外遺跡学生探索者~異世界に行く気はないのに向こうからやって来た~

曇天

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クッキングタイム

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 階段前の大広間に着いて


 「さて、まず今日与えられた私達の試験内容は、四人一組のパーティーとなり、ばらばらに遺跡に入って合流後、10階の『魔方陣』で帰る事なんだけど、魔法のアイテムは無し、今9階だし、私は行くべきだと思うけど、みんなどう思う?」
  
  
 要さんが、皆に話を切り出すと、


「あと次の階なんだから行くに決まってんだろ」


 太陽が迷いなく答え、


「カブトムシと同じ考えなのはイヤだけど、この程度の難度で失敗なんて有り得ないから、行く以外の選択肢はないわ」

 
 と来名さんは本当にイヤそうな顔で言った。


(太陽、いつの間にかカブトムシって呼ばれてる)


 そう僕が思っていると


「とおる君はどう思う?」
 
「うん、多分大丈夫だと思うよ」

「よし! 決まりね、さあレッツゴー!」


 要さんが嬉しそうに立ちあがろうとしたので、僕は、
 

「ちょっと、食事用意するから待って」 

 
 僕はそう言って、持っていたリュックの中を探った。


「食事ってあのカナブンが荷物全部なくしたのよ、食べ物なんてどこに持ってきてたの?」


 来名さんが聞いてきた。


(なんか虫のクラス下がってる)
  
 

「ああ、さっき手に入れたの持ってきたんだ」
 

 そう言うと、僕は、リュックから出したものを見せた。


「ちょっと! それスライムじゃない!  まさかそれ食べるつもり!?」

「うん、スライムは高タンパク、低カロリー、グルテンフリーのセレブも食べてるスーパーフードだよ」

「それは知ってるけど......、ねえ、ゆうき、これ食べるつもり.......」


 来名さんが横を見ると、
 
 
 せっせとお皿やお箸などをそこらの木片から作る、太陽と要さんの姿があった。


「えっ? なんか言った、まなちゃん」

「いや いい......」


 来名さんは沈黙した。


 その後、持ってきてた中華鍋を水で洗い、調味料とスライムを入れていると、


「とおる君、料理なんかできたんだすごいね、手伝おうか」


 要さんが話しかけてきた。


「ううん、大丈夫、なんせ週5で中華屋さんのバイトしてるからね」

 
 と照れながら言うと、


「さっきはごめんね、まなちゃんが......あの子ほんとはすごく優しいの誰かが傷付くのがいやだからあんなこと......」


「えっ? ああ、いいんだ、僕が探索者を望んでないってのは事実だし」

「じゃあ......」

 
 そう彼女は言いかけてやめた。


 なんでここにか、そうだ僕がここにいるのは、奨学金の事だけじゃない、僕が5才の時に出ていった父親の事がある。 
 

「見たことの無いものをみる」
 

 そういって世界中を旅してまわる変人だった。
 きっと生きていればどこかの遺跡を巡っているはずだ、僕が辞めないのは、会って一言言ってやりたいという思いもあるからだろう。

 
 僕が堅実な生き方を望むのは父への反発かもしれないな、ふとそう思ったとき、 


 中華鍋のスープが音をたて沸騰してきた。
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