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第1章
ついに打ち明ける
ノヴァに手を引いてもらいながらまずはにぃ様のお部屋に。
コンコンとノックをするとレオが扉を開けてくれた。
レオは事情を知っているのか少し心配そうに僕を見てくれたけど、大丈夫だと頷いてみせれば口角を少し上げて笑ってくれた。
「ルナイス。」
部屋に入った僕を見てにぃ様は少し気まずそうに僕の名前を呼んだ。
さっきの今なのでにぃ様の気まずさはよく分かる。
「にぃ様…お話、聞いてほしいです。」
自分で思っている以上に緊張しているのか、僕の声は掠れてしまったけど…何とか要件を伝えることができた。
「…父上もお呼びしよう。」
にぃ様は僕の様子に察してくれたのか、レオにとーさまを呼んでくるように指示を出し、僕をソファに座らせ自身は反対側のソファに座った。
何か話した方がいいのかもしれないけれど、今の僕にはにぃ様にどんな声をおかけすればいいのかまったく分からないし正直これからお話する内容にドキマギしていてそれどころじゃない。
にぃ様と居てこんなに気まずい空気を感じるのは初めてだ。
ソファの後ろの離れた所にある椅子に座っているノヴァを振り返れば大丈夫だという風に頷いてくれた。
コンコン
ノックの後開かれた扉にはとーさまの姿。
チラっと僕を目にしてすぐににぃ様に促された一人席のソファに座る。
座ったとーさまは腕を組んで目を瞑り、僕のことを絶対に視界に移さない姿勢だ。
そんなとーさまの様子に思わず尻込みしてしまい、口が震えて上手く話しだせない。
焦れば焦るほど口がどんどん開かなくなってしまって冷や汗がダラダラと流れ落ちる。
「ルナイス、お話があるのだろう。」
そんな僕を見かねたにぃ様がシーンと静まった空気を壊す様に声を掛けてくれた。
「ぁ…ぁあ、あの……」
「はぁ…話ができないようなら私は戻らせてもらう。」
あの…から言葉が続かない僕にとーさまは重たい溜息を吐き出して立ち上がってしまう。
体から一気に血の気が引いて、握りこんだ掌は爪が刺さって血が滲みだしているけど痛みをまったく感じない。
あぁ…とーさまはもう僕のことがどうでもよくなってしまったのだろうか。
何度も注意をされていたのに守らず、今も忙しいにぃ様ととーさまを呼びだしておいて話し出さない僕にほとほと呆れてしまったに違いない。
「父上。まだルナイスの話を何一つ聞いていません。ご着席願います。」
部屋を出て行こうとするとーさまににぃ様が低い声で言った言葉に驚いて俯いていた顔を上げる。
にぃ様は僕を見て静かに座っていて、とーさまは動きを止めて扉の前に居る。
「僕はルナイスの話を聞きたいです。こうして勇気を出して話をしに来てくれたのですから。」
ピリピリした空気にゴクリと唾を飲み込む。
まさか僕のせいでにぃ様ととーさまも気まずい空気になるなんて…。
「ルナイスの話を聞きたいから父上もわざわざ此処に来たのではないですか?」
にぃ様の言葉に立ち止まっていたとーさまはふんっと鼻を鳴らし、扉に近い所の椅子に腰掛けてまた腕を組み目を閉じた。
にぃ様のおかげでとーさまは部屋を出ずにいてくれたけど、空気は最悪。
次こそはきちんとお話しなくちゃ。
「と…とーさまたちからの…注意を、何度も聞かなくて…ご、ごめんなさい。」
まずは謝罪からっと頭を下げる。
これに対して期待はしていなかったけど、やっぱりとーさまとにぃ様からの反応はない。
「あ…あの……わざ…わざとじゃなくて!…わざとじゃないん、です……忘れちゃうんです。僕が傷ついたり…死んでしまって、とても悲しむ人が…いるって…忘れるんです。」
これだけ言われても上手く伝わらないって分かっている。
黙ってきいていたにぃ様ととーさまが困惑しているのが表情から伺える。
「僕には…ルナイスとして産まれてくる前の記憶があります。」
僕のこの言葉には前話しに出たことがあったので二人から特別驚いた様子はない。
