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続23. 援助交際(2)
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キスが終わっても、安達はまだ甘え足りない様子だった。濡れそぼった声で、褒めて、と囁きこちらの肩に額を押しつける。上手にキスができたので、いい子だと頭を撫でてもらいたいらしい。テストで満点を取った子供が、親に答案を見せているようなものだ。たいへん可愛らしいのだが、残念ながら自分の性器は硬いまま、柔らかな肉の中で生殺しにされ苛立っている状態だったうえに、何より二人の間には設定というものが存在していた。
「かすみちゃんは本当に何もわかっていないね」
腰を引いて性器を抜く。安達は案の定嫌がって声を上げたが、喉を押さえるようにして掴むと途端におとなしくなった。
「便器が褒めてもらえるわけないだろう。おまけにまだお尻でザーメンを飲んでいない。便器としての役割を果たしてすらいないのに、全く何を勘違いしているんだろうね」
言い終えると、喉から手を離した。ほんの数秒だったが、安達は苦しかったのか弱々しく咳をした。
もう一度喉の奥に性器を突っ込みたくなる気持ちを呑み込んで、自分は彼の手を掴んだ。こちらの首の後ろに回されていたままだった腕を外させ、手首のネクタイを解く。縛られた痕が赤く残っているのが、妙にいやらしかった。思わず赤くなった部分に吸いつき、そのまま舐める。
「これを他人に見られたら、手首を縛られたことがばれちゃうね。なんて言い訳すればいいだろう。知らないおじさんに縛られて、おっぱいを弄られながらおまんこハメされるのが大好きな淫乱だって正直に答えたら、お尻を可愛がってもらえるかもしれないね」
本当はたいした痕ではなかった。恐らく一時間とたたずに消える程度のものだ。が、骨が綺麗に浮いた手首に刻まれた拘束の痕跡は、ひどく生々しく見える。少々可哀想な気がしてかける言葉に悩んでいると、安達は恐怖という名の期待に満ちた目をこちらに向けた。もしかしたら、解いたタイで別のところを縛ってもらえると思っているのかもしれない。大いにありうることだ。
「……両手で膝を抱えて、股を広げてごらん」
何処を縛ればよいだろう。そんなことを考えながら命令する。安達は顔を背けて目を閉じた。顔周りに贅肉がないせいで、彼が横を向くと顎の付け根から先までの骨の線が、痛々しいほど露わになる。薄い唇は固く結ばれてよりいっそう薄くなり、やや引き攣った頬や切れそうなほど筋の張った首筋は、涙と汗でじんわりと光っている。その様子を見た瞬間、激しい興奮に息が詰まりそうになった。痩せた男の身体にどうしてここまで欲情するのか、自分でも理解できない。度し難いほど淫らなのに、恐ろしく触れ難い男。彼を抱いていると、綺麗なものを汚したいという欲望と、汚れてもなお美しくあり続けるものを愛する感情で、我を忘れそうになる。自分はこの男に支配されており、間違ってもその逆ではない。
「かすみちゃん。言うとおりにしないと、またおまんこを痛くするよ」
被支配者に相応しい台詞を吐くと、支配者は右手で口を覆い、左手で自身の身体を庇うように自らのシャツの右肩を掴んだ。指の隙間から、かちかちと歯の鳴る音が微かに聞こえる。いったいどうやって身につけたのかわからないが、嫌がる素振りは本当に上手い。内腿を軽く叩いてやると、喜んでさっさと足を開いてしまうあたりはご愛嬌だろう。
「その格好じゃ、かすみちゃんの萎えたおちんちんしか見えない。ちゃんとおまんこが見えるように、もっとお尻を持ち上げなさい」
安達はそこまで真剣に抵抗する気はないようだった。そろそろ中に精液がほしいのかもしれない。小さな頭を壁に預け、言われたとおりの姿勢を取る。すると、まだ少し口を開いている蕾が露わになった。性器を引き抜いたときに零れたのか、縁の部分はローションで光っている。恐らく彼が事前に準備した際に塗ったものだろう。
「少し嵌められただけで大喜びして、おまんこをぐちょぐちょにするなんて、こんなにだらしない便器は今まで見たことがない。処女だというのもどうせ嘘なんだろう」
安達は何も言わなかった。股を開いたまま、目を閉じ僅かに頭を振って、こちらの言葉を否定する。
「嘘はいけない。嘘つきには罰が与えられる。もう一度訊くから、正直に答えなさい。かすみちゃんは、おまんこにチンポを嵌められるのが大好きなビッチなのに、処女だと言って優しいおじさんを騙そうとした悪い子だ。そうだね?」
閉じた睫の下から、じわりと涙が滲み出るのがわかる。堪らなかった。
「まあいい。かすみちゃんが処女でも非処女でも、悪い便器であることに変わりはない」
