全部俺の思う通りにしてやる(東雲祐介×澤端隼人)

朝比奈*文字書き

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俺の思う通りにしてやる⑩

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【注意書き】

※この作品には以下の表現が含まれます。
・成人向け描写(性描写・性的な接触・身体的な描写)
・お風呂でのイチャイチャ/性的なスキンシップ
・軽度の執着・独占欲表現
・ちょっぴり歪んだ愛情表現あり
・ふたりの関係の再構築・感情の揺れ動きが中心のストーリー展開
※18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。

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東雲祐介×澤端隼人

(誰かがエントランスに入ってきた…)


「入んないの?」

背後から声を掛けられ、ビクッと体を震わせる。息を飲むように振り向く。

「……あ…ゆ、すけ」
好きな筈なのに声が震える。
「何しに来たの?入んないの?」

「は、入る」

祐介は買い物帰りで、エントランスの鍵を開け、隼人を中に入れる。
体が強ばって、少し距離を開けてしまう。

一緒にエレベーターに乗り、部屋まで終始無言だった。

「上がって」
「…ありがと」
靴を脱いで立ち止まってしまう。
それを見た祐介が目線も合わせず口を開く。
「ソファー座ったら?なんで立ち止まってんの?」
「あ、うん」
久しぶりに来た祐介の家の匂いに落ち着いてしまう。

(……やっぱり祐介の匂い)

ソファーに座り、祐介が水を持ってくる。
隼人が座ってる横に腰を下ろした。その瞬間祐介の香水がフワッと隼人の鼻を掠める。

「何か用事?」
隼人を問い詰めないよう優しい口調で喋る。
ふと、祐介の方に目をやると目が合い、思わず目を背け口篭ってしまう。

「隼人が喋るまで待つよ」

「うん……あのさ……やっぱり祐介のこと…無理なんだ…」
隼人の声は震え、目の前がぼやける。
「突き放されたり、拒否されたりしても…どっかで頭の中でぐるぐる祐介のことが回ってて…離れなくて…」
泣きそうなのをごまかすように笑ってみせたけれど、その笑顔は歪んでいた。
「……俺、どうしたらいい?」

祐介が静かに問いかける。
「お前はどうしたいの?俺を」

その言葉に、隼人は胸の奥で何かが崩れるような感覚を覚えた。心の中で、ずっと自分に言い聞かせてきた言葉が、今、やっと口をついて出る。
「俺は…祐介のそばに居たい」
息を呑んでその言葉を呟いた。自分の気持ちを初めて正直に言葉にした瞬間、心が軽くなるのを感じた。

「それだけ?俺のそばにいるだけ?」
「…な、なんで俺気持ち分かってんのに、そんな事言うの?」
顔を真っ赤にして口を開く。

「はっきりしないから」
「…祐介と……ずっと傍に居たいし、一緒にご飯も食べたい、遊びに行きたいし、一緒に寝たいし……祐介の匂いに包まれたい……」
声が震える。

「それなら普通に今まで通りでいいじゃん、何が不満?」

「……違う……違う……祐介が好きなんだよ、祐介は……もう俺の事鬱陶しいだろうから…」
「それ嫌い、はっきり言えって言ってるだろ」

「……付き合ってよ」
「目ぇ見て言えよ」

顔が真っ赤で涙目になる、声も震える。

「…付き合って……何回言えば分かるんだよ…」
「そんなグズグズの顔で言えばわかるよ」
今まで以上に優しい雰囲気だった。
「祐介の……返事は?」
「俺は言わなくても分かるだろ」

隼人の頬に手を添え、キスをした。

「やっと俺の元に来てくれた」
隼人を優しく抱きしめた。隼人は息が詰まりそうな程嬉しくなる。

祐介の名前をいっぱい呼んで、匂いに包まれて祐介の服が濡れるくらい泣いた。

「泣きすぎ」
「だって…ずっと……祐介の事が頭離れなくて…このまま祐介から離れたら…俺どうなるんだろ……って」
「それはお前の行いだろ?」

「もう…祐介には迷惑かけない」
「迷惑かけんのがお前だろ、掛けない方が俺もいいけど……いつまで泣いてんの?」
ほら、そんなグズグズな顔で俺と付き合うつもり?と良いながら親指で隼人の涙拭う。
「目も真っ赤、鼻も真っ赤、ほら、鼻水出てる」
「…見るなー」
テーブルの上にあったティッシュで顔を隠す。
「いつまでもグズグズだともっとグズグズにするぞ」
ヒョイっと隼人を担がれる。
「ちょ…ちょっと」
ベッドに連れて行かれ、ベッドに軋む。
ちゃんと付き合ってからの初めてで、隼人は緊張し体が強ばる。
「何、緊張してんの?今まで散々やったのに?」
「そ、それと、これは……違うじゃん…」

「…じゃあ、初めてか」
隼人は頭を全力で振る。
「もう、グズグズじゃなくなったな」
祐介は隼人の頭を撫でる。
「隼人はしたい?」
「…連れてこられたから……するのかと…思った」

