王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

文字の大きさ
55 / 425
第1章

前世の約束その名は指切り

しおりを挟む

びっくりして固まってしまったけど、一向にとーさまは顔を上げてくれない。


「と、とととーさま…お、お顔…お顔上げてください。」

とーさまを、この家のトップを何時までも頭下げさせる訳にはいかないと、とりあえず頭を上げるようにお願いする。


「ぼ…僕の言ってること可笑しいことだって分かってます。僕もさっきやっと自分がどんな思いを感じていて…どんなじょーたいであったのかをりかいしました。」

とーさまは何度も僕に危ないことはするなと注意してくれたし、どーして注意するのかもきちんとお話してくれてた。

そんなとーさまの言葉を分かっているふりをして、心の底では捻くれた僕がどうでもいいと笑ってた。



とーさまがあれほどお怒りになることは、決して間違ったことでは無いし当然であると思う。


「父上は少し大人気なかったですし、ルナイスは人格が分離していたという解釈で合っているのならばちょっとした病だったわけだ。ルナイスが勇気をだしてお話してくれた今日きちんと話し合う必要があるかと思います。」


にぃ様はハキハキといつもより饒舌だ。

きっと謝罪のし合いを初めそうな僕ととーさまを止めてくれたんだな。





「そうだな。アドルファスありがとう。」


とーさまは少し恥ずかしそうににぃ様にお礼を言って最初に座った1人がけのソファに座った。


「では…ルナイス、他に私達に伝えておきたいことはあるか?」

チラッと後ろにいるノヴァを見ていたらとーさまから声を掛けられて慌てて正面を向く。



「えっと…今のところは思いつかないです。」


「よし、ならば何かあれば些細なことでも私かアドルファスに報告すること。約束できるか?」


「はい。」



約束ときいて反射的に出してしまった小指をとーさまやにぃさまが不思議そうに見た。

なんだそれは?という言葉が聞こえてきほうなお顔に苦笑いがこぼれる。



「昔のくせです。」

忘れてくださいと手を後ろに隠した。

無意識に前世の習慣がでてしまうのは、打ち明けた後だからこそ余計に恥ずかしい気がする…。





「ルナイス、とーさまは今のにとても興味がある。教えてくれないか?」


とーさまは手を隠してモジモジしている僕に容赦なく聞いてきた。

気を使われて?と思ってチラッととーさまのお顔を見ると、全然気を使われての言葉でなかったことが分かる。


本当に興味だけだ。



チラッとにぃ様の方を見てみれば無言で無表情のいつものお顔のにぃ様だけれど、こちらも興味深く僕を見ているのが伝わってくる。


最後にノヴァに助けを求め振り返るが、こちらからはやれとの指ピンの司令がだされた。




「…えっと…これは前世のやつですので。」

「分かっている。」


やんわりと逃げようとしたがとーさまにより瞬殺それた。


「…約束の…約束の指切りっていうおまじないです。約束をちがえた時には針を千本飲み込ませるぞっていうせいやくのようなものでもあった気がします…たぶん。」


前世の僕は指切りのことなんて詳しく知らずに文化だから自然とやってた。

改めて口にしてみるとなかなかである…。




とーさま、にぃ様、ノヴァの顔も引き攣っている。


「…なかなか過激な世界だったのだな。」


「ぼ、僕が生きてた時代は平和でしたよ!」



日本だったし余計に。

僕が生きた時代よりも昔は拷問で色々えぐいものがあったので言われてみれば過激な世界であったのかもしれない。



「ちなみに飲まされたことは?」


「ないです!」



さすがにそこまで悲惨な人生じゃなかったよ!

にぃ様の質問には誤解を与えないよう即答した。





「指切りというのは?切るのか?」


「じ、じっさいには切っていませんよ。小指をからめて「指切った」ていう決まり文句で離すんですけど…その時の動き?ん?…よく分かんないですけど切りませんので。」



自分の両手の小指を絡めて実演してみるけど、説明難しい…。

取り敢えず言葉は怖いけど、実際にはやらないよーっと必死に伝えておいた。



しおりを挟む
感想 57

あなたにおすすめの小説

記憶を無くしたら家族に愛されました

レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない… 家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…

私をいじめていた女と一緒に異世界召喚されたけど、無能扱いされた私は実は“本物の聖女”でした。 

さら
恋愛
 私――ミリアは、クラスで地味で取り柄もない“都合のいい子”だった。  そんな私が、いじめの張本人だった美少女・沙羅と一緒に異世界へ召喚された。  王城で“聖女”として迎えられたのは彼女だけ。  私は「魔力が測定不能の無能」と言われ、冷たく追い出された。  ――でも、それは間違いだった。  辺境の村で出会った青年リオネルに助けられ、私は初めて自分の力を信じようと決意する。  やがて傷ついた人々を癒やすうちに、私の“無”と呼ばれた力が、誰にも真似できない“神の光”だと判明して――。  王都での再召喚、偽りの聖女との再会、かつての嘲笑が驚嘆に変わる瞬間。  無能と呼ばれた少女が、“本物の聖女”として世界を救う――優しさと再生のざまぁストーリー。  裏切りから始まる癒しの恋。  厳しくも温かい騎士リオネルとの出会いが、ミリアの運命を優しく変えていく。