濡れて収縮する小さな穴に向かって、自分は唾を吐いた。肉の貧しい臀部がびくびくと痙攣し、まるで絶頂を迎えているかのよう。抉じ開けて突き立てて揺さぶって、気絶するまで抱き潰したくなる、可哀想なくらい卑猥な男。
「罰として、かすみちゃんのおまんこハメ動画を撮影しよう。学校のお友達に見てもらって、可愛いお口とお尻を公衆便所にしてもらうといい」
すると安達は瞼を上げた。感情が読めないほど澄んだ眼球で、ただこちらをじっと見つめる。その硝子のオーナメントのように美しい瞳に映る自分はきっと、可哀想なくらい従順な男なのだろう。だが、それで構わない。
「……綺麗だな」
意識の端から零れたこちらの言葉に対し、彼は目だけで微かに笑ったようだった。
デジタルカメラのレンズを向けられると、安達は全身を強張らせて顔を背けた。相変わらず股を開いた体勢なので、セックスするための部分が丸見えになっている。
「さあ、カメラに向かってお名前を言ってごらん」
カメラの小さな画面で見る彼の姿は、その容姿に恒常的につきまとう無機質さがよりいっそう強調されて、恐ろしく現実味に欠けている。本当にこの男はここにいて、その穴に自分の性器を挿入することができるのか、疑わしく思えてくるほどだ。
「ちゃんとお名前を言わないと、また喉の奥まで嵌めて射精するよ」
それはそれで喜びそうだが、と心の中でつけ加えると、案の定彼もろくでもないことを考えたらしく、見えない何かを天秤にかけるように睫を動かした。
「…………かすみ」
溜め息ほどの小さな声だった。未知の行為への好奇心が、口を犯されたいという欲望を退けたようだ。
「それじゃあかすみちゃん、まずはかすみちゃんのお顔から映そう。こっちを向いて、カメラを見て。ああ、本当に美人さんだね。色が白くて肌も滑らかだ。唇が少し薄いのが、潔癖そうな感じがして逆にいやらしい。特に目が素敵だね。青みがかって、まるで浮き玉みたいだ。さて、次はおっぱいを見てみようか」
開いた股の間に陣取り、徐にシャツをめくる。既にたっぷり弄って吸った乳首は、赤く硬く膨れ上がり、とても男のものには見えない。
「貧相な胸をしているくせに乳首はこんなに勃起させて、ド助平丸出しのおっぱいだね。学校でも、休み時間にトイレで乳首を扱いてるんじゃないか。それとも、おっぱいを可愛がってくれるおじさんがほかにいるのかな」
指で乳首を弾くと、彼は身体を縮めた。呼吸は浅く、何処となく焦りが窺える。どうも刺激が欲しいようなので、人差し指と親指の間で片方の乳首を軽く摘み、その弾力を楽しみながら執拗に捏ね回した。
「う、……んぁ、ぅ……」
「耐えている顔も綺麗だね。あんまり綺麗だから、余計に酷いことをしたくなる。かすみちゃんは相手をサディストにする天才だ。ぐしょぐしょのおまんこにデカマラをぶち込んでもらいたくて仕方ないようだけど、その前に乳首だけでいってごらん」
「っ、……や、だ」
「へえ、それがかすみちゃんのお返事か」
自分の声のトーンが、がくりと下がったのがわかった。安達も何かを感じ取ったのか、目を見開く。
「嫌は駄目だと何度言えばわかるんだ、この低能便器が」
言葉で殴りつけるように吐き捨て、乳首を指の間で押し潰した。
「ひっ、あ、あ、うぁっ」
「ああ、凄い反応だ。どうやら無事にいけたようだね。でも、乳首を虐められていったのか、叱られて興奮していったのか、これじゃあわからない。乳首を弄ってあげるから、もう一度いってごらん」
「……っ」
安達は無言で大粒の涙を零した。血が滲みそうなほど赤く腫れた乳首は、優しい愛撫を求めている。少しの間撮影を放棄することにして、自分はカメラを床に置き、彼の胸に顔を寄せた。執拗に弄ばれて熱を持った部分を、舌先でそっとくすぐる。快楽に弱い男は、早速甘ったるい息を漏らした。
「ぁ、う……ん……」
「おじさんにおっぱいを舐められるのが大好きなんだね。こんな助平な乳首をもって、本当に可哀想な子だ」
乳輪に唇を押しつけ、音を立てて吸う。それから舌で茱萸の実のように肥った乳首を擦り、再び軽く吸引する。そんな行為を何度か繰り返すと、とろ火で炙られるように嬲られるのが辛くなったようで、安達は遂にまともな言葉を口にしようとした。
「……もう、いけな……ゆるし、て」
掠れた声で哀願されて、一瞬設定を忘れそうになる。が、ここが正念場だと一つ息をつき、唾液で濡れた乳首に爪を立てた。
「いっ」
「もしかして、便器が抵抗するつもりなのかな」
じわじわと爪を食い込ませると、安達は泣きながら首を横に振った。自分は床のカメラを拾い上げ、再び彼にレンズを向けた。
「そうだな、乳首だけでいけないならカメラに向かって、かすみはおまんこハメされないといけないチンポに飢えた肉便器です、と言ってごらん」
「っく、うぅ……」
