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【再掲載】紅の契り(ジェム×遼河雅)
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【注意書き】
⚠️この作品には以下の要素が含まれます⚠️
・吸血鬼・サキュバスなどのファンタジー要素
・暴力的・流血描写あり(吸血や傷のシーンがあります)
・強制的な「番(つがい)の儀式」など少しシリアス・ダークな展開
・心の葛藤やトラウマを扱ったシーンがあります
・BL作品です。苦手な方はご注意ください。
⚠️本編は18歳以上推奨です!未成年の閲覧はご遠慮ください⚠️
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
目を覚ますと、そこは陽の光が届かない古びた洋館だった。訳も分からず閉じ込められた遼河 雅は、目の前の男――ジェム・ダーヴィト・アンデルセンから信じがたい言葉を告げられる。
「お前は今日から私の餌だ」
吸血鬼と悪魔の血を引くジェムは、人間の血を糧に生きていた。だが、彼の体は衰えており、雅の血を口にした瞬間――奇妙なことが起こる。
「…何だこれは。お前の血は、私を狂わせる」
偶然拾われたはずの雅は、ジェムにとって特別な”番”なのかもしれない。しかし、その証明にはある儀式が必要だった。
「お前を一度、殺す」
生きるか、死ぬか。人間としての命を手放し、永遠を生きるのか――。
闇に囚われた青年と、孤独に苛まれる吸血鬼。二人の運命が、狂い始める。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
深い森。
灯りが着いてない真っ暗な道。
雅は気を失い誰かに抱えられ揺れていると、大きな屋敷に着いた。不気味な洋館で何かが出てきそうな雰囲気。
「ジェム様お疲れ様です、其方は?」
「拾った、私の部屋に置いておけ…あ、後逃げないように鍵を閉めておけ」
そう言って執事に雅を預け、餌のある部屋に足を運ぶ。
執事は会釈をし、雅をジェムの部屋に連れていき外から全て鍵を閉める。
「おい」
「ジェム様、なんでしょうか」
「餌は体調悪いのか?」
口元から血を垂らすジェムが居る。
「何かありましたか?」
「不味い、吐きそうなくらい不味い」
「期限でしょうか…また、新しいのを入れておきましょう」
「頼む…アイツは目が覚ましたか?」
「いえ、まだ」
「そうか」
そう言って自分の部屋に戻っていく。
蝋燭の灯りだけが灯っているジェムの部屋、日中も光が入らないように板で窓を塞いでカーテンを付けている。
雅が居るベッドに腰を掛けギシッと軋む。
雅の頬を叩き雅を起こす。
「おい」
「ん……!!」
誰ですか!と聞く前に手で口を塞がれた。
色白でグレーの猫目、グレーのロングヘア。
「お前は今日から私の餌だ、常に健康体でいろ」
「ちょっと待って、状況が読めないし僕は仕事もある」
「問題ない、生活は困らせない」
「こんな部屋…気がおかしくなりそうだ」
ブワッと圧みたいなのがのしかかって、水の中に顔を付けられてるみたいだ。
「言う通りにしてたら何もしない、ご飯は執事が持ってくる、人間は風呂も入るのだろう?風呂も執事がやるから安心しろ」
その話が終わると圧も解かれ息も出来るようになった、そしてジェムもいつの間にかいなくなっていた。
雅が居る部屋は一切日光が入らなく、灯りは蝋燭のみ。何かが出てきそうな雰囲気で怖くなりベッドに潜り込んだ。
「僕…どうなるんだろ…」
暗い夜の窓際に座るジェムが居る。
「ジェム様…最近体調の方は大丈夫ですか?」
いつも五月蝿いくらい気にをかける執事が居る。
「あぁ、大丈夫だ、問題無い」
「血の好みなど変わりましたら遠慮無くこの執事にお申し付け下さい」