それから僕はノヴァに話した昔の僕の話をとーさまとにぃ様にした。
今までは昔の僕としての感情や思考が大きくて、僕とルナイスとの意識が分裂していた為に僕に何かあって悲しむような人がいるだなんて信じられなくて…無意識にその現実を忘却していた。
後で叱られてやっと思い出して…でもその心配や思いはルナイスに向けたものであって昔の僕には関係ないって思っている僕もいて…
でもノヴァと先ほど話して、やっと昔の僕と今の僕がひとつになった感覚があったこと、すべて話し終える頃にはこんな話をノヴァは信じてくれたけど、とーさまやにぃ様は信じて受け入れてくれるだろうかっと不安な気持ちが大きくなり顔を上げることができなかった。
「ルナイス。」
俯く僕の名前を呼んだのはとーさま。
「お前には前世の記憶があるのではないかとは予測していた。しかし…私はそのことを軽く考えていた。前世の記憶があろうがなかろうが目の前に存在しているルナイスに変わりはない、のだと。」
とーさまは喋りながらゆっくりと僕の所へ歩いてきて、僕の前に辿り着くと膝を折って僕の前にしゃがみこんでしまった。
アワアワする僕の手を取って、爪が食い込んで血が滲んでいるところに浄化魔法をかけて綺麗な白いハンカチで包んでくれる。
「ルナイスが抱える苦悩を考えることもせず、𠮟りつけ、先ほども大人げなく話も聞かず部屋を出ようとしてすまなかった。」
とーさまはそう言って深く頭を下げた。
_____________
(重要なお知らせ)
お話の途中にすみません。
いつもならば近況のほうに載せるのですが、ストーリーに関わることだったのでこちらにて失礼します。
実はあらすじにてアーバスノイヤー家は近衛騎士の一族としておりましたが、バカな作者はその設定を忘れておりました。
分かる範囲ではなおしたのですが、どこかおかしなところがありましたらコメントくださるととても助かります。すみません。
ちなみに王国騎士さんが出てきておりますが、王国騎士さんよりも近衛騎士さんの方が位が高い設定です。
コンコンとノックをするとレオが扉を開けてくれた。
レオは事情を知っているのか少し心配そうに僕を見てくれたけど、大丈夫だと頷いてみせれば口角を少し上げて笑ってくれた。
「ルナイス。」
部屋に入った僕を見てにぃ様は少し気まずそうに僕の名前を呼んだ。
さっきの今なのでにぃ様の気まずさはよく分かる。
「にぃ様…お話、聞いてほしいです。」
自分で思っている以上に緊張しているのか、僕の声は掠れてしまったけど…何とか要件を伝えることができた。
「…父上もお呼びしよう。」
にぃ様は僕の様子に察してくれたのか、レオにとーさまを呼んでくるように指示を出し、僕をソファに座らせ自身は反対側のソファに座った。
何か話した方がいいのかもしれないけれど、今の僕にはにぃ様にどんな声をおかけすればいいのかまったく分からないし正直これからお話する内容にドキマギしていてそれどころじゃない。
にぃ様と居てこんなに気まずい空気を感じるのは初めてだ。
ソファの後ろの離れた所にある椅子に座っているノヴァを振り返れば大丈夫だという風に頷いてくれた。
コンコン
ノックの後開かれた扉にはとーさまの姿。
チラっと僕を目にしてすぐににぃ様に促された一人席のソファに座る。
座ったとーさまは腕を組んで目を瞑り、僕のことを絶対に視界に移さない姿勢だ。
そんなとーさまの様子に思わず尻込みしてしまい、口が震えて上手く話しだせない。
焦れば焦るほど口がどんどん開かなくなってしまって冷や汗がダラダラと流れ落ちる。
「ルナイス、お話があるのだろう。」
そんな僕を見かねたにぃ様がシーンと静まった空気を壊す様に声を掛けてくれた。
「ぁ…ぁあ、あの……」
「はぁ…話ができないようなら私は戻らせてもらう。」
あの…から言葉が続かない僕にとーさまは重たい溜息を吐き出して立ち上がってしまう。