「泣いても無駄だよ。こんなにおまんこを濡らしているくせに、恥ずかしがってみせても説得力がない」
安達は観念したのか、カメラに視線を合わせた。潤んだ目は悲しげだが、瞳孔の奥はしんと静まり返り、全てを見透かすようにこちらを凝視している。本当に見られているのは彼ではなく、自分の方なのかもしれない。動揺して思わずカメラを持つ手を下ろしそうになったとき、彼の唇が動いた。
「……か、かすみは……おま……こ……はめ、されないと、いけない、…………ち……ぽにうえ、た、……に、にくべんき、です……」
「――それなら、希望どおりかすみちゃんのおまんこに、おじさんのチンポを嵌めてあげよう。さあ、次はおまんこの撮影だ」
脳が痺れているような、奇妙な感覚に襲われる。それでも舌と身体はスムーズに動いた。カメラを下げ、相手の小さな蕾を映す。安達は慌てて股を閉じようとしたが、平手で内股を打ってやるとすぐに足を開いた。間違いなく叩かれたくてわざとやっているのだが、わかっていても本当に嫌がっているように見えるあたり、さすがの一言に尽きる。
「綺麗な色のおまんこだけど、しかし濡れすぎだね。涎みたいに愛液を垂れ流して、ひくついている。便器に相応しい、品性の欠片もないおまんこだ。今日はまだ一滴もザーメンを飲んでいないから、渇いて疼いて仕方ないんだろうね。でもチンポを嵌める前に、この小さな穴にどれくらい太いものが入るか実験してみようか」
そう言いながら、カメラを取りに行ったときに持ってきた玩具の一つを手にする。スイッチを押すと卑猥な動きをする、軟らかな突起に覆われたバイブだ。彼はマゾヒストのわりに道具を挿入されるのがあまり得意ではないため、普段はこの手のものを使う機会がほとんどない。バイブにローションを塗りたくっていると、安達は耐えられなくなったのか身をよじり、逃げ出そうとした。そうなるともう仕方ない。自分は彼の腕を掴んで床へ仰向けに引き倒し、膝を折って座るとその上に彼の腰を乗せて開脚させ、俗にいうまんぐりがえしの姿勢を取らせた。
「逃げるんじゃない、このあばずれが」
すると安達は、息を小さく吸って赤面した。設定からすると泣くか悲鳴を上げるかすべき場面なのだが、普通に恥ずかしくなってしまったらしい。確かに電気が煌々とついた部屋で、セックスに使う部分を天井に向けて晒すというのは、なかなか難易度の高い行為ではある。
「――まずはバイブを試してみよう。そんなに太くないから、簡単に入りそうだね」
言いながら、右手にカメラを構え、左手でバイブを握る。安達はどうも設定に戻れずにいるようで、赤くなったまま両手で口許を押さえている。迷わなかったわけではないが、自分はこのまま芝居を続行することにした。買春男として彼を抱く機会が、この先何度あるかわからないのだ。何としてでも完遂しなければならない。
「最初にバイブの先でおまんこをつついてみようか。……おや、穴がきゅっと窄まったね。濡れ濡れの助平穴をしているくせに、玩具をぶち込まれるのは嫌みたいだ。でもこうやってぐりぐり押してみたらどうだろう。……ああ、頑張って耐えている。おじさんのイカ臭いデカマラは大喜びで咥え込んだのに、こんなに清潔なバイブは拒絶するなんて、本当にチンポが大好きなんだね。……よし、それじゃあもう少し力を入れようか。……やっと先がめり込んだね。カメラにも、かすみちゃんのつやつやのおまんこがバイブに犯される様子が綺麗に映っているよ。……おっと、押し出してはいけない。ちゃんと根元まで呑み込むんだ。かすみちゃんは便器なんだから、チンポだろうがバイブだろうがフィストだろうが、何でもおまんこを広げて受け入れる義務がある。……さっきあれだけ柔らかくしたのに、もう中が緊張しているみたいだね。軽く抜き差しして解してみようか。……少し滑らかに動くようになった。おまんこが一生懸命口を開いてバイブをしゃぶっているのがよくわかる。……そろそろ根元まで嵌めてみよう。力を抜いて……」
一気にバイブを奥まで突き立ててスイッチを入れると、安達の微かな喘ぎ声が甘い悲鳴に変わった。卑猥な玩具が耳障りな機械音を立てて、彼の濡れた肉を乱暴に掻き混ぜていく。ここで言葉責めをすればいかせることができるとわかっていたが、しかしそれは自分の性器を挿入したときにしたいというくだらない欲望から、十秒ほどでスイッチを切りバイブを引き抜いた。
「次はディルドを入れる。見てごらん、さっきのバイブよりもだいぶ太いね。でも形は本物そっくりだから、チンポが大好きなかすみちゃんにはこっちの方がいいかもしれない」
ディルドを見た安達は、明らかに狼狽した。ちょっと待ってほしい、と言いたげな目をしている。だが、こちらには待つつもりなど一切なかった。グロテスクなフォルムの玩具を濡れた穴に宛がい、優しく語りかける。