「あぁ、いつも助かってる」
軽く会釈をし執事もどこかに行ってしまう。
最近のジェムは、体調が優れないらしい、新鮮な血が中々手に入らず老いが急加速している様だ。人間界に住むには警察という物が厄介らしく、それにはお世話になりたくないと思い行方不明の子供を見つけては連れて来て、採血してから家に帰すと言う、吸血鬼らしくない生活をしていた。
(このままだと…私は人を殺して血の海に溺れるかもしれない)
そう思うと、悪魔が血が混じったジェムは赤黒い角が2本生えてくるようになり、余りの痛さの床にしゃがみ込んだ。
(角が生えると頭が割れる程痛い)
「あの…大丈夫ですか…?」
聞き慣れない声が頭上からした。
ジェムが見上げると雅が居た。
「お前…何故ここに」
「あの部屋…少し苦手で…それに物音が聞こえたので」
ジェムは少し目線を下げ立ち上がる。
「お前には関係ない」
「…さっきまで角…生えてませんでしたよね?人間じゃないんですか?」
雅はジェムを見上げ、ジェムは雅を見下す様に見ると、私が怖いか?と尋ねる。
怖くありませんと声と震わしながら言った。
「そうか…お前の勇気に褒美をやろう」
雅を軽く持ち上げ担がれ再び部屋に戻されベッドに運ばれる。ジェムも雅に背を向ける状態でベッドに腰を掛け口を開く。
「私の話を聞かせてやろう…遠い昔の話だ。母はサキュバスの悪魔で父は純血の吸血鬼、私の母が父を誘惑し私が生まれた。ほぼ父の血が多いらしいが母の血の影響で角が生える…父は私が不要だったらしい、純血の吸血鬼じゃないから。父に嫌われていたから昼間に外に出されては母に助けれて父にバレないよう母が匿ってくれた、けどそんな母が大っ嫌いで、父が好きだった。おかしいだろ私は。母との間に純血の吸血鬼じゃない子供は要らないと夜な夜な私の目の前で叫んでたんだ、今でも掌に父からの傷が残ってる」
掌に大きく傷が残っているのが見える。
「どうして、そんなお父さんが好きなんですか?僕の父は母に手を出していたので大嫌いでした」
「…同じ…吸血鬼だから、でも、悪魔の血も入ってるから父には吸血鬼とは思われてない、あの時を思うとあの頃は私はおかしかったんだろうな」
掌を見つめるジェムに雅はジェムの手に手を添えるとびっくりした様な顔で雅を見た。
「僕あなたの力になりたい、困ってる人居たら母に助けてあげてって言われたので」
「人外は別だろう」
「生きてるものは一緒です!…あっ…すみません…手」
「いや、良い」
少し困った顔をするジェム。
「あ、僕あなたの名前聞いてないです、僕は雅です」
「…ジェムだ、私が嫌いな人はブーゼとも呼ぶ」
「じゃあ、ジェムさんって呼びますね」
好きしろと言い立ち上がると、背を向けたまま口を開く。
「お前は私の餌ということを忘れるな?」
そう言い残しジェムは再び消え、部屋中の鍵がガチャガチャと施錠される。
廊下に出ると執事が居た。
「あ、ジェム様」
「なんだ」
「昨夜行方不明の女子高生が此方で保護された様で…どうされますか?」
「パックに貯めとけ」
「分かりました…連れてきた男性は…」
どうされますか?と聞こうとした瞬間、ジェムは言葉を重なる様にアレは私のだ誰も手を出すなと言った。
満足するほど吸血出来ず、息が上がる。
「執事」
「はい」
「今日は私がやるから、執事は後ゆっくりしろ」
「いんですか」
「いい、分かったら部屋に戻れ」
お言葉に甘え執事は自分の部屋に戻っていく。
部屋に戻ったのを確認するとジェムは女子高生が居る地下室に向かう。
地下室には3人の高校生が催眠ガスの中で眠ってる。ガスを止めて数分後中に入り、2人分の血を採血パックに貯めていく。サラサラと血液がパックに少しづつ溜まっていく。
もう1人の高校生を座らせ首元に噛み付く、ゆっくり血を吸い上げる。首元から離すと血がタラーと溢れ零さないように舐めとる様に舌を這わす。