体から一気に血の気が引いて、握りこんだ掌は爪が刺さって血が滲みだしているけど痛みをまったく感じない。
あぁ…とーさまはもう僕のことがどうでもよくなってしまったのだろうか。
何度も注意をされていたのに守らず、今も忙しいにぃ様ととーさまを呼びだしておいて話し出さない僕にほとほと呆れてしまったに違いない。
「父上。まだルナイスの話を何一つ聞いていません。ご着席願います。」
部屋を出て行こうとするとーさまににぃ様が低い声で言った言葉に驚いて俯いていた顔を上げる。
にぃ様は僕を見て静かに座っていて、とーさまは動きを止めて扉の前に居る。
「僕はルナイスの話を聞きたいです。こうして勇気を出して話をしに来てくれたのですから。」
ピリピリした空気にゴクリと唾を飲み込む。
まさか僕のせいでにぃ様ととーさまも気まずい空気になるなんて…。
「ルナイスの話を聞きたいから父上もわざわざ此処に来たのではないですか?」
にぃ様の言葉に立ち止まっていたとーさまはふんっと鼻を鳴らし、扉に近い所の椅子に腰掛けてまた腕を組み目を閉じた。
にぃ様のおかげでとーさまは部屋を出ずにいてくれたけど、空気は最悪。
次こそはきちんとお話しなくちゃ。
「と…とーさまたちからの…注意を、何度も聞かなくて…ご、ごめんなさい。」
まずは謝罪からっと頭を下げる。
これに対して期待はしていなかったけど、やっぱりとーさまとにぃ様からの反応はない。
「あ…あの……わざ…わざとじゃなくて!…わざとじゃないん、です……忘れちゃうんです。僕が傷ついたり…死んでしまって、とても悲しむ人が…いるって…忘れるんです。」
これだけ言われても上手く伝わらないって分かっている。
黙ってきいていたにぃ様ととーさまが困惑しているのが表情から伺える。
「僕には…ルナイスとして産まれてくる前の記憶があります。」
僕のこの言葉には前話しに出たことがあったので二人から特別驚いた様子はない。
それから僕はノヴァに話した昔の僕の話をとーさまとにぃ様にした。
今までは昔の僕としての感情や思考が大きくて、僕とルナイスとの意識が分裂していた為に僕に何かあって悲しむような人がいるだなんて信じられなくて…無意識にその現実を忘却していた。
後で叱られてやっと思い出して…でもその心配や思いはルナイスに向けたものであって昔の僕には関係ないって思っている僕もいて…
でもノヴァと先ほど話して、やっと昔の僕と今の僕がひとつになった感覚があったこと、すべて話し終える頃にはこんな話をノヴァは信じてくれたけど、とーさまやにぃ様は信じて受け入れてくれるだろうかっと不安な気持ちが大きくなり顔を上げることができなかった。
「ルナイス。」
俯く僕の名前を呼んだのはとーさま。
「お前には前世の記憶があるのではないかとは予測していた。しかし…私はそのことを軽く考えていた。前世の記憶があろうがなかろうが目の前に存在しているルナイスに変わりはない、のだと。」
とーさまは喋りながらゆっくりと僕の所へ歩いてきて、僕の前に辿り着くと膝を折って僕の前にしゃがみこんでしまった。
アワアワする僕の手を取って、爪が食い込んで血が滲んでいるところに浄化魔法をかけて綺麗な白いハンカチで包んでくれる。
「ルナイスが抱える苦悩を考えることもせず、𠮟りつけ、先ほども大人げなく話も聞かず部屋を出ようとしてすまなかった。」
とーさまはそう言って深く頭を下げた。
_____________
(重要なお知らせ)
お話の途中にすみません。
いつもならば近況のほうに載せるのですが、ストーリーに関わることだったのでこちらにて失礼します。
実はあらすじにてアーバスノイヤー家は近衛騎士の一族としておりましたが、バカな作者はその設定を忘れておりました。
分かる範囲ではなおしたのですが、どこかおかしなところがありましたらコメントくださるととても助かります。すみません。
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