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第5章
親玉
しおりを挟む闇堕魔法は僕とノヴァで考え出した魔法で、実はまだ国に使用許可等を得ていない魔法なのだ。
今回の件でこの魔法について国に知られてしまうことになり、恐らく使用に重い制限が課される魔法となってしまうがこういう時でもなければ使用しようとは思わない魔法なので問題はないし、同じ闇属性適合者であっても簡単には使えないと思う。
なぜならこれを使った後の術者にとんでもなく重たい負荷がかかるから。
つまりはこちらも闇堕ちするリスクが凄く高いって話。
しかも闇属性適合者はもともと精神的に堕ちやすいから下手したら相手よりも重症になる可能性がある。
闇堕ちしている狐族を転移の魔法付与札で王国騎士団の地下牢に送る。
捕縛対象者を捕まえた時に取り合えず送る先として許可を得ている地下牢がそこにあるので、突然送ってしまっても問題ないし、その時に備えて必ず二名の騎士が監視している上にその地下牢では一切魔法が使えないようになっているので安心安全なのだ。
なぜ王国騎士団の地下牢なのかと言えば、城や近衛騎士団の駐屯所では王族が危険に晒される可能性がある為、城から離れた所にある王国騎士団の駐屯所の地下牢に送ることが決定されたのだ。
さて、狐族は無事捕獲したが…最大の問題である親玉だ。
狐族に関しては僕自身何度か接触があったし、ガンナーや烏族の者から情報を得られていたから対策も練られたのだけど、親玉に関しては情報がほとんどない。
人なのか獣人なのか、はたまた全く違う種族なのか…それさえも分かっておらず、遠目から見たが意見も黒い靄に覆われていて全く分からない。
その靄が実態なのか、そういった認識阻害の術が施されているのか…
相手がどんな者であるかは分からないが、きっと狐族が使い物にならなくなったことは気が付いていることだろう。
先程から城内に真っ黒な魔獣がウヨウヨと現れだしたのがその証拠。
相手も一番の戦力であった狐族を失って焦っている。
シャー!
次にどう動こうかと思考していると突如目の前に坊が現れ威嚇の声をあげるのを耳にした瞬間すっと場所を移動した。
グゥルルルル
シャー!!
先程まで自分が居た位置に視線を向ければそこには見たこともない黒い煙に覆われた大きな獣が居た。
雰囲気は限りなく魔獣であるが、只の魔獣とも違う。
坊が何度か触手を使って捕らえようとするが、獣はそれに囚われることなく触手は獣の体をすり抜けていく。
「魔獣のキメラ種?」
いや…あの獣には悪魔や魔物など魔族にある魔核が感じられない。
闇の魔力そのもの…
「…もしそうなら最悪だ」
考え付いた答えを全力で否定したいが、考えれば考えるほどにそれ以外考えられない。
「坊!」
にゃん!
闇の中で一切攻撃が効かないものを何時までも相手にしてもこちらが疲れるだけなので、頑張ってくれている坊を呼んで転移する。
もう転移付与札も残り少ないからあまり多様したくはないのだが…
転移した先は何の気配もない部屋
『やぁ、いらっしゃい。龍神の愛子』
そこが危険な所であることは理解していながらも、そこにしか行ける道がなかった僕は誘われるままにその部屋に転移して、植物塗れの部屋で予想通りの人物が優雅に座って僕を出迎える光景に顔を顰めることしかできない。
『随分と、困っているようだね』
「…おかげさまで」
肘をついてニコニコと笑って、他人事のように言う目の前の人物
それは
ダークエルフ
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