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第2章
地獄の自己紹介
しおりを挟む登校日2日目。
今日もにぃ様と馬車に揺られて登校した。
学園に到着してすぐに感じた違和感。
昨日向けられていた不躾な視線がほとんどなくなっている。
チラッチラッと見てくる生徒はいるけれど、鋭くて嫌な視線はなくなっている。
にぃ様を見上げれば、にぃ様は「もう気にしなくて良さそうだな。」と笑った。
何を?とか分からないことは沢山あるけれど、にぃ様が笑っているから大丈夫ってことだろうと解釈する。
今日はもう気にしなくていいからなのか、にぃ様とは下駄箱付近でお別れ。
にぃ様は上学年なので、下学年の僕の校舎とは大分離れているのだけど、わざわざ下学年の校舎の近くまで来てくれるので甘やかされているなぁっと改めて感じる。
教室の前で今度はヨハネスともお別れ。
「友人づくり頑張って下さい」と言われて、うむっと頷いてみせたけど、教室に入った瞬間「無理め」とつい呟いてしまった。
何故なら教室に入った僕を見るなり、皆がさっと目を逸らしたからだ。
いじめか?入学2日目で?
とりあえず、教室の後ろにある自身のロッカーの中に荷物をしまい、指定されている自分の席に着席してみる。
僕が教室に入るまでは楽しくお話していたんだろう周りが今はこそこそっと小さな声しかださない。
この空気、どうしたらいいの?とついにぃ様に縋りたくなるけれど…ぐっと我慢。
ガラッ
「朝礼をします。席に着いてください。」
そんな空気の中教室に現れたグリシャム先生のお陰で皆が動き出して少しだけ空気が和らいだ。
「まずは1人ずつ自己紹介をして頂いて出席をとっていきます。名前の他に好きなこと、嫌いなもの、伝えておきたいこと等一言お願いしますね。」
グリシャム先生のそんな言葉に生徒からは 不満の声が上がる。
「面倒臭」
「恥ずかしいよ」
などと声が上がる教室はグリシャム先生の一声でしんと静まり返る。
「この無駄な時間が面倒で、声を上げて得意気な顔をしていることが恥ずかしいことです。はい、チャチャと始めてください。そこの席から順番に。」
なかなか辛辣である。
8歳の子供に容赦ない。
声を上げていた子たちは顔を青ざめさせたり、赤くしたり…しかし誰もそれ以上声を上げることなく気まずい空気の中地獄の自己紹介がはじまった。
「テトラ・ハデス。強くなるためにこの学園に来た。都心からは離れている所で育ったので都心のルールがまだよく理解できていないかもしれない。その時は遠慮せず言って貰えると助かる。以上。」
微妙な空気をものともせず自己紹介を終えたテトラ・ハデス君。
ハデス辺境伯のご子息なのだろうな。
たまーにとーさまの口からハデス辺境伯様の名前が出ることがあるからまったく知らないお家って訳でもない。
僕がハデス辺境伯当主様にお会いしたことはないけど…。
テトラ様の自己紹介で皆が気を取られていたけど、直ぐにグリシャム先生に促されて次々と自己紹介が進んでいく。
そして遂に僕のターン。
「ルナイス・アーバスノイヤーです。友人を募集中です。よろしくお願いします!」
うん。
ここで募集中だと宣言すれば、ウェルカム感あって話しかけやすくなったでしょ。
そう思ったのだけど、なんか皆顔逸らす。
失敗したかもっと思いながら着席して、直ぐに後ろの席の子が自己紹介を始める。
とーさま、にぃ様…友人ができるのはまだまだ先かもしれません。
_____________
しばらく更新が空いてしまったので、2ページ更新いたしました。
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