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第一章
亡霊魔法師、パーティーに加わる
しおりを挟む「魔術師ハロだ。呪術の研究をしている悪霊だよ。よろしくねー。」
「よろしく!!!」
ジュアンも散々やられたが、ハロがついてくることに反対せず、すんなり受け入れた。ぶんぶんと宙に浮く手袋と握手をしているジュアン。
「どうやって動いてんの!?」
「魔法と呪術のミックスだよ。」
「すげーー!!……まほうとのろいの違いってなに?」
「人間たちが日常生活で使う、教会で教えてくれるものが魔法。教会が認めてない方法が呪術。呪術の中でもさらに倫理的にダメだったり、危険過ぎたりするヤバい魔法が禁術。」
「……つまり?」
「僕の魔法はオリジナルで作ったものばかりだから……のろいかな?」
「すっげーーー!」
「まさかハロまでついてくるとはな。」
少しだけ、マオは嬉しそうだ。
「俺もマオの友人とは思わなかったよ。」
「ふん、ただの顔見知りだ。」
「でもなんやかんや、付き合い長いよねー僕ら。」
森の植物はハロの管理下にあるらしく、杖の一振りで森が出口まで、モーセがごとく割れた。木が避けたのだ。泥状で沼のように歩くのが困難だった道も、渇き、ひび割れ固まり、少しはマシになる。
「わお!」
「改めてすごいな。」
自分たちを蹂躙したのもこの触手植物なのだが、それは忘れよう。
「次は?次の町は?」
「えーと、ここだな。」
四人目。パーティーらしい人数になったといえよう。少しずつ、人間化解除の薬の精製への道が見えてきた。
(本気で彼らのことを好きにならないようにしないと。)
旅の終わりが来たら、すべて伝えるつもりだ。嘘はついていないが、伝えていない大事な事を。そしてその数々の隠し事が知られたら、きっとお別れだから。
そうでなくとも、空腹に負けてうっかり噛みついてしまわないか不安だが。
(これは今だけ。今だけの付き合いだ。)
人間に変えられる前のアイザックは、ダークエルフである。
ダークエルフは避けられても仕方がない。同族の子供すら禁術の生贄にする種族と、誰が仲良くしろと言えようか。
何より、自分は決して善人ではないのだ。今の人間の自分を捨ててでも、早く美味しいものを腹いっぱい食べたいと思ってしまう、化け物なのだから。
「アイザックーー!次の町のギルドで、ハロも登録していいよね?」
「そうだね。じゃあ東門から入ると近いみたいだ。」
「おい。その町、うまいものはないのか。」
「ちっちゃくなるから、ぽっけにいーれーて。魔力切れて消えちゃいそう。」
「自由だな、おまえたち……。」
(ああ、どうしようかな。)
早くも、彼らとの別れがつらくなりそうだ。
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