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第4章
色んな爆弾を落として寝ようとする猪
しおりを挟むえ?まだ用事あるの?しんどいんですけど?
という顔で僕を見てきた神獣改め死霊獣に「当たり前だろ!」と心の中で突っ込みながら眠らないように声を張り上げる。
「まず、何勝手にノヴァに記憶渡してるの!ほいほい事を進めて自己完結しないで!」
『有力な情報だぞ?いらなかったのか?』
「要ります!要りますけど!記憶の譲渡何てそんな負荷が大きいことを本人の許可なくやるなって言ってるの!」
『要るのなら問題ないではないか。それに吾輩はきちんと人と魔族の子なら大丈夫であると判断した上で記憶を渡したのだ。』
怒る僕に冷静に返す死霊獣の目は可哀想なやつを見る目なのが解せん。
どうして僕が駄々をこねている子供のような扱いなのだ!
「ルナイス、大丈夫だ。彼のおかげでまったく掴めなかった犯人像を掴むことができた。」
「んぐ…でもぉ…」
『はぁー…まぁ番が害されたとなれば怒るのも無理ないか。吾輩が悪かった。』
「っ…声を荒げてすみませんでした。」
どーどーっとノヴァにあやされたうえ、死霊獣に謝罪され、声を荒げていた自分が何だか恥ずかしくなって僕も謝る。
他にも僕が無意識に彼に行使した魔法が死者蘇生なことも、その魔法を知っていることも聞きたいことは沢山あるけれど…今は聞ける空気じゃない。
『あぁ、そうだ。龍神の子よ。死者蘇生の術は術者にも大きな負担がかかるうえ、世の理に反する。極力使わぬほうがいいだろう。』
「待て。寝るな。」
思い出したようにポツリと僕に注意を促し再び眠ろうとする死霊獣を呼び起こしたのは、ノヴァ。
「術者の負担とはなんだ。見たところ身体に異常はないようだが…ルナイス無理をしているのか。」
『死者蘇生っていうのは大量の力を失い、理に反した罰が下る。なんの罰が下されるかは知らん。神の機嫌を損ねれば命を失う罰が与えられることも過去あったのでな、気をつけよ。』
僕の全身をパンパン叩いて確認するノヴァに何ともないと告げ落ち着かせていたら、何か物騒なこと言われた。
世話しなく動いていたノヴァも動きを止めて固まっている。
「命を失う罰?」
『今回は神獣の吾輩を救ったのだ。そのような罰が下ることはないだろう。安心せい。』
のほほーんとしている死霊獣に安心できるわけないだろっと口には出さず突っ込む。
「あの時君はまだ死んではなかったのに死者蘇生の魔法が成立したのはなぜですか?」
『其方が魔法を行使している間に死にそして生き返った。死者蘇生は死んで時間の経ったものまでは蘇生できぬ。それは神ですら許されておらん行為でいくら加護持ちの子であろうとただの人の子にそんな術は使えん。蘇生できるのは死んで数秒のものだけだ。』
「なるほど。」
『もう良いか?吾輩は寝るぞ?』
自分が行使した術について何となく理解したところで、もう耐えられないという様子で死霊獣が寝る体制を取る。
「ねぇ、行く宛がないのなら僕達と来てみませんか?」
そんな寝る体制を取った死霊獣に提案するとチラッと片目だけ瞼が持ち上げられた。
「今僕達は貴方を傷つけた輩共を追っています。自らの力で痛い目に合わせてやりたいと思いませんか。」
僕の呼びかけに死霊獣の瞼がぴくぴくっと動く。
どうやら僕の思惑通り、この話に興味を持ってくれているらしい。
「輩共の狙いは東の地にあると予測しているのです。人の手だけでは」
『何?東の地だと?』
僕の言葉を遮った死霊獣はカッカッカという音を鳴らしてその巨体を起こした。
纏う雰囲気が一気に変わり、彼が怒っていることをひしひしと感じる。
『なるほど…だから龍神の子が動いているのか。東の地は決して穢されてはならん!』
ブフーと吐き出された鼻息で髪や服がひっくり返る。
そして彼は大きな勘違いをしている。
僕は龍神様に頼まれて此処にいるのではない。
神殿には来なさいよっとは言われているが…
「…力を貸してくれますね?」
『無論!』
よく分からないが、のんびり屋そうな彼が怒りを露わにしやる気をだしたところで確認をすれば先ほどまでとは打って変わってハキハキとした力ある返事が貰えたので良しとしよう。
戦力ゲット。
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