言葉がチートスキルになった世界で、僕だけが黙示録を書き換える破神構文。創造者と被造者の黙示録

みにぶた🐽

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墜落と再臨

第9章  暴かれる真実

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 僕は深く息を吸い込んだ。これから起こることは、この世界にとって史上最大の変革となるだろう。

「住民の皆さんに真実を説明しましょう」

 僕の言葉に、エターナル・ヴォイドが眉をひそめた。

「本当にそれでいいのか? 混乱が起こるぞ」

「混乱は起こるでしょう」

 僕は頷いた。

「でも、自分たちの運命を決める権利は、彼らにもあります」

 リュウジが不安そうに言った。

「俺たちを恨む者も出てくるかもしれない」

「それも覚悟の上です」

 エリシアが僕の隣に立った。

「隠し事をしたまま決断するのは、フェアではありません」

 カイルも同意した。

「そうだ。真実を知った上で、みんなで決めよう」

 グランベル先生が杖を振った。

「では、街の人々を広場に集めましょう」

 先生の魔法により、街全体に声が響いた。

「リテラ王国の市民の皆様、中央広場にお集まりください。重要な発表があります」

 しばらくすると、人々が広場に集まり始めた。商人、職人、学者、子供たち、老人たち。様々な人々が不安そうな表情で僕たちを見つめている。

 僕は群衆の前に立った。手が震えている。

「皆さん、今日は貴重な時間をいただき、ありがとうございます」

 僕の声が広場に響く。

「これからお話しすることは、信じがたい内容かもしれません。しかし、全て真実です」

 群衆の中でささやき声が起こった。

「まず、僕の正体についてお話しします」

 僕は覚悟を決めた。

「僕は、この世界の創造者の一人です」

 広場に衝撃が走った。人々がざわめき始める。

「創造者って何だ?」

「神様のことか?」

「あの少年が?」

 僕は手を上げて静寂を求めた。

「詳しく説明します。この世界は、三人の創造者によって作られました」

 僕はエターナル・ヴォイドとリュウジを指差した。

「第一創造者のエターナル・ヴォイドさんが世界の基盤を作り、第二創造者のリュウジさんが発展させ、そして僕が第三創造者として関わりました」

 群衆の中から一人の中年男性が立ち上がった。

「それで? それが我々と何の関係がある?」

 僕は最も言いにくい部分に差し掛かった。

「皆さんは……僕たちが創造したキャラクターです」

 広場が一瞬、完全に静まり返った。そして次の瞬間、爆発的な騒動が起こった。

「ふざけるな!」

「馬鹿にしているのか!」

「俺たちが作り物だって?」

 怒号が飛び交う中、一人の老婆が前に出てきた。

「待ちなさい、皆の衆」

 彼女の威厳ある声に、群衆が静まった。

「少年よ、もう少し詳しく話してくれるかい?」

 僕は感謝の気持ちを込めて老婆に頷いた。

「僕たちは元々、別の世界の人間でした。『現代』と呼ばれる、魔法のない世界です。そこで僕たちは『小説家』として、物語を書いていました」

 エリシアが僕を支援してくれた。

「私も最初は信じられませんでした。でも、自分の中に確かに『設定』のようなものを感じるのです」

 群衆の中から、若い女性が震え声で言った。

「それじゃあ、私の恋人への愛情も、作り物なの?」

「違います」

 僕は強く否定した。

「皆さんの感情は全て本物です。確かに最初は設定として作られたかもしれませんが、今の皆さんは完全に独立した存在です」

 カイルが前に出た。

「俺も最初は混乱した。でも、考えてみろ。作り物だろうと何だろうと、俺は俺だ。お前たちもお前たちだ」

 しかし、群衆の反応は様々だった。

 ある者は受け入れようとし、ある者は激しく拒絶し、ある者は茫然自失していた。

 その時、群衆の中から鋭い声が響いた。

「ふざけるな!」

 一人の青年が前に出てきた。彼の瞳には激しい怒りが燃えている。

「俺たちを玩具扱いしやがって!」

 青年の周りに、同調する声が上がった。

「そうだ!」

「神気取りか!」

「許せない!」

 青年が僕を指差した。

「お前らのせいで、俺たちは苦しんできたんだ! 病気で死んだ俺の妹も、お前らの『設定』だったのか?」

 僕は言葉に詰まった。確かに僕が設定した中には、悲劇的な運命を背負ったキャラクターもいた。

「答えろ!」

 青年が拳を握りしめた。

「俺の妹の死は、お前らの娯楽のためだったのか?」

