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側にはいられない
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開国派の州が卯州と未州の勝利に沸いているころ
劉、彗、慎は司の屋敷へと呼ばれた
―司の屋敷にて―
先の卯、未連合軍の勝利は大きいものです。
…鐡殿を失ったことは鎖国派にも大打撃でしょう
(志、誇りのために命を捨てる…私には…できませんね)
司は鐡の壮絶な死の事実に目を伏せた
……おそらく、今後は猛様が亥州の軍も率いるのでしょう
劉が言う
そうでしょうね。彼ならば亥州の兵たちも納得してついて行くでしよう。何より、鐡殿が敬愛して止まない方ですから兵たちも鐡殿の志を引き継いで猛殿に忠義を尽くすはずです
司は冷静に答える
卯州との道が閉ざされ、山は越えられないとなれば‼︎
もう寅と亥の軍は子州へと合流すると考えるのが妥当では⁉︎
彗は興奮気味だ
ええ。その可能性は大いにあります
…そして私が独自に辰州に送り込んだ「影」によれば廉殿はすでに軍を率いて子州に向かったそうです。海路を使って。
なんと⁉︎海路を使って⁉︎
劉は驚きを隠せない
(いつの間に⁉︎海路では戌州の前を通らなければならないはずだ‼︎)
ど、どうやって…⁉︎
慎が口に出す
どうやら、戌州と午州の勝敗がついた直後、間に密かに子州へと向かったようです。
その時であれば戌州も疲弊しており海にまで目が行き届かないでしょう
司は淡々と答える
しかし…そんな…大群が船で動けばいくらなんでも気づくのでは?
慎は疑問をぶつける
どうやら少数精鋭部隊だけを連れて行ったようです
(なぜだ?子州に向かうと言うことは廉様は「今から本格的な決戦が始まる」と予想したからではないのか?)
慎は廉の考えを計りかねていた
廉殿は…なにやらお考えがあるのやもしれません。
もしかすればそこに入り込める隙が生まれる可能性があります。それを見逃しはしません
司の目が鋭くなる
さて、そうなれば決戦は間近。鎖国派も子州に集まるでしょう。
……具体的な戦いの場はどこになるのでしょうか?
慎が控えめに聞く
そうですね。燿様は民に影響が出るのは極力避けたいとお考えになるでしょう。となれば子と酉、戌の間にある広大な平地。そこがもっとも考えられる場だと思います…。おおよそ半里ほどですね。
司が少しだけ苦い顔をした
どうかされましたか?
司のその雰囲気を劉は見逃さなかった
平地での戦いは良くも悪くも「逃げ場」がありません。
大群での乱戦では仕方がありませんが、「緻密な戦略」を組み立てにくい…そこだけが厄介ですね…
しかし、文句ばかりは言っていられません。最大限の成果をここで挙げます。幸い、この平地は丘や岩場もそれなりにあります。そこは絶対に開国派が死守します。いいですね?
司のその言葉に三人はすぐさま動き出す
―――――
(まず、この州の兵の数と兵糧の確認…それから)
慎の頭は回り続ける
…‼︎………‼︎………ん‼︎し…………‼︎
どこからかの声に慎は気づかない
慎‼︎
うわ‼︎
慎は驚いて声を出してしまった
鈴が後ろから慎に抱きついていたのだから
お、驚いた‼︎鈴‼︎びっくりするじゃないか⁉︎
…ごめんなさい。呼んだんだけど聞こえていなかったみたいで…
鈴はしゅんとした
あ…、すまない。
慎…あの…
鈴、すまない。これから…決戦の準備をしなければならないんだ
………え?
鈴は目を見開いた
た、戦いに…行くの?慎も…?