「お前がしたいならする、俺がしたいだけならしない」
(……祐介って…こんなにかっこよかった…?)
思わず手を前で組んでしまう。
「……し…したい…でも祐介ばっかするの……嫌だから俺も」
「じゃあ…」
一緒に風呂入ろうかと隼人の耳元で囁く。
「……うん」
「ちょっと準備するから先風呂行ってて……後、お湯貯めててくれる?」
そう言われ、隼人は湯船にお湯をはる。
祐介はお風呂に向かう。

「お風呂入ってないの?」
「…一人で裸で待ってるのが…恥ずかしくて」
祐介はパッパッと服を脱ぎお風呂の床を温める。

「何やってんの?隼人、まだ?」
「…あ……その」
下を隠す隼人。
「起ってんのいつもの事だろ、早く来い」
妙に恥ずかし過ぎて、顔が赤くなる。
ほら、と祐介に腕を引っ張られ、椅子に座らされ体を洗われる。
頭からシャワーをかけられびっくりする隼人。
「ちょ…」
「俺の匂いに包まれたいんだろ、いつも使ってるシャンプー」
「…あ、ありがと」
祐介にシャンプーされ、トリートメントもされいつもの匂いに包まれていく。
泡を立て体に泡をつけて洗っていく。
「祐介、1個聞いてもいい?」
「ん?」
「あのさ…祐介が出張から帰ってきた時さ、なんで俺が絡まれてるの知ってたの?大事な人が居るって言われた時びっくりした……」
「あー、あれ?お前助けた警察官いるじゃん?あれ、知り合いなんだよ、その警察から連絡が来たからさ(ほんとは、絡ました人に小型カメラ付けてお願いしたなんて言えない)」
その小型カメラで隼人の行動を見ていた。
──心配だからじゃない。ただ、離れてる間も全部、隼人を見ていたかっただけ。

「顔広すぎない?」
「一応社長みたいなんもんだから、色んな人と知り合いになっといたほうが良いからな」
「ふーん」
祐介は心の中で笑っていた。
「何か不満?」
「ううん、なんか警察官の人が祐介に伝えてくれてたのがちょっと嬉しいかった」
「すぐトラブル持ち込むから心配だったんだよ……前洗うからこっち向くか俺が後ろから洗うのどっちがいい?」
「自分で洗うって選択肢ないの?」
「無い、俺に洗われるか俺に洗われるか」
「じゃ、じゃあ…洗われます……あ、へ、変な洗い方しないでよ!」
「何、変な洗い方って……こう言う洗い方?」
泡で手を滑らせ舐めるように指を触れる。
「ふ、普通に…洗って…ん」
「ん?何、隼人…声、漏れてる」
「…無理……」
今まで以上に敏感になって、隼人はおかしくなりそうで怖かった。
シャワーで洗い流し、湯船に隼人を浸ける。
「ゆっくり浸かってて」
湯船に浸かると祐介のお腹と腕に目がいった。
(……祐介…筋肉ついたのかな)
「ねぇ、祐介って鍛えてる?」
「いや、別に、なんで?」
「…んーなんか鍛えるのかなって」
「たまにジムに通う位だよ」
そう言いながら、祐介も湯船に浸かり、隼人を背後から抱っこする体制になる。
(ど、どうしよう…心臓が止まりそう……)
「凄い、心臓聞こえるね」
「嘘……」
恥ずかしくて顔を手で隠した。
「うん、凄く聞こえる」
イタズラ気味に祐介は隼人の柔らかい突起に指を当てる。
小さくビクッとする隼人。
背後から耳元に息がかかるほど距離で祐介は口を開く。
「痛い?ここ…気持ちよかったら声出して」
「耳…やだ…んっ」
耳に舌を這わされる。
鳥肌がゾワッと立つ。
「隼人、こっち向いて」
祐介の方を向いた瞬間、優しくキスをされ舌を絡ませる。
隼人の耳にはキスの水音、自分の心臓の音が響く。祐介が口元から離れると、銀色の糸が引き、隼人はぽわぽわしていた。
「溶けてるみたいだな」
「……好きな人と、こんな事出来るなんて……幸せしかないよ」
「逆上せる前に上がるぞ」
隼人の手を引きお風呂から上がり、体を拭く。
「祐介…お願いある……」
「なに?」
「……き、…き……キス…して欲しい」
隼人の頭を拭きながら、隼人にタオルを被せたまま少し前屈みなり、キスをする。
「ふっ、んっ」
「舌、出して」
わざと見えるように絡ませ、ヂュッと吸う。
荒い息遣いが部屋に響き、リップ音が響く。
唇が離れると、隼人はタオルの中で真っ赤になっていた。
「……ずるい……そういうの……」
「俺がしたくなるようなエロい顔すんのが悪い」
囁かれた声が、耳の奥で跳ねる。もう自分の心音がうるさすぎて、何も聞こえない気がした。
何度も唇を重ね、腰が抜けそうになる。

祐介の匂いと声に蕩けて、いっぱい愛し合って、そのまま眠りに落ちた。


……心も体も、祐介でいっぱいだった。





隼人が祐介の隣で寝息を立てている。


---やっと、俺の元に戻ってきた。










(......もう離れないよな。--お前にトラウマ植え付けたのも、問い詰めたのも、優しくしたのも、全部......予定通りだったから)


祐介は隼人の髪をそっと撫でた。


𝑒𝑛𝑑
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