「今度はローションをつけずに入れようね。その方が大きさや形や硬さがよくわかるだろう。とはいえ、かすみちゃんのおまんこはもう手遅れなくらいどろどろだから、あまり意味はないかもしれない」
よく濡れているうえに、バイブで中まで緩めたせいで、今度は簡単に挿入できそうだった。しかし、押し込む直前に名前を呼ばれて手が止まった。
「ひ、かわさん、あの」
安達の声は怯えているのか震えていたが、何処か甘えるような響きもあった。そこで自分は咳払いをし、なるべく穏やかに、噛んで含めるように言った。
「違うね。おじさんには名前なんてない。ただの『おじさん』だよ、かすみちゃん」
「……お、おじさん……」
「そう、おじさん」
「…………おじさん、その…………ディルド、こわい……です」
なかなか可愛らしい発言だった。うっかりカメラを置きそうになり、それでは駄目だと頭を振る。
「へえ、かすみちゃんはディルドが怖いのか。太くて長いからかな。それとも冷たくて硬いせいかな。まあ、いずれにせよそれはかすみちゃんの事情であって、おじさんには関係のない話だ。入れるよ」
「待って、ま、……いや、う、ああああっ」
特に遠慮する理由はなかったので、握ったディルドを最奥まで突き入れた。今にも裂けそうなほど押し広げられた蕾を、カメラの画面越しに食い入るように見つめ、何も考えずに喋り続ける。
「怖いなんて初心なことを言いながら、奥までずっぽりだ。さっきのバイブよりも美味しそうに食んでいるね。この調子なら、さっきのバイブを一緒に突っ込んでも問題なさそうだ。試してみようね」
もちろんそんなことは不可能だった。安達の身体は恐ろしく淫らに仕上がっているとはいえ、キャパシティーに関しては性器を一本咥えるのがやっとである。それでも戯れに、ディルドの根元にバイブを押し当ててスイッチを入れてみると、彼の薄い腰は紙のように震えた。
「んん、やぁ、あ、うぅーっ」
「いい反応だ。もっと時間をかけてかすみちゃんを虐めてあげたいところだけど、こっちも我慢しすぎてそろそろ頭がおかしくなりそうだ。次は本物の生チンポを嵌めて、おまんこでザーメンをごっくんしようね」
最早自分が何を言っているのかわからなかった。恐らく安達も何を言われているのかわかっていないだろう。しかし互いにやるべきことはわかっていた。冷静に錯乱しながらディルドを無造作に抜き取り、自分と相手の身体の位置を調整すると、安達もまたこちらが挿入しやすいように身体の力を抜いた。亀頭で窄まった部分を数回擦り軽く煽ってから、ぐっと腰を押しつける。すぐに馴染み深い温度と感触が性器を歓待した。
「かすみちゃんのおまんこは使い込まれていて緩いから、太腿を縛って締めつけをよくしよう」
カメラを置き、ほっそりとした太腿を揃えてネクタイで縛る。安達は頭を振って呻いたが、下半身は素直なもので、男根に媚びるように蕾を収縮させた。前立腺を狙って腰を動かすと、全身を薄赤く染め、切なげに鳴き始める。
「ふ……あ、ぅう……ぁ……」
「ああ、縛るとよく締まる。中がすっかり蕩けていてチンポが溶けそうだ。かすみちゃんも、膣のお肉がごりごり擦れて気持ちがいいんだろう。便器の入り口がきゅうきゅう縮まって、今にもいきそうになっている。このままいかせてあげるから、カメラに向かって可愛いイキ顔を見せてごらん。そうすれば、かすみちゃんの小さな膣にたっぷりザーメンを注いであげるよ」
我ながら悪くない提案だった。ただ、自分は安達が待てのできない男だということを失念していた。最後の文節を言い終わるか終わらないかのタイミングで、彼は挿入された男根を嚥下するような勢いで締め上げ、尻と太腿を痙攣させた。こうなるとこちらも搾乳機に繋がれているのと変わりない。結局簡単に精子を搾り取られてしまった。
「……徹頭徹尾、駄目な便器だな」
「い、いたい、ごめんなさい、ごめんなさい、ゆるして、いたいぃ……」
嫌がられると知りながら、性器を嵌めたまま吐き出した精液を泡立てるように強引に腰を回した。蕾が引き攣るのが辛いのか、彼は泣きながら謝罪する。そこで自分は腰を動かすのをやめた。すると安達は許してもらえそうだと思ったようで、こちらの機嫌を取るための言葉を並べだした。
「……か、かすみはだめな便器です、なんでもするから、おねがい、いたいことはしないで……」
それは媚態に見せかけた脅迫だった。これで終わりじゃないだろう、と言外に脅されて、自分は黙って肯いた。まだ硬度を保っていることを知らしめるようにゆっくりと性器を抜き、彼の太腿を縛っていたネクタイを解く。それから立ち上がり、爪先で彼の腰を蹴った。
「最初に優しくしたのが間違いだった。お前のような顔と身体が綺麗なだけの無能な便器は、厳しく躾け直さないと使い物にならない。俺が一から調教してやるから、とっとと起き上がって四つん這いになれ。まんこが見えるように、尻はこっちに向けるんだ」
