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55話
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55話 最終回
かずまside
俺は寿命を交換した特例ってやつで、永遠に死神として働くことになっている。
心残りがないと言えば嘘になるだろう。
しょうくんには幸せになってもらいたい…でも、できることなら、俺が幸せにしたかった。
それでも、生きててくれれば…それでいい。
しょうくんの幸せ、それだけを願う。
そして、今日も
『右京っ!今日の仕事終わったよ!』
『さすがっすね!仕事早いっす!!』
『もうあがってもいい?』
『あ~…』
右京はポケットから長い鎖の付いた懐中時計を取り出して
『…そろそろ…っすね。』
『ん?なにが?』
『もう少し待ってて下さい!!』
死神の先輩の右京とは名前で呼び合う程に仲良くなっていた。人間だった頃と何も変わらない。
ここは、天国でもなければ地獄でもない…。
人の死を管理しているだけ。
ちゃんと寿命通りに死が来たのか?寿命が間違っていないか?…そして、寿命の交換も管理していた。
最近右京が頻繁に人間世界へ行っている。なにか特別な案件があるのだろう。
カチカチっと、右京の懐中時計の音だけが流れてた。
『俺…もう…帰っても…いい?』
その時だった
『かずまっ!!』
『かずまっ!!かずまっ!!』
一瞬耳を疑った。
間違えるはずがない…
そして、こんなところで聞こえるはずがない…
いや、聞こえたらだめなやつ!!
でも、声のする方を向くと…
間違いなく…
『…しょう…くん…』
それは紛れもなく、俺の大好きなしょうくんだった。
死神になって何度か人間界へ降りて、しょうくんの様子を盗み見た。
生きていることを確認しただけ、それ以上しょうくんを見てしまったら、未練が残ってしまうからと、その姿をひと目見ただけ。
でも、今…目の前にいるのは…
紛れもなく…
『…しょうくんっ…ほんとに?…ほんとのほんとにしょうくんなの?』
しょうくんが俺に抱き着いて
『逢いたかったっ!!ずっと、逢いたかったっ!!』
『…なんで…?…なんでここに?…ここに…来たってことは…』
『ごめんっ…でも、聞いて!!ちゃんと生きてた!
かずまにもらった命だったから…。でも、やっぱりお前がいないと…幸せになれない。…お前の大切な人の命と交換したから、それならいい?』
『…しょうくん……なんで…』
『かずのお兄ちゃん結婚したんだよ!赤ちゃんが生まれたんだよ。お祝いに行ったら、赤ちゃんの数字が減ってた。…ちゃんとおじさんと話もしたし、死神の瞳のこともおじさんわかっとる。赤ちゃんには生きして欲しかったから…』
『…じょうくん…』
『俺、やっぱ…かずやいないと楽しくない。どんなにモテモテでも…成績上がっても…何食べても美味しくなくて。それに、まだかずやと最後までえっちしてないしっ!!ちゃんと練習してあるから!!それに…これからは、ずっと…永遠に一緒にいれるから』
『…ばかじゃない?…俺の兄ちゃんの子…と?交換…』
『俺にとっては大切な人のお兄ちゃんの子も大切だから…』
かずやは涙いっぱい溜めて、俺をぎゅっと抱きしめた!
『もう、離れないっ!好きって毎日言ってやるから!!覚悟して!!』
『うん!ひとりは寂しかったから、気が済むまで言って!』
『俺結構、面倒くさいかもよ?それでもいい?』
『臨むところだ!!今度は俺がかずまをめっちゃ気持ちよくしてあげる!!』
右京が呆れ顔で
『…あの~俺、ここにいるんすけど…』
『あ…右京居た?』
しょうくんは右京と親しそうに話してて
『ほんとに、この人わがままだから大変でしたよ!!仕事はかずまさんから聞いて下さいね!!』
『まかせといて!!俺がしょうくんの教育係任された!!』
かずまが嬉しそうに言った。
こるから、俺たちは…
ずっと…ずっと…
永遠に一緒だ!
果たせなかった約束も全部叶えよう!