(ふぅ…)
足がふらつきながら地下室を出る。
執事の部屋に行き後は頼んだとすぐ何処かに消えてしまった、気付けば雅が居る自分の部屋。
ベッドの腰掛けギシッとなった音で雅が目を覚ます。目を擦りながらジェムさんと呟く。
「…すまない、起こしてしまったか?人間は今の時間は寝ているものだな」
「何かあったのですか?」
「何も無いが…どうしてだ?」
ベッドから起き上がり背中を向けてるジェムに話しかける。
「僕が見た時より…なんだか雰囲気が…怖いです…」
「…どうしてそう思う?」
「吸血鬼って言うのは信じようと思うのですが…何となくさっきと雰囲気が違う気がして…殺気立ってるというか…」
そうだな…と言いながら雅を押し倒し強引に首筋に噛み付いた。
「ちょっ…と、あっ…ん」
快楽に似たような感覚に血を吸われる度力が段々抜けていく。
ぢゅるぢゅると水音を立てながら血を吸われ雅は段々抵抗できなくなっていった。
力を振り絞ってジェムの顔を見ると、月光で今まで以上に猫目がはっきり分かり血に飢えている顔で口元から血が垂れ、その血を啜るように舌を舐めずる。
そして見間違えかジェムが少し若く見えた気もした。
(なんだこれは)
ジェムも気が付き、血の相性が良いと若返るという事。だが人間は寿命が有り一緒に共に出来ない。相性の良い人が亡くなればまた探すのに苦労すると言う繰り返し。
「…お前…私の番か?」
「番…?」
「お前の血を飲むとおかしいんだ」
「…どの血を飲んでも一緒じゃ…」
「一緒じゃない、何百年と生きてきてこんな事は初めてだ…」
「でも、僕はよく分からない…今凄く身体だるいんだ…」
雅は目を瞑ると寝息を立てて眠ってしまう。
「執事に知らせなくては」
執事の部屋に入り先程の事を伝えた。
「これは番だよな?」
「そうですね…まさかたまたま連れてきた方が番になられるとは…ジェム様はどうされるんですか?」
「番にする」
「ですが…」
「知ってる」
番にするには、相手の血を数滴交換する。人間の場合1度殺さなければならない。吸血鬼の血を傷口に流れ込ませ生き返れば番として人間から吸血鬼の人生を歩むことになる。そのまま死ねば番の儀式は終わる。
「私の血を何度でも生き返るまで分け与える」
「ですが…それだとジェム様が消えてしまいます!」
「雅が生き返ればなんでもいい」
「そうですか…ジェム様、あの方が来てから少し変わりましたね」
「変わってない、普通だ」
「いつ、儀式しますか?…あの方には伝えてますか?」
「伝えても拒否られるだろう」
「では強制的にですか?」
「そうなるな…私からも一応言っておく」
雅が起きる朝の時間、部屋が真っ暗で何時かも時間が分からない。
「あ、ジェムさん…」
目を擦りながらベッドから起き上がると、壁際に腕を組んで立っている。
「話があるんだが、聞いてくれるか?」
「はい」
「今夜、番の儀式をやる」
「ツガイの儀式…?」
「私とお前で数滴血を交換し、お前を殺す、そしてお前を生き返らせる」
「…ん?えっ、え?!殺す?」
「そうだ、1度人間を殺して私と同じ人生を歩んでもらう」
「え、分かんない…意味わかんない、どういう事?え?死ぬの?嫌だ…まだ死にたくない」
急に今日殺すと言われ、生き返らせると言われても訳が分からずパニックになり涙も溢れてくる。
「嫌だ…嫌だ…死にたくない!」
パニックになる雅を見てジェムはスっと雅に近寄り力強く抱きしめた。
「信じろと言っても無理だろうが…必ずお前を生き返らせるから…お願いだ、俺の番になってくれ」
吸血鬼の番は人間の結婚のと同じ。何度もジェムが雅を落ち着かす為に抱き締め頭を撫でたり安心してもらう様、何度も名前を呼ぶ。
「雅しか居ないんだ…」
「…生き返ったら…僕は人間じゃなくなるんでしょ?」
