王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第5章

予算会議

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レッドドラゴンとヒュー様と共に城へ乗り込み、僕だけレッドドラゴンについての予算会議に参加することになった。

怒りの感情に任せて突撃したのだけど…城を壊すのはやりすぎたと反省している。
あれをされて困るのは何の罪もない城務めの者達だ。

あとで謝罪の品を送っておこう。






「まずレッドドラゴンに当てる資金調整が遅れたことについて説明しよう。今回レッドドラゴンの助力により国境付近の町村への被害は最小限に抑えられましたが、被害が零であったわけではありません。移住を余儀なくされた国民が数組おり、その者達の新たな住居と補助資金が早急に必要であったこと。そしてギルドとの関係で今回の戦に参加してもらった冒険者達への報酬を急がねばなりませんでした。そして、今回の戦で亡くなった者の遺族への弔慰金を支払うにあたって、亡くなった者の特定とリスト、それから遺品集めと遺族の特定に時間を要しました。そして今回国土に新たに加わったアイダオ領の整地は急務でした。その中で常時必要な国金とがあり騎士達への褒賞やレッドドラゴンの環境整備金の支給が遅れました。説明もなく先延ばしにしたことについては申し訳なく思っております」


席についてまず、宰相様が僕へどうしてレッドドラゴンや負傷騎士や騎士達への資金が後回しにされたのかを説明し、謝罪をした。



「お忙しいと思いますが、王国騎士団の騎士達への謝罪は僕ではなく彼等に直接なさってください。それからレッドドラゴンへの資金が後回しになった理由には納得しました。僕からレッドドラゴン達には念の為説明しておきます。それからレッドドラゴン達に必要な物のリストと予算を王国騎士団ときちんと相談してから来るべきでした。早急にリストを送りますのでよろしくお願いします」



レッドドラゴン達に予算が~とか説明してもあんまり理解してもらえそうにないけれど…一応説明しておこう。

あとは改善できそうなことは僕の方で取り合えずはどうにかするしかないか…。





「ご理解いただいたようで良かったです。そこでルナイス・ウォード殿。此処から優先すべきものは何だと思われますか?」


ニコっと笑って聞いてくる宰相様にそれを考えるのは貴方達の仕事でしょうっと言いたくなるが、彼は僕の無礼な襲撃に少々お怒りであることは察しているので、大人しく考えることにする。

僕もちょっとやりすぎたと思っています。











「とりあえずは、負傷騎士への慰安金は早急にご対応願いたい。これには騎士達だけでなく医療現場も困っています。その次にレッドドラゴン達の住まいとなる建物の建築。そして騎士達への褒賞金という順番がいいかと思います。騎士達よりも先にレッドドラゴン達に当てる理由として、多大なる恩栄を与えてもらったことへの感謝を示すということもありますが、レッドドラゴン達の不満が爆発したらせっかく落ち着いてきた国が再度荒れることになる危険性があるからです。それについては、僕の方から騎士団へ説明しようかと思います。また王国騎士団が主にレッドドラゴン達の世話をしていますが、近衛騎士団の中にもレッドドラゴンに好かれ共に戦う者がいると思いますので今後両騎士団に当てられる資金にドラゴンの世話代も含まれる必要があるかと思います」



頭の中で色々なことを高速で考えながら発言をする。

此処は国の重要人物達が集まる場だけれど、皆知り合いだし、僕の話を真剣に聞いてくれているのが分かるから混乱することなくゆっくりと思うままに発言することができた。






「なるほど。ドラゴンに関しては住まいの建築を行い騎士団にドラゴンの世話を含んだ資金を当てるという案は理解しました。それ以外の要求はないのですね?」


「…はい。国からはそれでいいと思います。後は共に戦う騎士達が考えることだと思いますので。あぁ、そうだ。僕にドラゴンの管理官という役職が与えられたのですから給金以外にドラゴンのことでかかった費用は国からお金が出ると思っていいですよね?」




危ない危ない。

大事な所を確認しておくのを忘れるところだったと内心冷や汗をかきながら宰相さんに尋ねる。


役職を与えたんだ。
管理官への必要経費はおろされるべきだが、指摘しなければ今の感じだとうやむやにされかねない。

こういうところ、今の国王様はケチなんだよな。





「ふん、予算案を出すがいい。しかし、たった一人しかいない所に割けれる資金はあまりないぞ」


「増えれば回される資金も増えるということですね。良い人材がいれば積極的に勧誘することにします」


「はぁ…ルグノス、お前の憎らしい所ばかり引き継いでいるのではないか?」


「国王相手にも臆することなく発言をする我が子を褒めはすれど嘆く必要はないかと…しかし、感情に任せ破壊行動を起こす点については教育し直します」




国王様の言葉に人を増やせばいいという事質をとってやろうと息巻いたところで、国王様に話を振られたとーさまからお叱り宣言がされ、口を紡ぐ。

滅多に怒らないとーさまだけど、会議室前も破壊してるし…流石に怒られるのも納得というか。


そこは本当に反省しないとって思ってます、とーさま。







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