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広がり続ける
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―酉の州―
そうですか…響殿が…。
響の自刃の話を聞いた司は目を伏せた
司の前には劉、慎、彗がいる
しかし‼︎これで鎖国派の力を一つ削ぎました‼︎
彗は意気揚々と話す
……勢力だけを見ればそうだ。しかし一つの気高い命が失われたことは変わらない。彗、見誤ってはいけない
劉が嗜める
も、申し訳ありません。失言でした
彗も素直に謝罪した
これで鎖国派は本格的に動き出すでしょう
寅や亥などはいきりたっているでしょうね
響殿の自刃は彼らに間違いなく「力」を与えるはずです
……辰の動きが見えないのが気になりますが
(廉殿は何か考えがあるのでしょうか…?)
さて、おそらくですが寅や亥は卯を狙うでしょうね
子の動向、辰の動向を見つつ援軍要請があればすぐに動けるようにしましょう
司は指示を出す
御意
司の屋敷からの帰り道
(あ……)
慎は鈴を見つけた
鈴も慎に気づいているようだがいつものように駆け寄っては来ない
(だがこれから忙しくなる…。話す時間はないな…。)
慎の顔が暗くなったのを劉と彗は見逃さなかった
慎、行ってあげなさい。私たちが動く。他の門下生もいるのだから、大丈夫だ
と劉が微笑む
そうだぞ。これから…どうなるかわからないんだから
こっちは気にせず話してこい
彗も賛同してくれている
二人は慎の背中を押した
…ありがとうございます
二人に礼を言って頭を下げ慎は鈴の元へ走り出す
鈴、鈴‼︎
慎は鈴に駆け寄る
慎…
鈴は少し暗い顔をしている
…どうしたんだ?
だって…戦いが始まっちゃった…すごく怖いよ…。
酉がどこかと戦うのもすぐなのかなって
鈴は泣きそうだ
……
慎はどんな言葉をかければいいのかわからない
慎は今、戦いの準備をしてるの?
ああ。おそらく次は寅や亥が動く。卯や未を狙うだろう。だから援軍要請をされたらいつでも動けるように、武器や兵糧、仲間を集める仕事をするんだ。
(だったら…もしかしたら…)
少しだけ鈴の顔が明るくなった
慎、もう一度約束してね。「慎だけがどこか遠くへ行かない」って
約束する。絶対に守るから
慎は鈴の手を握って誓った
―――――
辰の州
(響殿は誇り高い死を選ばれたか…私は…)
廉の心はあの会合から揺れ続けている
自分の視野が「目の前」だけを見続け極端に狭くなっていたことを痛感したからだ
(この国の「本当の未来」を見据えていたのは彼らの方だったと認めざるを得ない)
しかし…
廉は呟く
(今更鞍替えをすることは私の矜持に反する…しかし、積極的にこの戦いに参加することが…果たして「燦の国」にとって良いのだろうか)
彼の心は曇り空のようだった
―寅の州―
なんてことだ‼︎響殿が‼︎
猛は苛立ちを隠せない
その場には亥の州の鐡もいる
誇りを忘れない見事な散り様‼︎天晴れでごさいます、響殿‼︎
鐡は涙を流した
最早、ぐずぐずはしていられない‼︎我々で開国派を潰す‼︎
猛の鼻息は荒い
燿様は戦いを経験されたことがない‼︎そこを早急に叩かれてしまっては…燿様を抑えられてしまったら例え我らが戦えたとしても「負け」が確定する‼︎
…おそらく卯と未は連合になるでしょうな
鐡が呟いた
そうだろうな。山脈は越えられん。それでなくてもまだまだ雪深い。そこを超えるだけで一月はかかってしまう…
だが‼︎卯と未の連合ごとき、我ら寅と亥の連合の前ではただの「狙われた草食動物」だ
その二つを倒してしまえば後ろにいる丑など敵ではない。豊は燿様と同様、戦いを直接したことのない若者。そして気弱な軟弱者だ。侮はないが別段気合いを入れることはしなくていいだろう
では、早速‼︎
ああ…五日後だ。五日後、卯に攻撃をする
ではそれまでに‼︎
(見ていろ‼︎必ずお前たちを…響殿の仇を取り、この国をあるべき姿へと導く‼︎)
猛の瞳は獲物を捉えた肉食動物のようにギラついていた
―巳の州―
(やれやれ、響殿…なにも自刃などしなくてもよかったと思いますけどねぇ。樹殿なら捕らえこそすれ、殺すことはしなかったでしょうに。それにしても…私も随分と視野が狭くなっていたようですねぇ…。これは…「乗る船」を見誤れば…慎重に動かねばなりませんねぇ…。)
中の瞳が怪しく鋭く光る
―申の州―
(全く。誇り高すぎるのも考え物だな。国の存続、ひいては自分たちの存続が最優先だろ…。生きてりゃなんとでもなるんだ。だが、こりゃ…少し考えるべきかな。俺にだって沢山背負ってるもの、大切なものがあるからな)
颯の表情はいつになく真剣だ
―子の州―
(響…何ということだ‼︎私が…私がもっと早く動けていたらこんな事には‼︎大切な同志を失ってしまった‼︎これから戦いは激化していくだろう…他の鎖国派の同志達が響と同じようになってしまったら‼︎私はどうすればいい‼︎どうすれば皆を…この国を…どうすれば…)
燿は打ちひしがれていた
そうですか…響殿が…。
響の自刃の話を聞いた司は目を伏せた
司の前には劉、慎、彗がいる
しかし‼︎これで鎖国派の力を一つ削ぎました‼︎
彗は意気揚々と話す
……勢力だけを見ればそうだ。しかし一つの気高い命が失われたことは変わらない。彗、見誤ってはいけない
劉が嗜める
も、申し訳ありません。失言でした
彗も素直に謝罪した
これで鎖国派は本格的に動き出すでしょう
寅や亥などはいきりたっているでしょうね
響殿の自刃は彼らに間違いなく「力」を与えるはずです
……辰の動きが見えないのが気になりますが
(廉殿は何か考えがあるのでしょうか…?)
