上に座って頬杖をついたまま「さっきチラッと言ったけど、このバカがなぁ」と親指をその中津くんに向ける。
「他のチームの幹部の女に手出しやがった。それだけならただの喧嘩でいいんだけどな、その女が厄介で、颯人に無理矢理されただのなんだの喚《わめ》き始めたんだ。ここまで来れば分かるだろ、警察に駆け込まれたくなけりゃ金持ってこい、だ」
トラブルのことは分かった。ただそのトラブルについて私がよろしくされる理由は分からなかった。
頭の上にクエスチョンマークを浮かべたままの私に、蛍さんはそのまま続ける。
「で、いわく颯人に無理矢理されたから怖くて男と話せねー、女に金持ってこさせろってごねやがった。そういうわけで、三国、よろしくな」
「…………よ……ろ……?」
「俺達の代わりに白《スノウ・》雪《ホワイト》の幹部の女に会ってこい。金持って行けなんてお使いさせるつもりはねえ、ぶちかましてこの話ポシャらせて来い」
…………。
つまり、中津くんが美人局《つつもたせ》に遭い、恐喝《きょうかつ》をされているので、その美人局をしている女に会って……恐喝話を握り潰してこい、と。
「……はい?」
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