彼が先を望む限り、終わりはない。淫らな暴君が疲れて眠くなるまで、この倒錯に倒錯を重ねた奇妙な情事は続くのだ。傍から見れば常軌を逸した二人かもしれないが、別に構わなかった。彼が喜べば、それで全てが祝福されるのだ。
「かすみちゃんは本当に何もわかっていないね」
腰を引いて性器を抜く。安達は案の定嫌がって声を上げたが、喉を押さえるようにして掴むと途端におとなしくなった。
「便器が褒めてもらえるわけないだろう。おまけにまだお尻でザーメンを飲んでいない。便器としての役割を果たしてすらいないのに、全く何を勘違いしているんだろうね」
言い終えると、喉から手を離した。ほんの数秒だったが、安達は苦しかったのか弱々しく咳をした。
もう一度喉の奥に性器を突っ込みたくなる気持ちを呑み込んで、自分は彼の手を掴んだ。こちらの首の後ろに回されていたままだった腕を外させ、手首のネクタイを解く。縛られた痕が赤く残っているのが、妙にいやらしかった。思わず赤くなった部分に吸いつき、そのまま舐める。
「これを他人に見られたら、手首を縛られたことがばれちゃうね。なんて言い訳すればいいだろう。知らないおじさんに縛られて、おっぱいを弄られながらおまんこハメされるのが大好きな淫乱だって正直に答えたら、お尻を可愛がってもらえるかもしれないね」
本当はたいした痕ではなかった。恐らく一時間とたたずに消える程度のものだ。が、骨が綺麗に浮いた手首に刻まれた拘束の痕跡は、ひどく生々しく見える。少々可哀想な気がしてかける言葉に悩んでいると、安達は恐怖という名の期待に満ちた目をこちらに向けた。もしかしたら、解いたタイで別のところを縛ってもらえると思っているのかもしれない。大いにありうることだ。
「……両手で膝を抱えて、股を広げてごらん」
何処を縛ればよいだろう。そんなことを考えながら命令する。安達は顔を背けて目を閉じた。顔周りに贅肉がないせいで、彼が横を向くと顎の付け根から先までの骨の線が、痛々しいほど露わになる。薄い唇は固く結ばれてよりいっそう薄くなり、やや引き攣った頬や切れそうなほど筋の張った首筋は、涙と汗でじんわりと光っている。その様子を見た瞬間、激しい興奮に息が詰まりそうになった。痩せた男の身体にどうしてここまで欲情するのか、自分でも理解できない。度し難いほど淫らなのに、恐ろしく触れ難い男。彼を抱いていると、綺麗なものを汚したいという欲望と、汚れてもなお美しくあり続けるものを愛する感情で、我を忘れそうになる。自分はこの男に支配されており、間違ってもその逆ではない。
「かすみちゃん。言うとおりにしないと、またおまんこを痛くするよ」
被支配者に相応しい台詞を吐くと、支配者は右手で口を覆い、左手で自身の身体を庇うように自らのシャツの右肩を掴んだ。指の隙間から、かちかちと歯の鳴る音が微かに聞こえる。いったいどうやって身につけたのかわからないが、嫌がる素振りは本当に上手い。内腿を軽く叩いてやると、喜んでさっさと足を開いてしまうあたりはご愛嬌だろう。
「その格好じゃ、かすみちゃんの萎えたおちんちんしか見えない。ちゃんとおまんこが見えるように、もっとお尻を持ち上げなさい」
安達はそこまで真剣に抵抗する気はないようだった。そろそろ中に精液がほしいのかもしれない。小さな頭を壁に預け、言われたとおりの姿勢を取る。すると、まだ少し口を開いている蕾が露わになった。性器を引き抜いたときに零れたのか、縁の部分はローションで光っている。恐らく彼が事前に準備した際に塗ったものだろう。
「少し嵌められただけで大喜びして、おまんこをぐちょぐちょにするなんて、こんなにだらしない便器は今まで見たことがない。処女だというのもどうせ嘘なんだろう」
安達は何も言わなかった。股を開いたまま、目を閉じ僅かに頭を振って、こちらの言葉を否定する。
「嘘はいけない。嘘つきには罰が与えられる。もう一度訊くから、正直に答えなさい。かすみちゃんは、おまんこにチンポを嵌められるのが大好きなビッチなのに、処女だと言って優しいおじさんを騙そうとした悪い子だ。そうだね?」
閉じた睫の下から、じわりと涙が滲み出るのがわかる。堪らなかった。
「まあいい。かすみちゃんが処女でも非処女でも、悪い便器であることに変わりはない」
濡れて収縮する小さな穴に向かって、自分は唾を吐いた。肉の貧しい臀部がびくびくと痙攣し、まるで絶頂を迎えているかのよう。抉じ開けて突き立てて揺さぶって、気絶するまで抱き潰したくなる、可哀想なくらい卑猥な男。
「罰として、かすみちゃんのおまんこハメ動画を撮影しよう。学校のお友達に見てもらって、可愛いお口とお尻を公衆便所にしてもらうといい」