さて、おそらくですが寅や亥は卯を狙うでしょうね
子の動向、辰の動向を見つつ援軍要請があればすぐに動けるようにしましょう
司は指示を出す
御意
司の屋敷からの帰り道
(あ……)
慎は鈴を見つけた
鈴も慎に気づいているようだがいつものように駆け寄っては来ない
(だがこれから忙しくなる…。話す時間はないな…。)
慎の顔が暗くなったのを劉と彗は見逃さなかった
慎、行ってあげなさい。私たちが動く。他の門下生もいるのだから、大丈夫だ
と劉が微笑む
そうだぞ。これから…どうなるかわからないんだから
こっちは気にせず話してこい
彗も賛同してくれている
二人は慎の背中を押した
…ありがとうございます
二人に礼を言って頭を下げ慎は鈴の元へ走り出す
鈴、鈴‼︎
慎は鈴に駆け寄る
慎…
鈴は少し暗い顔をしている
…どうしたんだ?
だって…戦いが始まっちゃった…すごく怖いよ…。
酉がどこかと戦うのもすぐなのかなって
鈴は泣きそうだ
……
慎はどんな言葉をかければいいのかわからない
慎は今、戦いの準備をしてるの?
ああ。おそらく次は寅や亥が動く。卯や未を狙うだろう。だから援軍要請をされたらいつでも動けるように、武器や兵糧、仲間を集める仕事をするんだ。
(だったら…もしかしたら…)
少しだけ鈴の顔が明るくなった
慎、もう一度約束してね。「慎だけがどこか遠くへ行かない」って
約束する。絶対に守るから
慎は鈴の手を握って誓った
―――――
辰の州
(響殿は誇り高い死を選ばれたか…私は…)
廉の心はあの会合から揺れ続けている
自分の視野が「目の前」だけを見続け極端に狭くなっていたことを痛感したからだ
(この国の「本当の未来」を見据えていたのは彼らの方だったと認めざるを得ない)
しかし…
廉は呟く
(今更鞍替えをすることは私の矜持に反する…しかし、積極的にこの戦いに参加することが…果たして「燦の国」にとって良いのだろうか)
彼の心は曇り空のようだった
―寅の州―
なんてことだ‼︎響殿が‼︎
猛は苛立ちを隠せない
その場には亥の州の鐡もいる
誇りを忘れない見事な散り様‼︎天晴れでごさいます、響殿‼︎
鐡は涙を流した
最早、ぐずぐずはしていられない‼︎我々で開国派を潰す‼︎
猛の鼻息は荒い
燿様は戦いを経験されたことがない‼︎そこを早急に叩かれてしまっては…燿様を抑えられてしまったら例え我らが戦えたとしても「負け」が確定する‼︎
…おそらく卯と未は連合になるでしょうな
鐡が呟いた
そうだろうな。山脈は越えられん。それでなくてもまだまだ雪深い。そこを超えるだけで一月はかかってしまう…
だが‼︎卯と未の連合ごとき、我ら寅と亥の連合の前ではただの「狙われた草食動物」だ
その二つを倒してしまえば後ろにいる丑など敵ではない。豊は燿様と同様、戦いを直接したことのない若者。そして気弱な軟弱者だ。侮はないが別段気合いを入れることはしなくていいだろう
では、早速‼︎
ああ…五日後だ。五日後、卯に攻撃をする
ではそれまでに‼︎
(見ていろ‼︎必ずお前たちを…響殿の仇を取り、この国をあるべき姿へと導く‼︎)
猛の瞳は獲物を捉えた肉食動物のようにギラついていた
―巳の州―
(やれやれ、響殿…なにも自刃などしなくてもよかったと思いますけどねぇ。樹殿なら捕らえこそすれ、殺すことはしなかったでしょうに。それにしても…私も随分と視野が狭くなっていたようですねぇ…。これは…「乗る船」を見誤れば…慎重に動かねばなりませんねぇ…。)
中の瞳が怪しく鋭く光る
―申の州―
(全く。誇り高すぎるのも考え物だな。国の存続、ひいては自分たちの存続が最優先だろ…。生きてりゃなんとでもなるんだ。だが、こりゃ…少し考えるべきかな。俺にだって沢山背負ってるもの、大切なものがあるからな)
颯の表情はいつになく真剣だ
―子の州―
(響…何ということだ‼︎私が…私がもっと早く動けていたらこんな事には‼︎大切な同志を失ってしまった‼︎これから戦いは激化していくだろう…他の鎖国派の同志達が響と同じようになってしまったら‼︎私はどうすればいい‼︎どうすれば皆を…この国を…どうすれば…)
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