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第六章 【二つの世界】
6-427 説得・納得
しおりを挟む『……なるほど、ほんとあなたたちって興味深いわね……もっと色々と知りたいのだけれど』
盾の創造者の言葉は、偽りのない本当の感情から生じたものだった。その雰囲気は、これからお互いを傷つけ合うというものでもなく、親しい友人が気さくに問いかけているかのようなものだった。
この場面だけ他の者に見られたのなら、敵対よりも共謀していると思われても仕方がない空気だ。
『ねぇ……無駄だと思うけど、一応念のため伝えておくわね?あなたたち、私と一緒に研究しない?そうしたら、この世界を残しておくことも考えてあげてもいいのだけど』
「……!?」
ハルナは、盾の創造者から出てきたその提案に対して少し心が揺さぶられていた。
できる事なら、争いはしたくなはい。盾の創造者も超越した能力を持っており、その力をエレーナやステイビルたちのために”正しく”発揮してくれることを約束してくれるのであれば、このまま協力関係を保つのも悪くはないと思っていた。
だが、その気配を感じたサヤは、ハルナに対し厳しい目つきで睨んでハルナの発言を制した。
そしてサヤは再び盾の創造者へと向け、ハルナを取り込もうとした芽を摘んだ。
「悪いけど、アンタは信用できないんだよ。その約束だって、いつ裏切るかわからないからね?そういうやつは信用しちゃダメだって、今までの経験から学習したんだよ」
「で……でも、サヤちゃん……」
「”でも”じゃないんだよ……アイツの性格からして、アタシたちやこの世界のことはなんともおもってないんだよ、コイツは。よくて、アタシたちを殺さずにあの空間へと放り込んで利用するだけだろうね。だけど、長い時間の中でその解除方法を見付けるとするじゃない?そんな奴がこの世界をこのまま運用していけると思う?」
「そ……それは」
「それにだよ?コイツは、アタシたちのことをいまだに、同等とも思っていないよ……きっと。ただの道具か”自分の知らない知識を持つ生き物”ぐらいしか思ってない……そうだろ?」
サヤはそう言って盾の創造者を見て、それに釣られるようにハルナも視線を同じ場所へと移した。
盾の創造者は、『そんなことはない』とか『そんな風に思っているのは残念』と言っているが、その言葉から本気の態度は感じ取ることはできなかった。
「……そう言うことだよ、ハルナ。もうそろそろ……いいだろ?アイツとの約束も果たさなきゃいけないし、アイツからも”そう”言われただろ?」
「う……うん」
ハルナはまだ、納得がいかないところもあった。
こうして話をしている間に、その気なら危害を加えてきても良かったはずだ。しかし、そういう行動には出ずに、二人のやり取りをただ聞いているだけとサヤに告げた。
「……多分それは、”新しい情報”が出てこないか、もしくはアンタを味方につけるための隙を探していただけなんだろうよ?」
そうハルナに説明したサヤのことを、盾の創造者は自分のことをよくわかっているサヤに満足げに笑みを浮かべていた。
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