すると安達は瞼を上げた。感情が読めないほど澄んだ眼球で、ただこちらをじっと見つめる。その硝子のオーナメントのように美しい瞳に映る自分はきっと、可哀想なくらい従順な男なのだろう。だが、それで構わない。
「……綺麗だな」
意識の端から零れたこちらの言葉に対し、彼は目だけで微かに笑ったようだった。
デジタルカメラのレンズを向けられると、安達は全身を強張らせて顔を背けた。相変わらず股を開いた体勢なので、セックスするための部分が丸見えになっている。
「さあ、カメラに向かってお名前を言ってごらん」
カメラの小さな画面で見る彼の姿は、その容姿に恒常的につきまとう無機質さがよりいっそう強調されて、恐ろしく現実味に欠けている。本当にこの男はここにいて、その穴に自分の性器を挿入することができるのか、疑わしく思えてくるほどだ。
「ちゃんとお名前を言わないと、また喉の奥まで嵌めて射精するよ」
それはそれで喜びそうだが、と心の中でつけ加えると、案の定彼もろくでもないことを考えたらしく、見えない何かを天秤にかけるように睫を動かした。
「…………かすみ」
溜め息ほどの小さな声だった。未知の行為への好奇心が、口を犯されたいという欲望を退けたようだ。
「それじゃあかすみちゃん、まずはかすみちゃんのお顔から映そう。こっちを向いて、カメラを見て。ああ、本当に美人さんだね。色が白くて肌も滑らかだ。唇が少し薄いのが、潔癖そうな感じがして逆にいやらしい。特に目が素敵だね。青みがかって、まるで浮き玉みたいだ。さて、次はおっぱいを見てみようか」
開いた股の間に陣取り、徐にシャツをめくる。既にたっぷり弄って吸った乳首は、赤く硬く膨れ上がり、とても男のものには見えない。
「貧相な胸をしているくせに乳首はこんなに勃起させて、ド助平丸出しのおっぱいだね。学校でも、休み時間にトイレで乳首を扱いてるんじゃないか。それとも、おっぱいを可愛がってくれるおじさんがほかにいるのかな」
指で乳首を弾くと、彼は身体を縮めた。呼吸は浅く、何処となく焦りが窺える。どうも刺激が欲しいようなので、人差し指と親指の間で片方の乳首を軽く摘み、その弾力を楽しみながら執拗に捏ね回した。
「う、……んぁ、ぅ……」
「耐えている顔も綺麗だね。あんまり綺麗だから、余計に酷いことをしたくなる。かすみちゃんは相手をサディストにする天才だ。ぐしょぐしょのおまんこにデカマラをぶち込んでもらいたくて仕方ないようだけど、その前に乳首だけでいってごらん」
「っ、……や、だ」
「へえ、それがかすみちゃんのお返事か」
自分の声のトーンが、がくりと下がったのがわかった。安達も何かを感じ取ったのか、目を見開く。
「嫌は駄目だと何度言えばわかるんだ、この低能便器が」
言葉で殴りつけるように吐き捨て、乳首を指の間で押し潰した。
「ひっ、あ、あ、うぁっ」
「ああ、凄い反応だ。どうやら無事にいけたようだね。でも、乳首を虐められていったのか、叱られて興奮していったのか、これじゃあわからない。乳首を弄ってあげるから、もう一度いってごらん」
「……っ」
安達は無言で大粒の涙を零した。血が滲みそうなほど赤く腫れた乳首は、優しい愛撫を求めている。少しの間撮影を放棄することにして、自分はカメラを床に置き、彼の胸に顔を寄せた。執拗に弄ばれて熱を持った部分を、舌先でそっとくすぐる。快楽に弱い男は、早速甘ったるい息を漏らした。
「ぁ、う……ん……」
「おじさんにおっぱいを舐められるのが大好きなんだね。こんな助平な乳首をもって、本当に可哀想な子だ」
乳輪に唇を押しつけ、音を立てて吸う。それから舌で茱萸の実のように肥った乳首を擦り、再び軽く吸引する。そんな行為を何度か繰り返すと、とろ火で炙られるように嬲られるのが辛くなったようで、安達は遂にまともな言葉を口にしようとした。
「……もう、いけな……ゆるし、て」
掠れた声で哀願されて、一瞬設定を忘れそうになる。が、ここが正念場だと一つ息をつき、唾液で濡れた乳首に爪を立てた。
「いっ」
「もしかして、便器が抵抗するつもりなのかな」
じわじわと爪を食い込ませると、安達は泣きながら首を横に振った。自分は床のカメラを拾い上げ、再び彼にレンズを向けた。
「そうだな、乳首だけでいけないならカメラに向かって、かすみはおまんこハメされないといけないチンポに飢えた肉便器です、と言ってごらん」
「っく、うぅ……」
「泣いても無駄だよ。こんなにおまんこを濡らしているくせに、恥ずかしがってみせても説得力がない」
安達は観念したのか、カメラに視線を合わせた。潤んだ目は悲しげだが、瞳孔の奥はしんと静まり返り、全てを見透かすようにこちらを凝視している。本当に見られているのは彼ではなく、自分の方なのかもしれない。動揺して思わずカメラを持つ手を下ろしそうになったとき、彼の唇が動いた。