 エターナル・ヴォイドが前に出た。

「その通りだ」

 彼女の率直な言葉に、広場がざわめいた。

「私たちは物語を作るために、様々な設定を考えた。悲劇も、喜劇も、全て物語の一部として」

 群衆の怒りが爆発した。

「殺せ!」

「神を殺せ!」

「復讐だ!」

 しかし、その時、老婆が再び声を上げた。

「待ちなさい!」

 彼女の声に、群衆が再び静まった。

「怒りは分かる。私も最初は憤りを感じた」

 老婆は僕たちを見た。

「でも、考えてみておくれ。この創造者たちがいなければ、私たちは存在しなかった」

「存在しない方がよかった!」

 青年が叫んだ。

「苦しむくらいなら、最初からいなかった方が!」

「本当にそう思うかい?」

 老婆が優しく問いかけた。

「お前の妹は、確かに短い命だった。でも、その短い間に、愛し愛されて生きたじゃないか」

 青年の目に涙が浮かんだ。

「だが……だが……」

「その愛情は、決して偽物じゃない」

 エリシアが青年に近づいた。

「私も作られた存在かもしれません。でも、私がアルカディア君や皆さんを大切に思う気持ちは、間違いなく本物です」

 群衆の中に、微妙な変化が起こり始めた。

 一人の母親が子供を抱きしめながら言った。

「確かに、この子への愛情は本物よ。誰が何と言おうと」

 別の男性が頷いた。

「俺の仕事への誇りも、仲間への友情も、全部本物だ」

 しかし、依然として怒りを抱く者たちもいた。

 青年が再び声を上げた。

「だったら証明しろ! 俺たちが本当に独立した存在だということを!」

「どうやって?」

 僕が尋ねた。

「簡単だ」

 青年の瞳に狂気じみた光が宿った。

「お前らを殺すんだ。創造者を殺せれば、俺たちが独立した存在だという証明になる」

 群衆の一部が青年に同調し始めた。

「そうだ!」

「神殺しだ!」

「やってやろう!」

 エターナル・ヴォイドが魔法を構えようとしたが、僕は彼女を制した。

「待ってください」

 僕は青年に向かって歩いた。

「もしあなたが僕を殺したいなら、どうぞ」

「アルカディア君!」

 エリシアが驚いた。

「構いません」

 僕は青年の前に立った。

「でも、一つだけ約束してください」

「何だ?」

「僕を殺した後、この世界をどうするか決めてください。修復するのか、再構築するのか、それとも全てを終わらせるのか」

 青年が戸惑った。

「何の話だ?」

「この世界は不安定になっています」

 僕は説明した。

「創造者が複数関わったことで、設定に矛盾が生じているのです。放置すれば、世界そのものが崩壊します」

 群衆がざわめいた。

「つまり、創造者である僕たちを殺しても、問題は解決しないのです」

 僕は青年の目を見つめた。

「それでも僕を殺しますか?」

 青年の手が震えた。

「俺は……俺は……」

 その時、群衆の中から別の声が上がった。

「待て!」

 現れたのは、僕が見覚えのない中年の男性だった。学者のような雰囲気を持っている。

「私は王立図書館の司書、マルクス・ヴェリタスだ」

 彼は前に出てきた。

「諸君、感情的になるのは分かるが、もう少し冷静に考えるべきではないか?」

 マルクスが群衆を見回した。

「確かに我々は創造された存在かもしれない。しかし、それがどうした?」

「どうしたって……」

 青年が困惑した。

「我々の歴史、文化、感情、全てが本物なのは事実だ。起源がどうであれ、現在の我々は確実に存在している」

 マルクスの論理的な言葉に、群衆が聞き入った。

「そして今、我々は重大な選択を迫られている。感情に任せて創造者を殺すか、それとも理性的に未来を決めるか」

 老婆が頷いた。

「そうじゃ。大切なのは、これからどう生きるかじゃ」

 群衆の中で議論が始まった。創造者を恨む声、理解を示す声、様々な意見が飛び交う。

 僕は仲間たちを見回した。みんな緊張した表情を浮かべているが、逃げようとはしていない。

 そして、ついに群衆の中から結論が出始めた。

「投票しよう」

 マルクスが提案した。

「この世界の未来を、我々自身で決めるのだ」

 群衆がざわめいた。

「賛成!」

「それがいい!」

「民主的に決めよう!」

 青年も、ついに剣を下ろした。

「分かった。投票で決めよう」

 こうして、世界の運命を決める史上初の投票が始まることになった。

 創造者と被造者、全ての意見を集めて、この世界の未来を決定するのだ。

 果たして、どのような結論が出るのだろうか。
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