パニックで泣きすぎて声がガラガラになる。
「…そうだな…俺と同じ人生は嫌か?」
「……死ぬのが怖い」
「そうだな…お前はまだ子供だからな…俺は死ぬのは怖く無い、お前が生き返るまで血を捧げる…もし、お前が死んでい生き返らなければ俺を呪い殺せばいい、それぐらい俺は覚悟ある」
人間がこんだけじゃ納得いく訳が無い。
「今日は部屋に閉じ込めないからもし、俺と番になってもいいと思ったら執事の部屋に来てくれ…突然でパニックとかもあるし時間は少ないけど強制的にしない」
そう言って雅の前から姿を消した。
そして夜。
執事の部屋にはジェムと執事。
「あの方は来るんでしょうか?」
「来る、来なければ強制的に決行する」
少し時間が経ちジェムを苛立ちを覚え始める。
するとドアの向こうからノック音が聞こえた。
「入れ」
「…決意まだ固まってないけど…ジェムさんが幸せになるなら助けます」
「来ただろ?」
「では始めましょうか」
バスルームに行きましょうと告げ、雅とジェムは一緒に歩き出す。
「ありがとな」
「…僕でジェムさんが生きる糧になるなら…でも、決意はまだ迷ってるんです…」
「でも、来たって事はだいたい決意固まってるのと一緒だ」
歩きながら雅を安心させようと言葉を並べお風呂場に着く。
「では今から儀式を始めますね、まずはお互いの血を数滴交換してもらいます」
小型ナイフを渡される。
ナイフで戸惑っているとジェムが口を開く。
「指先でいい」
お互いの指に傷を付け口に含む。そして人間(雅)を殺す。
「良いか、必ず生き返らせる」
雅は心臓がバクバクし過呼吸になりかける。大丈夫か?と問う様に背後から抱きしめる。
「少し落ち着くまで座るか?」
言葉が発せれなくて首を動かす。ゆっくり座らせ背後にジェムが抱きしめる状態で居る。頭を撫でたり落ち着かせる。
大丈夫だと言った瞬間、雅の首をナイフで首を掻き切り苦しもがく雅の顔がジェムの目に映る。
首からドクドク血が流れ雅の息も過呼吸みたいな息になり段々肌も白くなっていく。
死亡が確認された後ジェムは自分の手首をナイフで切り付け雅の首元に血を交わらせる。ジェムの手首からドクドク血が流れる。
(お願いだ…生き返ってくれ)
思ったより生き返るまでが時間かかっている、執事も血の量を見ると止めに入ったがジェムに止められる。
「俺は雅と必ずに生き返らせると約束した、約束を裏切るわけにはいかない」
雅の傷口は徐々に塞いできたが雅が息を返さない。
お願いだと何度も願い、ジェムもぐったりしてくる。バスルームは当たり1面血塗れ鉄の匂いが充満している。
何時間だっただろうか、ジェムは細く乾涸びた状態。執事が2人とも片付けようとした時、雅の指ピクリと動き目が開いた。
雅の目は明るいブラウンに猫目、吸血鬼になりたての小さな牙。思いっきり息を吹き返し噎せた。辺りを見回すと乾涸びたミイラ化した人と執事が立ってる。
「その人は?」
「ジェム様です、あなたを生き返るまで血をずっと貴方に与え続けてました、この状態で生き返るのは難しいので今から処分しようと思っておりました」
すると雅は執事の手を跳ねのけ、自分の手首を切り付け少し開いてる乾涸びたジェムの口から自分の血を流し込む。
「…ジェムさん…僕はあなたを死なせる気はありません、貴方と人生歩むと腹を括ったので、ここで死んでしまったら意味がないです!」
少しでも雅の血が流れ込んだ瞬間、ジェムの身体は一瞬で肌色を取り戻しゆっくりと目が開く。
「…お前」
「ジェムさん…」
ジェムが生き返った瞬間に執事はサッと身を引く。
「ジェムさんが死んだら、僕は呪い殺せませんから」
「お前どんだけ俺の血をあげたら生き返るんだ」
「無事生き返りました、吸血鬼として」
血塗れの身体でお互い抱き合い何度も唇を重ねる。
「ジェムさんの血の味がします」