「……か、かすみは……おま……こ……はめ、されないと、いけない、…………ち……ぽにうえ、た、……に、にくべんき、です……」
「――それなら、希望どおりかすみちゃんのおまんこに、おじさんのチンポを嵌めてあげよう。さあ、次はおまんこの撮影だ」
脳が痺れているような、奇妙な感覚に襲われる。それでも舌と身体はスムーズに動いた。カメラを下げ、相手の小さな蕾を映す。安達は慌てて股を閉じようとしたが、平手で内股を打ってやるとすぐに足を開いた。間違いなく叩かれたくてわざとやっているのだが、わかっていても本当に嫌がっているように見えるあたり、さすがの一言に尽きる。
「綺麗な色のおまんこだけど、しかし濡れすぎだね。涎みたいに愛液を垂れ流して、ひくついている。便器に相応しい、品性の欠片もないおまんこだ。今日はまだ一滴もザーメンを飲んでいないから、渇いて疼いて仕方ないんだろうね。でもチンポを嵌める前に、この小さな穴にどれくらい太いものが入るか実験してみようか」
そう言いながら、カメラを取りに行ったときに持ってきた玩具の一つを手にする。スイッチを押すと卑猥な動きをする、軟らかな突起に覆われたバイブだ。彼はマゾヒストのわりに道具を挿入されるのがあまり得意ではないため、普段はこの手のものを使う機会がほとんどない。バイブにローションを塗りたくっていると、安達は耐えられなくなったのか身をよじり、逃げ出そうとした。そうなるともう仕方ない。自分は彼の腕を掴んで床へ仰向けに引き倒し、膝を折って座るとその上に彼の腰を乗せて開脚させ、俗にいうまんぐりがえしの姿勢を取らせた。
「逃げるんじゃない、このあばずれが」
すると安達は、息を小さく吸って赤面した。設定からすると泣くか悲鳴を上げるかすべき場面なのだが、普通に恥ずかしくなってしまったらしい。確かに電気が煌々とついた部屋で、セックスに使う部分を天井に向けて晒すというのは、なかなか難易度の高い行為ではある。
「――まずはバイブを試してみよう。そんなに太くないから、簡単に入りそうだね」
言いながら、右手にカメラを構え、左手でバイブを握る。安達はどうも設定に戻れずにいるようで、赤くなったまま両手で口許を押さえている。迷わなかったわけではないが、自分はこのまま芝居を続行することにした。買春男として彼を抱く機会が、この先何度あるかわからないのだ。何としてでも完遂しなければならない。
「最初にバイブの先でおまんこをつついてみようか。……おや、穴がきゅっと窄まったね。濡れ濡れの助平穴をしているくせに、玩具をぶち込まれるのは嫌みたいだ。でもこうやってぐりぐり押してみたらどうだろう。……ああ、頑張って耐えている。おじさんのイカ臭いデカマラは大喜びで咥え込んだのに、こんなに清潔なバイブは拒絶するなんて、本当にチンポが大好きなんだね。……よし、それじゃあもう少し力を入れようか。……やっと先がめり込んだね。カメラにも、かすみちゃんのつやつやのおまんこがバイブに犯される様子が綺麗に映っているよ。……おっと、押し出してはいけない。ちゃんと根元まで呑み込むんだ。かすみちゃんは便器なんだから、チンポだろうがバイブだろうがフィストだろうが、何でもおまんこを広げて受け入れる義務がある。……さっきあれだけ柔らかくしたのに、もう中が緊張しているみたいだね。軽く抜き差しして解してみようか。……少し滑らかに動くようになった。おまんこが一生懸命口を開いてバイブをしゃぶっているのがよくわかる。……そろそろ根元まで嵌めてみよう。力を抜いて……」
一気にバイブを奥まで突き立ててスイッチを入れると、安達の微かな喘ぎ声が甘い悲鳴に変わった。卑猥な玩具が耳障りな機械音を立てて、彼の濡れた肉を乱暴に掻き混ぜていく。ここで言葉責めをすればいかせることができるとわかっていたが、しかしそれは自分の性器を挿入したときにしたいというくだらない欲望から、十秒ほどでスイッチを切りバイブを引き抜いた。
「次はディルドを入れる。見てごらん、さっきのバイブよりもだいぶ太いね。でも形は本物そっくりだから、チンポが大好きなかすみちゃんにはこっちの方がいいかもしれない」
ディルドを見た安達は、明らかに狼狽した。ちょっと待ってほしい、と言いたげな目をしている。だが、こちらには待つつもりなど一切なかった。グロテスクなフォルムの玩具を濡れた穴に宛がい、優しく語りかける。
「今度はローションをつけずに入れようね。その方が大きさや形や硬さがよくわかるだろう。とはいえ、かすみちゃんのおまんこはもう手遅れなくらいどろどろだから、あまり意味はないかもしれない」
よく濡れているうえに、バイブで中まで緩めたせいで、今度は簡単に挿入できそうだった。しかし、押し込む直前に名前を呼ばれて手が止まった。
「ひ、かわさん、あの」
