王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第5章

迅速に行動することが求められる


また何かカロリーの高そうな、簡単に摘まめるものを支援課に送っておこうと頭の隅で考えながら報告をの続きをする。





「そしてその子が聞こえてきた僅かな話の中から大掛かりな人身売買と売国行為が行われようとしている疑いが浮上しました。現在子が見た怪しげな人物と獣人であろう人物の捜索をしていますが、今のところは捕獲や手がかりなどの報告がない状況です」


此処にノヴァも一緒に来てくれようとしたのだけど、城にはにぃ様以外にも頼れそうな者がいることからノヴァには問題の孤児院へ調査に行ってもらった。

だけどそのノヴァからも子供が見たという2名の人物らしき者に関する情報は未だ報告されていない。

ノヴァは転移で向こうへ移動しているし、今になっても報告がないということは探索魔法を使用しても引っかかるものがなかったということだと考えられる。




そのことから相手方に相当な手練れがいると考えられる。

魔法に優れているだろうことはもちろん、予想通り獣人がいるというのならば武力にも富んでいることだろう。


騎士団の中にも獣人は多くいるが、皆素の力が人とは段違いでとても平民や子供が敵う相手ではない。
攫われでもしたら一般的には抵抗できないと考えていい。



貴族と手を組んでいる獣人らしき人物がアーナンダ国の者なのか他国の者であるのかも分からない今、僕達は慎重に用心深くいなければならない。









「獣人が係わっていると確信が持てた段階で早急にアマ国へ協力要請を申し出る」


国王様の言葉にその場にいる皆が頷く。

アーナンダ国の騎士の中にも獣人はいるけれど、アマ国の獣人は血が濃いからなのか段違いに強いことは誰もが知ることだ。


例の者が国一番の魔法使いであり半魔であるノヴァをも欺くほどの手練れた獣人であったならばアマ国の協力は絶対必要になってくることは間違いない。



しかし確信のないまま協力要請を出してもあちらの国王様、ヤチホコ様がただで協力してくれるとは思えないのでこちらが経済的に痛手を負う危険性もあるため確信を得てからの方がいいだろうというのが国王様含めた全員の考えだ。

あの人結構容赦ないことする人だからな。






「ルナイス・ウォード。しばらくはこの件についての情報収集に集中してくれ」

「御意」



国王様からの言葉に頷き、このことをすぐにノヴァに魔法送書で伝える。




「宰相。各辺境伯へ他国からの不法な侵入者に注意するようにとだけ伝えておいてくれ。余計なことは今はまだ伝える必要はない」


「御意」




次々と指示を出す国王様に、少々思うところはあれどこの人が国王として王座につき、そしてこの国王様に文句は言いつつもとーさまが仕えた理由が分かる。

これがずっとであったのならいい国王だって純粋に思えるんだけど、僕とノヴァとしてはどうしても手放しで国王様を指示することはできないのが残念でならないところだ。






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