馬鹿な先輩と後輩くん

ぽぽ

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 帰りに後輩くんと買い物へ行った。
 色々見たが、女物なんて滅多に買わないから何が良いのか分からない。

「別にプレゼントなんてそこら辺にある花でもあげれば良くないですか」
「いや、でも好きな子にあげるんだよ? 迷うじゃん」
「へぇ、やっぱり好きなんですね」
 
 口をへの字にする彼に対して思わず普通に返した俺の馬鹿な口を塞ぐ。
 上手くはぐらかそうとするが、彼は気に食わなさそうに眉間に皺を寄せたまま。うわ、このままじゃ好きな子に振り向かれないだけじゃなくて後輩からの信用も失いそうだ。
 
「あ、あれ良いね!かっこいい」
「それ、先輩が好きなだけじゃないですか」
「あはは、そうとも言う」
 
 指を差したのは、シルバーのキーホルダー。鍵とかに付けたら丁度良さそうだ。でもこれを払ったら彼女へのプレゼントの軍資金が減ってしまう。
 どうしようかな、と考えながらじろじろと眺めてると、さっきまで居なかった後輩くんが横から顔を出してきた。
 
「まだ見てたんですか。好きですね、それ」
「え、俺そんなに長い間見てた? ごめん。次の店行こっか」
「遅いと置いて行きますよ」
 
 相変わらず冷たい態度だ。しかし、彼は俺を置いて行かないためか腕を掴んできた。嫌われてはいないのかな。
 
 そんなことを考えながら次の店へと行った。次のお店はオシャレなアンティークが並んでいる。余りこういう店は来ないから何だか落ち着かない。一方、後輩はいつもと同じ対応だ。やっぱりモテ男は違うのか。
 
 ゆっくり店内を歩き見渡していると、一つだけ目に付くものがあった。一目見た時、これだと思った。
 
「……可愛い」
 
 可愛らしいティーカップ。彼女に似合うだろう。これを買うと決めた俺に対して、後輩くんは「そうですか」とあっさりと放った。
 
「ここまで付き添ってくれてありがとう。あ、折角だから先輩が奢ってやろう」
「一番高い焼肉店行きましょう」
「ちょ、先輩、貧乏だからやめて!」
 
 焦って彼を止めると、ふっと笑い声が降ってきた。見上げると、無表情だった彼は目を細めていた。
 
「冗談ですよ。先輩」
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