姉の代わりに舞踏会に行ったら呪われた第三王子の初恋を奪ってしまった

近井とお
BL
幼少期、ユーリは姉によく似ていることから彼女の代わりに社交の場に出席することが多々あった。ある舞踏会の夜、中庭に姿を眩ませたユーリに誰かがぶつかってくる。その正体は呪われていると噂の第三王子であったが、ぶつかられたことに腹を立てたユーリは強気に接し、ダンスを踊った後、彼を捜している気配を感じてからかいながら立ち去る。 それから数年後、第三王子は初恋の令嬢を探し始めたが、それはユーリに違いなく……。 初恋の相手を捜す第三王子×軽口令息

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

母は何処? 父はだぁれ?

穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。 産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。 妹も、実妹なのか不明だ。 そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。 父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。 母は、どこへ行ってしまったんだろう! というところからスタートする、 さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。 変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、 家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。 意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。 前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。 もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。 単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。 また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。 「小説家になろう」で連載していたものです。

婚約破棄されて捨てられた精霊の愛し子は二度目の人生を謳歌する

135
BL
春波湯江には前世の記憶がある。といっても、日本とはまったく違う異世界の記憶。そこで湯江はその国の王子である婚約者を救世主の少女に奪われ捨てられた。 現代日本に転生した湯江は日々を謳歌して過ごしていた。しかし、ハロウィンの日、ゾンビの仮装をしていた湯江の足元に見覚えのある魔法陣が現れ、見覚えのある世界に召喚されてしまった。ゾンビの格好をした自分と、救世主の少女が隣に居て―…。 最後まで書き終わっているので、確認ができ次第更新していきます。7万字程の読み物です。

マリオネットが、糸を断つ時。

せんぷう
BL
 異世界に転生したが、かなり不遇な第二の人生待ったなし。  オレの前世は地球は日本国、先進国の裕福な場所に産まれたおかげで何不自由なく育った。確かその終わりは何かの事故だった気がするが、よく覚えていない。若くして死んだはずが……気付けばそこはビックリ、異世界だった。  第二生は前世とは正反対。魔法というとんでもない歴史によって構築され、貧富の差がアホみたいに激しい世界。オレを産んだせいで母は体調を崩して亡くなったらしくその後は孤児院にいたが、あまりに酷い暮らしに嫌気がさして逃亡。スラムで前世では絶対やらなかったような悪さもしながら、なんとか生きていた。  そんな暮らしの終わりは、とある富裕層らしき連中の騒ぎに関わってしまったこと。不敬罪でとっ捕まらないために背を向けて逃げ出したオレに、彼はこう叫んだ。 『待て、そこの下民っ!! そうだ、そこの少し小綺麗な黒い容姿の、お前だお前!』  金髪縦ロールにド派手な紫色の服。装飾品をジャラジャラと身に付け、靴なんて全然汚れてないし擦り減ってもいない。まさにお貴族様……そう、貴族やら王族がこの世界にも存在した。 『貴様のような虫ケラ、本来なら僕に背を向けるなどと斬首ものだ。しかし、僕は寛大だ!!  許す。喜べ、貴様を今日から王族である僕の傍に置いてやろう!』  そいつはバカだった。しかし、なんと王族でもあった。  王族という権力を振り翳し、盾にするヤバい奴。嫌味ったらしい口調に人をすぐにバカにする。気に入らない奴は全員斬首。 『ぼ、僕に向かってなんたる失礼な態度っ……!! 今すぐ首をっ』 『殿下ったら大変です、向こうで殿下のお好きな竜種が飛んでいた気がします。すぐに外に出て見に行きませんとー』 『なにっ!? 本当か、タタラ! こうしては居られぬ、すぐに連れて行け!』  しかし、オレは彼に拾われた。  どんなに嫌な奴でも、どんなに周りに嫌われていっても、彼はどうしようもない恩人だった。だからせめて多少の恩を返してから逃げ出そうと思っていたのに、事態はどんどん最悪な展開を迎えて行く。  気に入らなければ即断罪。意中の騎士に全く好かれずよく暴走するバカ王子。果ては王都にまで及ぶ危険。命の危機など日常的に!  しかし、一緒にいればいるほど惹かれてしまう気持ちは……ただの忠誠心なのか?  スラム出身、第十一王子の守護魔導師。  これは運命によってもたらされた出会い。唯一の魔法を駆使しながら、タタラは今日も今日とてワガママ王子の手綱を引きながら平凡な生活に焦がれている。 ※BL作品 恋愛要素は前半皆無。戦闘描写等多数。健全すぎる、健全すぎて怪しいけどこれはBLです。 .

処理中です...