僕と先生との物語

げんき

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小学校

小学6年生【カンニング③】

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僕は4番目に呼ばれた。

もう行くしかない。

言われた通り、構えて衝撃に備える。

やっぱり痛い。

姿勢が崩れようが、泣こうが、先生には関係ない。

何事もないかの様に押さえつけられ、繰り返し叩かれた。

そして50発終わり、次の人。

他の友だちがやられてるのを見る事もなく、ただ自分の熱を持ち痛くなったお尻に手を当てた。

それから残りの人も全員しっかり50発ずつけつバットをされた。

みんな大号泣だった。




そんな中、先生は僕の名前を呼んだ。

「げんきおいで。」

僕は行きたくない。

行けばまた何かあるかもしれないと思い、その場で立ち続けた。

すると先生は、声のボリュームを上げた。

「げんき。早く来なさい。」

僕は仕方なく先生の所に行った。

「げんきとはいろんな話をして来たはずやねんけどな。カンニングやって怒られるとかわからんか?」

「わかる。」

「じゃ何でしたんや?」

「良い点数取りたかった。」

「何のためにカンニングしてまで、良い点数が必要やねん?」

僕は何も言えなかった。

「先生が点数悪いからってげんきに怒った事あるか?」

「ない。」

「先生が怒る時は、間違った事をした時。人に迷惑をかけた時。できることをやらず諦めた時とかやろ。まだわからんか?」

「ごめん。」

でも、先生は僕に「げんきは後20発追加する。」と言った。



まだ叩かれた直後でお尻が痛いのに、ここからさらに20発。

ホンマに無理やった。
でも、逃げ切れるわけがない。

渋々、前に出た。



先生は「いくで。」と言い叩き始めた。

僕はまた泣き叫んだ。

でも、もちろんそんなとこでは辞めてくれない。

その間はとても長い時間に感じた。



追加の20発が終わると先生は僕たちに「この後、テストやり直し。」と言い、新しいテストを取りに行った。

国語のテストと同時にバレてしまった算数のテストと合わせて2教科。

やっぱり全然わからなかった。

それでも、ちゃんと考えて自分の力でテストを受けた。



テストを受け終わると先生は「それぞれの保護者に連絡してるから。呼んでくるからちょっと待っといて。」と言い残し教室を出て行った。



その言葉を聞いて、山本君がめっちゃ動揺し始めた。

山本君のお父さんはめっちゃ厳しいらしく、今日のことがバレると家でもしばかれると言っていた。

一緒に怒られていた谷本君も、携帯解約されると困っていた。



しばらくすると、先生の後を保護者がついて教室に入って来た。

僕の親は仕事で来てなかった。

僕たちも保護者も席に座り、先生からカンニングをみんなでした事を伝えていた。

その事実確認をした上でビンタをし、木の棒でけつバットしたことも言っていた。

山本君の親は「迷惑かけてすみません。こんなにしっかり怒っていただいてありがとうございます。家でも指導ちゃんとします。」と言い先生に頭を下げていた。



そして、僕以外のみんなは親と一緒に家に帰って行った。

残された僕はお母さんが家に帰って来る頃を見計らい、吉岡先生と2人で学校を出て家に向かった。

家に着くとちょうどお母さんが帰って来た。

そのまま先生は家に上がり、お母さんに今日あったことを全て伝えていた。

お母さんは「反抗期に入って来て家で言うことも聞いてくれなくて困ってるんです。先生に学校でのことは全て任せるのでお願いします。」と言っていた。

そしてお母さんは僕に「先生にしっかり根性叩き直してもらい。」と言いました。



次の日、やり直した2教科分のテストが返って来た。

結果は散々な点数だった。

でももちろん先生はそんなことでは怒らない。

ちゃんとできることをやった結果の今の実力。

「次またがんばれ」と言って返却してくれた。






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