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第5章
休憩は大切、重要なことを突然ぽろっと言うのはやめてくれ
ホルス様の背に乗ってしばらくのんびりとアーナンダ国の上空を散歩。
上空と言ってもあまり地に近い所を飛ぶと要らぬ不安を煽ってしまうので、結構高い位置を飛んでいて、街の様子は見えないし人も点にしか見えない。
けれど、現実の空間から離れた所で思いっきり深呼吸をすることで、スーッと内に溜まった膿が出ていくような爽快感が感じられる。
「ホルス様、そろそろ帰りましょう」
『ならん。今のルナイスにはキブンテンカンが必要だ』
まだ目を通さないといけない書類もあるし、そろそろ帰ろうと思ってホルス様に声をかけたけどホルス様はまだ帰る気がない様子。
キブンテンカンってきっと最近覚えた言葉なんだろうなっと思うとクスリと笑みがこぼれる。
人と長らく交流を絶っていたドラゴン族は再び他の種族と交流を再開したことで、昔にはなかった言葉を耳にするとすごく興味津々にどういった意味の言葉なのかを知りたがる。
ホルス様も僕の精神が安定したことと、力も強くなったことで目が離せないくらい心配って気持ちが和らいだのか最近では他のドラゴン達と同じように周りとの交流を楽しんでいる。
「でも早く返事をしてあげないといけない書類もあります」
『そんなもの少しの休憩もとれぬほどのことではない。いいか、ルナイス。悲しくとも嬉しくとも世の流れはある程度決まっておるのだ。故に』
「まってホルス様。何かすごいこと言おうとしてない?僕世界の決まり事とかそういう重要そうなの怖くて聞きたくないんだけど」
『む…そうか』
「でも急いだところでどうにもならないこともあるってことだよね?それなら僕の調子が整ってから取り組んだ方がいいよってことでしょ?」
『その通りだ。人族は特に決まり事に囚われて窮屈な思いをわざわざ自らしたがるが、自身を追い詰めたところで生命力を削るだけだ。それに意味がないとは言わないが…我にはそういった人族の習性がよく理解できん』
「ふふ…ホルス様は理解できなくていいです。貴方には自由であってもらいたい」
『っふ…ドラゴンが今このように再び他種族と交流を持てるようになったのはルナイスの功績が大きい。龍神様も喜んでおられる。あぁ、そうであった。ルナイス、お主最近龍神様に挨拶をしておらぬな?龍神様が機嫌を損ねておるぞ。このままでは気性の荒いドラゴンの子が産まれるやもしれん』
「え!?」
良い雰囲気で、良い話をしているところに突然の爆弾発言にぎょっと目を見開く。
慌ててホルス様の背中をバシバシと叩きながら帰宅への道ではなく、東の龍神様の神殿に向かうようお願いする。
「ちょ、ホルス様!今すぐ!今すぐ神殿へ!」
『はははははは!!!あいわかった』
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