「雅の血は格別だな」
「大好きです」
「これから長い人生一緒に歩もうな」
𝑒𝑛𝑑
【注意書き】
⚠️この作品には以下の要素が含まれます⚠️
・吸血鬼・サキュバスなどのファンタジー要素
・暴力的・流血描写あり(吸血や傷のシーンがあります)
・強制的な「番(つがい)の儀式」など少しシリアス・ダークな展開
・心の葛藤やトラウマを扱ったシーンがあります
・BL作品です。苦手な方はご注意ください。
⚠️本編は18歳以上推奨です!未成年の閲覧はご遠慮ください⚠️
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目を覚ますと、そこは陽の光が届かない古びた洋館だった。訳も分からず閉じ込められた遼河 雅は、目の前の男――ジェム・ダーヴィト・アンデルセンから信じがたい言葉を告げられる。
「お前は今日から私の餌だ」
吸血鬼と悪魔の血を引くジェムは、人間の血を糧に生きていた。だが、彼の体は衰えており、雅の血を口にした瞬間――奇妙なことが起こる。
「…何だこれは。お前の血は、私を狂わせる」
偶然拾われたはずの雅は、ジェムにとって特別な”番”なのかもしれない。しかし、その証明にはある儀式が必要だった。
「お前を一度、殺す」
生きるか、死ぬか。人間としての命を手放し、永遠を生きるのか――。
闇に囚われた青年と、孤独に苛まれる吸血鬼。二人の運命が、狂い始める。
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深い森。
灯りが着いてない真っ暗な道。
雅は気を失い誰かに抱えられ揺れていると、大きな屋敷に着いた。不気味な洋館で何かが出てきそうな雰囲気。
「ジェム様お疲れ様です、其方は?」
「拾った、私の部屋に置いておけ…あ、後逃げないように鍵を閉めておけ」
そう言って執事に雅を預け、餌のある部屋に足を運ぶ。
執事は会釈をし、雅をジェムの部屋に連れていき外から全て鍵を閉める。
「おい」
「ジェム様、なんでしょうか」
「餌は体調悪いのか?」
口元から血を垂らすジェムが居る。
「何かありましたか?」
「不味い、吐きそうなくらい不味い」
「期限でしょうか…また、新しいのを入れておきましょう」
「頼む…アイツは目が覚ましたか?」
「いえ、まだ」
「そうか」
そう言って自分の部屋に戻っていく。
蝋燭の灯りだけが灯っているジェムの部屋、日中も光が入らないように板で窓を塞いでカーテンを付けている。
雅が居るベッドに腰を掛けギシッと軋む。
雅の頬を叩き雅を起こす。
「おい」
「ん……!!」
誰ですか!と聞く前に手で口を塞がれた。
色白でグレーの猫目、グレーのロングヘア。
「お前は今日から私の餌だ、常に健康体でいろ」
「ちょっと待って、状況が読めないし僕は仕事もある」
「問題ない、生活は困らせない」
「こんな部屋…気がおかしくなりそうだ」
ブワッと圧みたいなのがのしかかって、水の中に顔を付けられてるみたいだ。
「言う通りにしてたら何もしない、ご飯は執事が持ってくる、人間は風呂も入るのだろう?風呂も執事がやるから安心しろ」
その話が終わると圧も解かれ息も出来るようになった、そしてジェムもいつの間にかいなくなっていた。
雅が居る部屋は一切日光が入らなく、灯りは蝋燭のみ。何かが出てきそうな雰囲気で怖くなりベッドに潜り込んだ。
「僕…どうなるんだろ…」
暗い夜の窓際に座るジェムが居る。
「ジェム様…最近体調の方は大丈夫ですか?」
いつも五月蝿いくらい気にをかける執事が居る。
「あぁ、大丈夫だ、問題無い」
「血の好みなど変わりましたら遠慮無くこの執事にお申し付け下さい」
「あぁ、いつも助かってる」
軽く会釈をし執事もどこかに行ってしまう。
