異世界ダンジョンさん ~ダンジョンに転生したぼくは、世界の終わりに抗う者となった~

曇天

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第三話「ダンジョン運営、はじめました」

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「そんなシステムなのか。 それなら大勢きてもらえば、より多くの魔力がえられ、やれることが増えるのか」

「そうだね。 でも売りがないときてもらえないよ。 このダンジョンの階層は浅いし、アイテムもそれほどよくもない。 ダンジョンがアイテムを生成するには元が必要だからね」

「そうか...... 階層は壁を動かせるからなんとかなるかも...... ただ深くするとモンスターに殺されちゃうか」

「いや、それはない。 前に逃げるのに失敗してモンスターにやられた人がいたけど、当人は何日かして戻ってきた。 どうやらスタート地点に戻されたんだってさ。 ただ装備と魔力をごっそり失ったらしいね」

(倒されるとスタートに戻される。 本当にゲームかアクティビティみたいだな)

「なるほど、だったら落とし穴とか罠もつくって倒しちゃえばいいのか」

「ふむ、それにしてもきてもらうためのお宝がいるね。 探検にきたものたちが落としたアイテムをダンジョンは吸収して再生するみたいなんだけど、多分君にもできるよ」

 ミミックさんが考えたアイテムを作る方法を教わる。


「えっと、魔力を集めて...... えい!」

 目の前に、小さな宝石がおちた。

「なんかでた!」

「うむ、安物の宝石だね。 さっきから短剣、兜、そして宝石、どうやらアイテム生成はランダムなようだね」

「これをダンジョンに配置するんですか?」

「ああ、しかもいいものを上階に設置すると、それを持って満足して帰っちゃうから、下の階層におくしかない」

「でもそれだとしらない人はきてくれない...... 塩梅が難しいな」

「そこだ、ダンジョンはそこが難しい。 ここにかなりいるけど、なかなか人はこないよ。 君がくるまでかなり無機質なダンジョンだったからね」

「ふむ、そこは考えないと、それでモンスターは」

「ダンジョンの魔力でかってにうまれてくる魔力の人形のようなものだ。 私とはちがい意識もない、アイテムを運んだりしてるよ。 多分、君ならばアイテムを産み出せるように、モンスターも産み出せるはずだ」

「よし! モンスターを産み出してみるか」

 アイテムと同じように魔力を集中する。

「てい!!」

 放出すると黒い霧があつまり、地面からうねうねとなにかが動き出した。

「でた!」

「ああ、これは【スライム】だね。 多分アイテムと同じでランダムなんだと思う」

「はぁはぁ、やはりこれも魔力をかなり消費しますね。 疲れた......」

「まあ、今日のところは色々わかっただろうから休むといいよ。 私のリスポーンでも魔力を消費したろうしね」

 そうミミックさんにいわれて、眠ることにした。


 次の日からアイテム生成にいそしむ。

「てい! だめだ...... また安っぽい小さな宝石」

「でも十回に一回はいい武具もでてるよ。 とはいえ低レアのものだけどね。  ここで落としていった探検者の装備だからしょうがない。  これを上階に配置しよう」  

「そうですね。 宝箱も作ることができました。 早速配置しましょう」

 ぼくはいくつかの宝箱にアイテムをいれると、地面を動かし各階に配置した。 

「よし、1階から3階までにアイテムを配置、すこし宝物の中の数を増やした。 よし、これでお客さんを待とう」

 しかし、まてど暮らせど、その日は探索するものは来なかった。

「こ、こなかったですね......」

「お客さんがくるのは週に一回ってところさ」

「かなり少ないですね」

「まあ、気長に待とう」

(そういや人との関係が煩わしかったのに、待ってるなんておかしいな。 つい作ったアイテムとか見せたくなる。 ずいぶん勝手なもんだな)


 三日後、ついに待望の客、いや探索者が現れた。

「あれ? 何か前と違わない」

「ああ、地図だとここに壁なんてなかったのに」

「確か、ダンジョンは変化することもあるって聞いたな」

 入ってきた三人は困惑したように話している。

「ふふふっ、ちょっと迷わせるように壁を変えたんですよ」

「がっつり食いついたね」

 三人は新しい迷路に困惑しつつも先へと進む。

「ほんとに! こんな低階層で宝石三つ!」

「高くはないが、ラッキーだな!」

「鋼鉄のナイフ! まあまあいいものだ! このダンジョンこんなよかったっけ?」

 三人は宝箱を見つけ興奮気味にいった。

「よし、喜んでいる!」

「ここからだね」

「ええ、これが奥の手......」

 三人の後ろからスライムが三匹現れる。

「なんだ!! スライムか......」

「さっさと倒して帰るぞ」

「ええ、魔力も減ってるわ。 早くやりましょう!」

 三人はスライムに対峙する。

 一瞬で一体を倒そうとむかう。

「三人で一体ずつ倒す。 セオリーですね」 

「うん、前衛が盾と剣で攻撃を防ぎつつ、隙をみて後衛が弓で戦う。 まあ正攻法だね」

「でも、それじゃあ」

 スライムの二体が前にでると、後方のスライムが緑の液体を吹き出した。

「なっ!! こいつら連携してくる!」

「まずい! これは毒か! こいつ普通のスライムじゃないのか!」

「回復が追い付かない!」

 三人はそのままスライムの毒で姿を消した。 その場には彼らがつけていた装備が残る。 

「よし!」

「ダンジョンさんがつくったモンスターは、連携させられるからね」

「ええ、しかも、たまたま強い【ポイズンスライム】ができましたから、後衛からの毒のダメージで倒せました!」

 彼らがつけていた装備はゆっくり消えていった。

「あれ? 装備が」

「ああ、彼らの装備は魔力になって君に吸収されたね。 これで君のレパートリーがふえた、これでさらに魔力が増すね」

「ええ、更にアイテムとモンスターを作りましょう!」

「やるきでてきたね!」

 そういって、ぼくたちは笑いあった。
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