王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第4章

ノヴァの複雑な優しい魔法

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夕食を終え、一晩経ち…




「ルナイス一体何をした。」


早朝獣人領にやってきたテトラ君から厳しい視線を言葉を向けられている僕。

ちなみにノヴァは双子と最終確認をしに訓練施設へ行っているらしい。






テトラ君はどうやら此処に到着する前に使いの者から僕達のせいで地面が抉れたのでご注意下さいと言われていたらしい。


昨日のうちにノヴァが直したからボコボコだった地形はちょっと不自然なくらいまっすぐな雪道になっているので馬車で来るのに支障はなかった様子だけど、人の領地で好き勝手しすぎだと叱られた。




相変わらず正論パンチが強い。

ぐぅの音もでません。








テトラ君と改めてヴォルカンさんに謝罪をして僕はテトラ君と朝食をとることにした。


「すぐにハデス領へ向かってもいいが…どうする?」


「んー…貴重な獣やキメラ種を見てみたいんだけど。」


「あぁ。それなら黒煙の森が一番色んなのが出るが…獣人領とハデス領の間にある名のない森がある。」



名のない森?

聞いたことのない情報に首を傾げるとテトラ君はそのまま誰にも何とも呼ばれてない森のことだと説明してくれた。





「獣やキメラ種が定期的に森の中のどこかから湧いてくる。」


「…それ、大丈夫なの?」



「対処可能な範囲ではあるし、森からは絶対に出てこないしな。」




森からは出てこないってことは…何か結界的なものがあるんだろうか?

でもあったとしてもそれを仕込んだのは獣人でも人でもない。




そんなの気になって仕様がないよね。







ノヴァの用事が終わって戻ってきたら出発することに決め、皆に移動の準備をしてもらう。

僕は特にやることないので、テトラ君のお茶…と思っていたのにテトラ君は目を爛々と輝かせてヴォルカンさんと打ち合いに行ってしまった。



まぁ…思ってたよりも獣人との関係が良好でよかったよ。

これでまた西のみたいに面倒なことになったら僕はもう引き籠ったに違いない。










結局その日はノヴァもテトラ君も日が暮れてやっと帰ってきたので、もう一日獣人領にお邪魔させてもらうことになった。



ノヴァはすまないと謝ってくれたけれど、突然決まったことだし仕方ない。

だけどテトラ君は知っていたのに帰ってこなかった。



しかも全然謝る気なし。


ムカついたので重力魔法で歩きづらく、そして寝苦しくしてやった。















そうしてやってきた翌日。


今日は朝から凄く雪が降っているが、昨日までが天気が良すぎたくらいで普段はこれくらい降るのだとか。

馬車の車輪と進む道を凍らせてソリのようにして走らせている。
とってもスリリング。


馬たちの足が寒くないのかなっと気になったけど、雪道に強い馬をつれてきているようで平気そうで安心した。




「ルナイス。寒くないか。」


「うん。ノヴァは?」


「大丈夫だ。」




僕達は厚着をしているけれど、やっぱり馬車の中で動いてないから寒くなってくる。

獣人領内は結界が施されて雪の影響を受けていなかったので、じっとしていても平気だったがやはり外は寒い。



お互いの手を握って暖を取っている僕達だけど、向かいに座っているテトラ君は平気なお顔。





「テトラ君寒くないの?」


「あぁ。服の中に炎鳥エンチョウの羽で作られた服を着ているから平気だ。ルナイス達にも持ってきてたが渡すのを忘れていた。」



そういえばっとさらっと言うテトラ君にノヴァの眉尻がピクリと動いたのを僕は見た。

たぶん忘れていたじゃねーよと思っているに違いない。




しかしふむっと一瞬考える素振りを見せたノヴァは、僕の服に触れ魔法を展開した。

なんだろうなぁっと思った次の瞬間にはもう体がぽっかぽか。





「炎と氷と風魔法を組み合わせて服の繊維に展開した。暑すぎたり、冷たかったりしないか?」


思ったより複雑な魔法を使ったらしいノヴァに驚きながらも問題なく適温であることを伝えてお礼を言う。

ノヴァも自分の衣服に魔法を施すと僕達に断ってから馬車の小窓を開け近くを馬で並走していたヨハネスと真剣な顔で話し始めた。


順番に使用人達が馬車の近くにやってくるので、恐らく彼等にも魔法を施しているのだろう。

僕の伴侶はクールなようで僕よりもうんと優しい人なのだ。




ホルス様は小型ドラゴンの姿で飛んでいるが、全く寒くないらしい。

ドラゴンの皮膚は分厚いから暑さや寒さに強いんだって。素敵。








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