最近のジェムは、体調が優れないらしい、新鮮な血が中々手に入らず老いが急加速している様だ。人間界に住むには警察という物が厄介らしく、それにはお世話になりたくないと思い行方不明の子供を見つけては連れて来て、採血してから家に帰すと言う、吸血鬼らしくない生活をしていた。
(このままだと…私は人を殺して血の海に溺れるかもしれない)
そう思うと、悪魔が血が混じったジェムは赤黒い角が2本生えてくるようになり、余りの痛さの床にしゃがみ込んだ。
(角が生えると頭が割れる程痛い)
「あの…大丈夫ですか…?」
聞き慣れない声が頭上からした。
ジェムが見上げると雅が居た。
「お前…何故ここに」
「あの部屋…少し苦手で…それに物音が聞こえたので」
ジェムは少し目線を下げ立ち上がる。
「お前には関係ない」
「…さっきまで角…生えてませんでしたよね?人間じゃないんですか?」
雅はジェムを見上げ、ジェムは雅を見下す様に見ると、私が怖いか?と尋ねる。
怖くありませんと声と震わしながら言った。
「そうか…お前の勇気に褒美をやろう」
雅を軽く持ち上げ担がれ再び部屋に戻されベッドに運ばれる。ジェムも雅に背を向ける状態でベッドに腰を掛け口を開く。
「私の話を聞かせてやろう…遠い昔の話だ。母はサキュバスの悪魔で父は純血の吸血鬼、私の母が父を誘惑し私が生まれた。ほぼ父の血が多いらしいが母の血の影響で角が生える…父は私が不要だったらしい、純血の吸血鬼じゃないから。父に嫌われていたから昼間に外に出されては母に助けれて父にバレないよう母が匿ってくれた、けどそんな母が大っ嫌いで、父が好きだった。おかしいだろ私は。母との間に純血の吸血鬼じゃない子供は要らないと夜な夜な私の目の前で叫んでたんだ、今でも掌に父からの傷が残ってる」
掌に大きく傷が残っているのが見える。
「どうして、そんなお父さんが好きなんですか?僕の父は母に手を出していたので大嫌いでした」
「…同じ…吸血鬼だから、でも、悪魔の血も入ってるから父には吸血鬼とは思われてない、あの時を思うとあの頃は私はおかしかったんだろうな」
掌を見つめるジェムに雅はジェムの手に手を添えるとびっくりした様な顔で雅を見た。
「僕あなたの力になりたい、困ってる人居たら母に助けてあげてって言われたので」
「人外は別だろう」
「生きてるものは一緒です!…あっ…すみません…手」
「いや、良い」
少し困った顔をするジェム。
「あ、僕あなたの名前聞いてないです、僕は雅です」
「…ジェムだ、私が嫌いな人はブーゼとも呼ぶ」
「じゃあ、ジェムさんって呼びますね」
好きしろと言い立ち上がると、背を向けたまま口を開く。
「お前は私の餌ということを忘れるな?」
そう言い残しジェムは再び消え、部屋中の鍵がガチャガチャと施錠される。
廊下に出ると執事が居た。
「あ、ジェム様」
「なんだ」
「昨夜行方不明の女子高生が此方で保護された様で…どうされますか?」
「パックに貯めとけ」
「分かりました…連れてきた男性は…」
どうされますか?と聞こうとした瞬間、ジェムは言葉を重なる様にアレは私のだ誰も手を出すなと言った。
満足するほど吸血出来ず、息が上がる。
「執事」
「はい」
「今日は私がやるから、執事は後ゆっくりしろ」
「いんですか」
「いい、分かったら部屋に戻れ」
お言葉に甘え執事は自分の部屋に戻っていく。
部屋に戻ったのを確認するとジェムは女子高生が居る地下室に向かう。
地下室には3人の高校生が催眠ガスの中で眠ってる。ガスを止めて数分後中に入り、2人分の血を採血パックに貯めていく。サラサラと血液がパックに少しづつ溜まっていく。
もう1人の高校生を座らせ首元に噛み付く、ゆっくり血を吸い上げる。首元から離すと血がタラーと溢れ零さないように舐めとる様に舌を這わす。
(ふぅ…)
足がふらつきながら地下室を出る。
執事の部屋に行き後は頼んだとすぐ何処かに消えてしまった、気付けば雅が居る自分の部屋。