ああ。前から言っていただろう?すぐ「明日」という訳ではないけれど近々始まる。おそらくこれでこの国の未来が決まる。
慎の顔はいつになく真剣だ
で、でも…
鈴、もう行かないと
でも‼︎
鈴は今までに出したことのない大きな声を出す
慎はそんな鈴の姿に驚く
ねぇ…慎は…直接戦うの?だって仲間集めとか武器集めとか、そういうことをしてるんだって言ってたよね?だったら…だったら‼︎慎が直接兵として戦うことはないよね⁉︎ねぇ⁉︎
鈴の悲痛な声が響く
鈴、戦いに行くことは前から言っていたはずだ。そして俺は君に約束をしただろう?「必ず鈴と鈴の未来を守って帰ってくる」って
慎は鈴の頭に優しく手を乗せた
(わかってる…わかってた……でも、慎のやっていることがそういう…後方支援みたいなことだったから「もしかしたら…」って思った…のに)
鈴は無表情のまま俯き、一粒涙を落とした
慎にはその涙は見えない
鈴。大丈夫だから。絶対に帰ってくるから。だから、待っていてほしい
慎のその声と言葉は鈴の心を縛ってしまった
………………わかった
鈴はそれしか言わなかった
(少し、混乱しているかもしれないな…)
鈴、じゃあ俺、もう行かないと。気をつけて帰って
……………うん
そして慎は走り出した
劉、彗、慎は司の屋敷へと呼ばれた
―司の屋敷にて―
先の卯、未連合軍の勝利は大きいものです。
…鐡殿を失ったことは鎖国派にも大打撃でしょう
(志、誇りのために命を捨てる…私には…できませんね)
司は鐡の壮絶な死の事実に目を伏せた
……おそらく、今後は猛様が亥州の軍も率いるのでしょう
劉が言う
そうでしょうね。彼ならば亥州の兵たちも納得してついて行くでしよう。何より、鐡殿が敬愛して止まない方ですから兵たちも鐡殿の志を引き継いで猛殿に忠義を尽くすはずです
司は冷静に答える
卯州との道が閉ざされ、山は越えられないとなれば‼︎
もう寅と亥の軍は子州へと合流すると考えるのが妥当では⁉︎
彗は興奮気味だ
ええ。その可能性は大いにあります
…そして私が独自に辰州に送り込んだ「影」によれば廉殿はすでに軍を率いて子州に向かったそうです。海路を使って。
なんと⁉︎海路を使って⁉︎
劉は驚きを隠せない
(いつの間に⁉︎海路では戌州の前を通らなければならないはずだ‼︎)
ど、どうやって…⁉︎
慎が口に出す
どうやら、戌州と午州の勝敗がついた直後、間に密かに子州へと向かったようです。
その時であれば戌州も疲弊しており海にまで目が行き届かないでしょう
司は淡々と答える
しかし…そんな…大群が船で動けばいくらなんでも気づくのでは?
慎は疑問をぶつける
どうやら少数精鋭部隊だけを連れて行ったようです
(なぜだ?子州に向かうと言うことは廉様は「今から本格的な決戦が始まる」と予想したからではないのか?)
慎は廉の考えを計りかねていた
廉殿は…なにやらお考えがあるのやもしれません。
もしかすればそこに入り込める隙が生まれる可能性があります。それを見逃しはしません
司の目が鋭くなる
さて、そうなれば決戦は間近。鎖国派も子州に集まるでしょう。
……具体的な戦いの場はどこになるのでしょうか?
慎が控えめに聞く
そうですね。燿様は民に影響が出るのは極力避けたいとお考えになるでしょう。となれば子と酉、戌の間にある広大な平地。そこがもっとも考えられる場だと思います…。おおよそ半里ほどですね。
司が少しだけ苦い顔をした
どうかされましたか?
司のその雰囲気を劉は見逃さなかった
平地での戦いは良くも悪くも「逃げ場」がありません。
大群での乱戦では仕方がありませんが、「緻密な戦略」を組み立てにくい…そこだけが厄介ですね…
しかし、文句ばかりは言っていられません。最大限の成果をここで挙げます。幸い、この平地は丘や岩場もそれなりにあります。そこは絶対に開国派が死守します。いいですね?
司のその言葉に三人はすぐさま動き出す
―――――
(まず、この州の兵の数と兵糧の確認…それから)
慎の頭は回り続ける
…‼︎………‼︎………ん‼︎し…………‼︎
どこからかの声に慎は気づかない
慎‼︎
うわ‼︎
慎は驚いて声を出してしまった
鈴が後ろから慎に抱きついていたのだから
お、驚いた‼︎鈴‼︎びっくりするじゃないか⁉︎
…ごめんなさい。呼んだんだけど聞こえていなかったみたいで…
鈴はしゅんとした
あ…、すまない。
慎…あの…
鈴、すまない。これから…決戦の準備をしなければならないんだ
………え?
鈴は目を見開いた
た、戦いに…行くの?慎も…?
ああ。前から言っていただろう?すぐ「明日」という訳ではないけれど近々始まる。おそらくこれでこの国の未来が決まる。
慎の顔はいつになく真剣だ
で、でも…
鈴、もう行かないと
でも‼︎
鈴は今までに出したことのない大きな声を出す
慎はそんな鈴の姿に驚く
ねぇ…慎は…直接戦うの?だって仲間集めとか武器集めとか、そういうことをしてるんだって言ってたよね?だったら…だったら‼︎慎が直接兵として戦うことはないよね⁉︎ねぇ⁉︎
鈴の悲痛な声が響く
鈴、戦いに行くことは前から言っていたはずだ。そして俺は君に約束をしただろう?「必ず鈴と鈴の未来を守って帰ってくる」って
慎は鈴の頭に優しく手を乗せた
(わかってる…わかってた……でも、慎のやっていることがそういう…後方支援みたいなことだったから「もしかしたら…」って思った…のに)
鈴は無表情のまま俯き、一粒涙を落とした
慎にはその涙は見えない
鈴。大丈夫だから。絶対に帰ってくるから。だから、待っていてほしい
慎のその声と言葉は鈴の心を縛ってしまった
………………わかった
鈴はそれしか言わなかった
(少し、混乱しているかもしれないな…)
鈴、じゃあ俺、もう行かないと。気をつけて帰って
……………うん
そして慎は走り出した
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