王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第5章

国王様激怒VS冷静な臣下たち

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結局、騒いでいた他の国はアマ国王がアーナンダ国王から誓約書を受け取り今回の件にケリをつけたことで自分達が劣勢になったと判断したのか同じように誓約書を大人しく受け取ることで会議は終わりを迎えた。


敵になっても問題ない国だけれど、お互い平和に過ごせるのならばそれに越したことはない。




「ルナイス・ウォード。今更だが私は獣人の国アマ国王ヤチホコという。今回はアーナンダ国と敵対するほど危険視をする必要は今のところなしと判断したが、不安要素がなくなったわけではない。ドラゴン達は自身の意思で動いているとお主は言うが、お主がきっかけでドラゴンが我等に牙を向く可能性はあるということをきちんと自覚しろ。そうでなければ、お主の大切に思う者を傷つける結果となるだろう」


別れ際、アマ国王改めヤチホコ様は僕の前に立ちそう言った。

僕がドラゴンを思いのままに扱っているわけではないことは理解したが、僕をきっかけにドラゴン達が動き出す可能性はあるその危険性はあるのだから、その辺りはきちんとしておけよっていう忠告だ。



わざわざ僕にそう言いに来てくれたのはきっとヤチホコ様も今回の件でキメラ魔獣やドラゴンが危険なばかりの生き物でないことを理解してくださったからだろう。

そして、彼らの可愛らしさに気が付いたのだろう。





「肝に銘じておきます。坊がヤチホコ様にご挨拶したいようです」


頭の中でニャンニャン鳴く坊を影から取り出して、ヤチホコ様の腕にぽいっとするとヤチホコ様は慌てた様子で坊を逞しい腕の中に抱きかかえた。




「…うむ。公にしていないが我が国にキメラ獣人が数名いる。その問題について先延ばしにしておったが…急いで彼等の処遇について話し合わねばならんな」


ニャンっと甘えるように頭をヤチホコ様の顎にすりつける坊にヤチホコ様は表情を和らげて、何か重要そうなことをぽろりと言った。


聞いてない。

僕は何も聞いていない。










ヤチホコ様も見送って、僕は国王様達と一緒の馬車に同乗させてもらって国際会議場から実家へと…






「…何故城に」


「それはお前が我等に断りもなく好き勝手したからだな」




実家へと送られるはずが、何故か僕は王城のクラージュ殿下の部屋に連行されている。

国王様も向かいの椅子にふんぞり返って座り、僕を座った目でじーっと見ているが何も言わないのがまた更に怖い。



「失礼します」

「失礼する」



国王&クラージュ殿下VS僕で睨み合っている部屋に訪れたのは宰相さんととーさま。

ここで僕、城に連行された理由を察する。






「さて…よくも私に黙って色々と仕組んでくれたな」


国王様の額に青い血管がムキッと浮かび上がることから、国王様がすごく怒っていることが伝わってくる。

しかし、そこは長年国王様に仕えてきた宰相さんととーさま。
動じる様子も、顔色も変えずに「それが?」と首を傾げている。




「今回は上手くいったから良いが、各国の王が集まる場にキメラ魔獣やらドラゴンやらを無許可で連れ込むなどあるえぬだろう!!聞けばそのことを知っている我が護衛は1人もおらず、アーバスノイヤー家の紛れ者が知っていただけだと!?不敬だ不敬!!」


バンバンと椅子の肘掛けを叩く国王様。

今回絶対許可もらえないだろうってことで、宰相さんととーさまにお話しして国王様に関してはお二人にまるなげしておいた結果、とーさま達は国王様に伝えないという選択をしたわけですが…確かに不敬すぎる気もする。



でも宰相さんは置いといて、とーさまは常日頃王家に仕える身でありながら王族への敬意など伺えない人だから今更感ある。







「上手くいったのだからいいでしょう?」


「国王が許可をしなかった場合の会議の失敗率の方が高いと判断したから伝えなかった。国王は事前に聞いていたら許可など出さなかっただろう?」



「だからと言って危険すぎるであろうが!魔獣やドラゴンが誰か少しでも傷つけてみろ!すぐ処分だ!もちろんルナイス・ウォードもな!!それからキメラ魔獣を飼育しているなどという報告は受けておらんぞ!」



「オスクロマオがキメラ魔獣であるというのは我々も最近気が付きましたので。故意に報告しなかったわけではありません」



「あー言えばこう言いよって!!」



「そのキメラのオスクロマオについては私も初耳でした。ドラゴンのことしか聞いていませんでしたよ。ルナイス・ウォード、後できちんと報告書の提出と飼育許可の取得をしなさい」




「はい」





激怒の国王様相手に冷静に言い返す宰相さんととーさま。

国王様も言葉から坊やパン、それから僕のこともすごく気にかけてくれていたんだなっと分かって、やっぱり悪い人じゃないよなっと思う僕。

宰相さんに坊のことは軽く叱られてしまったけれど、国王様は内に溜めていた鬱憤を全て吐き出せたのか段々と落ち着いてきて、額の青い血管も引っ込んだよう。






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