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第一章
人間最後の夜
しおりを挟む皆が寝静まったころ、アイザックは空を見ていた。きっと明日、旅は終わる。
皆はどう思うだろう。最後まで言わずに来たこと。さすがに距離は置かれるのだろうが。
「ねえ、ちょっといい?」
ミッシェルが、気が付けば近くに来ていた。
「いいよ。」
「聞きたいことがあって。」
「うん。」
彼女は本当は、真面目で、凛々しく、強い女性なのだという。アイザックが目の前にいない時に限られるが。決して恋に溺れる、禁術に手を出すような愚かな女などではなかったはずなのだ。すべては自分のせいだと、アイザックは思っている。
「魅了されてる私の事、本当はどう思ってた?王女だから仕方なく相手してくれていたの?」
「………そうだね、鬱陶しいと思ってた。でも、それは俺のせいだから。今みたいな落ち着いている君だったら、そんなこと思わなかったんじゃないかな。」
二人は空を見上げる。星が明るい夜だった。
「アイザック、今までごめんね。あと、ありがとう。」
「……本当の君と、話せてよかった。」
「でもね。私、貴方が元に戻ったら、またダメになってしまうと思うの。だから、これが最後ね。」
「……ごめんね。」
「ううん。あの日のことは不幸な事故だもの。また明日から私がおかしくなったら、姫だからとか気にしなくていいからね。勇者ちゃんたちにもそれは伝えておいたから。」
「幸せになってね。俺なんか追いかけずに。」
「私だってそうしたいのよ?……禁術って、恐ろしいわね。」
「本当にね。……さようなら、ミッシェル姫。」
「さようなら。……悪いことして捕まらないでね?」
「はっはっはなんのことかなあ。」
「パーティーの子と結ばれたいなら、3つは国境を越えなきゃだめよ。うちの国、同性同士にはまだまだ厳しいから。」
「なにかすっごい勘違いしてない?」
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