ベッドの腰掛けギシッとなった音で雅が目を覚ます。目を擦りながらジェムさんと呟く。
「…すまない、起こしてしまったか?人間は今の時間は寝ているものだな」
「何かあったのですか?」
「何も無いが…どうしてだ?」
ベッドから起き上がり背中を向けてるジェムに話しかける。
「僕が見た時より…なんだか雰囲気が…怖いです…」
「…どうしてそう思う?」
「吸血鬼って言うのは信じようと思うのですが…何となくさっきと雰囲気が違う気がして…殺気立ってるというか…」
そうだな…と言いながら雅を押し倒し強引に首筋に噛み付いた。
「ちょっ…と、あっ…ん」
快楽に似たような感覚に血を吸われる度力が段々抜けていく。
ぢゅるぢゅると水音を立てながら血を吸われ雅は段々抵抗できなくなっていった。
力を振り絞ってジェムの顔を見ると、月光で今まで以上に猫目がはっきり分かり血に飢えている顔で口元から血が垂れ、その血を啜るように舌を舐めずる。
そして見間違えかジェムが少し若く見えた気もした。
(なんだこれは)
ジェムも気が付き、血の相性が良いと若返るという事。だが人間は寿命が有り一緒に共に出来ない。相性の良い人が亡くなればまた探すのに苦労すると言う繰り返し。
「…お前…私の番か?」
「番…?」
「お前の血を飲むとおかしいんだ」
「…どの血を飲んでも一緒じゃ…」
「一緒じゃない、何百年と生きてきてこんな事は初めてだ…」
「でも、僕はよく分からない…今凄く身体だるいんだ…」
雅は目を瞑ると寝息を立てて眠ってしまう。
「執事に知らせなくては」
執事の部屋に入り先程の事を伝えた。
「これは番だよな?」
「そうですね…まさかたまたま連れてきた方が番になられるとは…ジェム様はどうされるんですか?」
「番にする」
「ですが…」
「知ってる」
番にするには、相手の血を数滴交換する。人間の場合1度殺さなければならない。吸血鬼の血を傷口に流れ込ませ生き返れば番として人間から吸血鬼の人生を歩むことになる。そのまま死ねば番の儀式は終わる。
「私の血を何度でも生き返るまで分け与える」
「ですが…それだとジェム様が消えてしまいます!」
「雅が生き返ればなんでもいい」
「そうですか…ジェム様、あの方が来てから少し変わりましたね」
「変わってない、普通だ」
「いつ、儀式しますか?…あの方には伝えてますか?」
「伝えても拒否られるだろう」
「では強制的にですか?」
「そうなるな…私からも一応言っておく」
雅が起きる朝の時間、部屋が真っ暗で何時かも時間が分からない。
「あ、ジェムさん…」
目を擦りながらベッドから起き上がると、壁際に腕を組んで立っている。
「話があるんだが、聞いてくれるか?」
「はい」
「今夜、番の儀式をやる」
「ツガイの儀式…?」
「私とお前で数滴血を交換し、お前を殺す、そしてお前を生き返らせる」
「…ん?えっ、え?!殺す?」
「そうだ、1度人間を殺して私と同じ人生を歩んでもらう」
「え、分かんない…意味わかんない、どういう事?え?死ぬの?嫌だ…まだ死にたくない」
急に今日殺すと言われ、生き返らせると言われても訳が分からずパニックになり涙も溢れてくる。
「嫌だ…嫌だ…死にたくない!」
パニックになる雅を見てジェムはスっと雅に近寄り力強く抱きしめた。
「信じろと言っても無理だろうが…必ずお前を生き返らせるから…お願いだ、俺の番になってくれ」
吸血鬼の番は人間の結婚のと同じ。何度もジェムが雅を落ち着かす為に抱き締め頭を撫でたり安心してもらう様、何度も名前を呼ぶ。
「雅しか居ないんだ…」
「…生き返ったら…僕は人間じゃなくなるんでしょ?」
パニックで泣きすぎて声がガラガラになる。
「…そうだな…俺と同じ人生は嫌か?」
「……死ぬのが怖い」