もう、ふたりが離れることはないのだから。
『ずっと一緒にいよう。』
『大好きっ!』
終わり
かずまside
俺は寿命を交換した特例ってやつで、永遠に死神として働くことになっている。
心残りがないと言えば嘘になるだろう。
しょうくんには幸せになってもらいたい…でも、できることなら、俺が幸せにしたかった。
それでも、生きててくれれば…それでいい。
しょうくんの幸せ、それだけを願う。
そして、今日も
『右京っ!今日の仕事終わったよ!』
『さすがっすね!仕事早いっす!!』
『もうあがってもいい?』
『あ~…』
右京はポケットから長い鎖の付いた懐中時計を取り出して
『…そろそろ…っすね。』
『ん?なにが?』
『もう少し待ってて下さい!!』
死神の先輩の右京とは名前で呼び合う程に仲良くなっていた。人間だった頃と何も変わらない。
ここは、天国でもなければ地獄でもない…。
人の死を管理しているだけ。
ちゃんと寿命通りに死が来たのか?寿命が間違っていないか?…そして、寿命の交換も管理していた。
最近右京が頻繁に人間世界へ行っている。なにか特別な案件があるのだろう。
カチカチっと、右京の懐中時計の音だけが流れてた。
『俺…もう…帰っても…いい?』
その時だった
『かずまっ!!』
『かずまっ!!かずまっ!!』
一瞬耳を疑った。
間違えるはずがない…
そして、こんなところで聞こえるはずがない…
いや、聞こえたらだめなやつ!!
でも、声のする方を向くと…
間違いなく…
『…しょう…くん…』
それは紛れもなく、俺の大好きなしょうくんだった。
死神になって何度か人間界へ降りて、しょうくんの様子を盗み見た。
生きていることを確認しただけ、それ以上しょうくんを見てしまったら、未練が残ってしまうからと、その姿をひと目見ただけ。
でも、今…目の前にいるのは…
紛れもなく…
『…しょうくんっ…ほんとに?…ほんとのほんとにしょうくんなの?』
しょうくんが俺に抱き着いて
『逢いたかったっ!!ずっと、逢いたかったっ!!』
『…なんで…?…なんでここに?…ここに…来たってことは…』
『ごめんっ…でも、聞いて!!ちゃんと生きてた!
かずまにもらった命だったから…。でも、やっぱりお前がいないと…幸せになれない。…お前の大切な人の命と交換したから、それならいい?』
『…しょうくん……なんで…』
『かずのお兄ちゃん結婚したんだよ!赤ちゃんが生まれたんだよ。お祝いに行ったら、赤ちゃんの数字が減ってた。…ちゃんとおじさんと話もしたし、死神の瞳のこともおじさんわかっとる。赤ちゃんには生きして欲しかったから…』
『…じょうくん…』
『俺、やっぱ…かずやいないと楽しくない。どんなにモテモテでも…成績上がっても…何食べても美味しくなくて。それに、まだかずやと最後までえっちしてないしっ!!ちゃんと練習してあるから!!それに…これからは、ずっと…永遠に一緒にいれるから』
『…ばかじゃない?…俺の兄ちゃんの子…と?交換…』
『俺にとっては大切な人のお兄ちゃんの子も大切だから…』
かずやは涙いっぱい溜めて、俺をぎゅっと抱きしめた!
『もう、離れないっ!好きって毎日言ってやるから!!覚悟して!!』
『うん!ひとりは寂しかったから、気が済むまで言って!』
『俺結構、面倒くさいかもよ?それでもいい?』
『臨むところだ!!今度は俺がかずまをめっちゃ気持ちよくしてあげる!!』
右京が呆れ顔で
『…あの~俺、ここにいるんすけど…』
『あ…右京居た?』
しょうくんは右京と親しそうに話してて
『ほんとに、この人わがままだから大変でしたよ!!仕事はかずまさんから聞いて下さいね!!』
『まかせといて!!俺がしょうくんの教育係任された!!』
かずまが嬉しそうに言った。
こるから、俺たちは…
ずっと…ずっと…
永遠に一緒だ!
果たせなかった約束も全部叶えよう!
もう、ふたりが離れることはないのだから。
『ずっと一緒にいよう。』
『大好きっ!』
終わり
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