安達の声は怯えているのか震えていたが、何処か甘えるような響きもあった。そこで自分は咳払いをし、なるべく穏やかに、噛んで含めるように言った。
「違うね。おじさんには名前なんてない。ただの『おじさん』だよ、かすみちゃん」
「……お、おじさん……」
「そう、おじさん」
「…………おじさん、その…………ディルド、こわい……です」
なかなか可愛らしい発言だった。うっかりカメラを置きそうになり、それでは駄目だと頭を振る。
「へえ、かすみちゃんはディルドが怖いのか。太くて長いからかな。それとも冷たくて硬いせいかな。まあ、いずれにせよそれはかすみちゃんの事情であって、おじさんには関係のない話だ。入れるよ」
「待って、ま、……いや、う、ああああっ」
特に遠慮する理由はなかったので、握ったディルドを最奥まで突き入れた。今にも裂けそうなほど押し広げられた蕾を、カメラの画面越しに食い入るように見つめ、何も考えずに喋り続ける。
「怖いなんて初心なことを言いながら、奥までずっぽりだ。さっきのバイブよりも美味しそうに食んでいるね。この調子なら、さっきのバイブを一緒に突っ込んでも問題なさそうだ。試してみようね」
もちろんそんなことは不可能だった。安達の身体は恐ろしく淫らに仕上がっているとはいえ、キャパシティーに関しては性器を一本咥えるのがやっとである。それでも戯れに、ディルドの根元にバイブを押し当ててスイッチを入れてみると、彼の薄い腰は紙のように震えた。
「んん、やぁ、あ、うぅーっ」
「いい反応だ。もっと時間をかけてかすみちゃんを虐めてあげたいところだけど、こっちも我慢しすぎてそろそろ頭がおかしくなりそうだ。次は本物の生チンポを嵌めて、おまんこでザーメンをごっくんしようね」
最早自分が何を言っているのかわからなかった。恐らく安達も何を言われているのかわかっていないだろう。しかし互いにやるべきことはわかっていた。冷静に錯乱しながらディルドを無造作に抜き取り、自分と相手の身体の位置を調整すると、安達もまたこちらが挿入しやすいように身体の力を抜いた。亀頭で窄まった部分を数回擦り軽く煽ってから、ぐっと腰を押しつける。すぐに馴染み深い温度と感触が性器を歓待した。
「かすみちゃんのおまんこは使い込まれていて緩いから、太腿を縛って締めつけをよくしよう」
カメラを置き、ほっそりとした太腿を揃えてネクタイで縛る。安達は頭を振って呻いたが、下半身は素直なもので、男根に媚びるように蕾を収縮させた。前立腺を狙って腰を動かすと、全身を薄赤く染め、切なげに鳴き始める。
「ふ……あ、ぅう……ぁ……」
「ああ、縛るとよく締まる。中がすっかり蕩けていてチンポが溶けそうだ。かすみちゃんも、膣のお肉がごりごり擦れて気持ちがいいんだろう。便器の入り口がきゅうきゅう縮まって、今にもいきそうになっている。このままいかせてあげるから、カメラに向かって可愛いイキ顔を見せてごらん。そうすれば、かすみちゃんの小さな膣にたっぷりザーメンを注いであげるよ」
我ながら悪くない提案だった。ただ、自分は安達が待てのできない男だということを失念していた。最後の文節を言い終わるか終わらないかのタイミングで、彼は挿入された男根を嚥下するような勢いで締め上げ、尻と太腿を痙攣させた。こうなるとこちらも搾乳機に繋がれているのと変わりない。結局簡単に精子を搾り取られてしまった。
「……徹頭徹尾、駄目な便器だな」
「い、いたい、ごめんなさい、ごめんなさい、ゆるして、いたいぃ……」
嫌がられると知りながら、性器を嵌めたまま吐き出した精液を泡立てるように強引に腰を回した。蕾が引き攣るのが辛いのか、彼は泣きながら謝罪する。そこで自分は腰を動かすのをやめた。すると安達は許してもらえそうだと思ったようで、こちらの機嫌を取るための言葉を並べだした。
「……か、かすみはだめな便器です、なんでもするから、おねがい、いたいことはしないで……」
それは媚態に見せかけた脅迫だった。これで終わりじゃないだろう、と言外に脅されて、自分は黙って肯いた。まだ硬度を保っていることを知らしめるようにゆっくりと性器を抜き、彼の太腿を縛っていたネクタイを解く。それから立ち上がり、爪先で彼の腰を蹴った。
「最初に優しくしたのが間違いだった。お前のような顔と身体が綺麗なだけの無能な便器は、厳しく躾け直さないと使い物にならない。俺が一から調教してやるから、とっとと起き上がって四つん這いになれ。まんこが見えるように、尻はこっちに向けるんだ」
彼が先を望む限り、終わりはない。淫らな暴君が疲れて眠くなるまで、この倒錯に倒錯を重ねた奇妙な情事は続くのだ。傍から見れば常軌を逸した二人かもしれないが、別に構わなかった。彼が喜べば、それで全てが祝福されるのだ。
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