「そうだな…お前はまだ子供だからな…俺は死ぬのは怖く無い、お前が生き返るまで血を捧げる…もし、お前が死んでい生き返らなければ俺を呪い殺せばいい、それぐらい俺は覚悟ある」
人間がこんだけじゃ納得いく訳が無い。
「今日は部屋に閉じ込めないからもし、俺と番になってもいいと思ったら執事の部屋に来てくれ…突然でパニックとかもあるし時間は少ないけど強制的にしない」
そう言って雅の前から姿を消した。
そして夜。
執事の部屋にはジェムと執事。
「あの方は来るんでしょうか?」
「来る、来なければ強制的に決行する」
少し時間が経ちジェムを苛立ちを覚え始める。
するとドアの向こうからノック音が聞こえた。
「入れ」
「…決意まだ固まってないけど…ジェムさんが幸せになるなら助けます」
「来ただろ?」
「では始めましょうか」
バスルームに行きましょうと告げ、雅とジェムは一緒に歩き出す。
「ありがとな」
「…僕でジェムさんが生きる糧になるなら…でも、決意はまだ迷ってるんです…」
「でも、来たって事はだいたい決意固まってるのと一緒だ」
歩きながら雅を安心させようと言葉を並べお風呂場に着く。
「では今から儀式を始めますね、まずはお互いの血を数滴交換してもらいます」
小型ナイフを渡される。
ナイフで戸惑っているとジェムが口を開く。
「指先でいい」
お互いの指に傷を付け口に含む。そして人間(雅)を殺す。
「良いか、必ず生き返らせる」
雅は心臓がバクバクし過呼吸になりかける。大丈夫か?と問う様に背後から抱きしめる。
「少し落ち着くまで座るか?」
言葉が発せれなくて首を動かす。ゆっくり座らせ背後にジェムが抱きしめる状態で居る。頭を撫でたり落ち着かせる。
大丈夫だと言った瞬間、雅の首をナイフで首を掻き切り苦しもがく雅の顔がジェムの目に映る。
首からドクドク血が流れ雅の息も過呼吸みたいな息になり段々肌も白くなっていく。
死亡が確認された後ジェムは自分の手首をナイフで切り付け雅の首元に血を交わらせる。ジェムの手首からドクドク血が流れる。
(お願いだ…生き返ってくれ)
思ったより生き返るまでが時間かかっている、執事も血の量を見ると止めに入ったがジェムに止められる。
「俺は雅と必ずに生き返らせると約束した、約束を裏切るわけにはいかない」
雅の傷口は徐々に塞いできたが雅が息を返さない。
お願いだと何度も願い、ジェムもぐったりしてくる。バスルームは当たり1面血塗れ鉄の匂いが充満している。
何時間だっただろうか、ジェムは細く乾涸びた状態。執事が2人とも片付けようとした時、雅の指ピクリと動き目が開いた。
雅の目は明るいブラウンに猫目、吸血鬼になりたての小さな牙。思いっきり息を吹き返し噎せた。辺りを見回すと乾涸びたミイラ化した人と執事が立ってる。
「その人は?」
「ジェム様です、あなたを生き返るまで血をずっと貴方に与え続けてました、この状態で生き返るのは難しいので今から処分しようと思っておりました」
すると雅は執事の手を跳ねのけ、自分の手首を切り付け少し開いてる乾涸びたジェムの口から自分の血を流し込む。
「…ジェムさん…僕はあなたを死なせる気はありません、貴方と人生歩むと腹を括ったので、ここで死んでしまったら意味がないです!」
少しでも雅の血が流れ込んだ瞬間、ジェムの身体は一瞬で肌色を取り戻しゆっくりと目が開く。
「…お前」
「ジェムさん…」
ジェムが生き返った瞬間に執事はサッと身を引く。
「ジェムさんが死んだら、僕は呪い殺せませんから」
「お前どんだけ俺の血をあげたら生き返るんだ」
「無事生き返りました、吸血鬼として」
血塗れの身体でお互い抱き合い何度も唇を重ねる。
「ジェムさんの血の味がします」
「雅の血は格別だな」
「大好きです」
「これから長い人生一緒に歩もうな」
𝑒𝑛𝑑
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