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第四章
34.どうやら借りを返してもらえるようです?②
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「ああ、そうだな。姉上はそんな御人だ。本当のところ、王家というから姉上のことを言ったまで。俺自身には、なんら関係のないことだ……」
オズワルドは立ち上がり、メイベルを連れて森の中を移動した。
「あの、オズ?」
どこへ行こうというのか。どんどん人の目が入らないところまで手を引かれて、メイベルは警戒心を強めた。
するとオズワルドが振り向いた。
メイベルの目を覗き込んで、彼女の両肩に手を置く。
「メイベル。俺は君を大切にしたい」
冗談めかして借りを返して欲しいとはいったが、メイベルは最初からオズワルドとよりを戻すことを考えていない。
搦め手としか思えなくて、メイベルは言った。
「急に、信じられる話ではありません」
薄いオレンジ色のメッシュが入ったカメリア色の赤毛に、緑色の瞳。聖女たりえないメッシュに、魔女の証である配色。
それがメイベルの姿。この大地の化身。
対するオズワルドは、金色の目こそ父親譲りのものだが、髪色は王家の男児に伝統的な黒髪だ。
姉のユージェニーも、王家の女児に伝統的なオールドローズの淡い髪で。
彼らの母親に至ってはオールドローズのみならず、王祖と同じ薄紫色の瞳まである。
だから、オズワルドが言った、神君竜王の生まれ変わりというのが本当なら、本来敵対関係にあるアヴァルランド王家の立場では危ういだろう。
生まれ変わりを自覚して神君竜王の心を持ったというのなら、メイベルを助けてくれるだろう。
アルビアン<聖なる獣>の肉体に神君竜王の魂を宿していると知って、どれだけの葛藤があっただろう。メイベルには与り知らない。
だが、オズワルドはやはり、王族なのだ。
メイベルが、コルート家の貴族意識を忘れられないように。
どんな時でも、何があっても、生まれ持って教え込まれた義務が二人を縛っている。
「そうだろうな」
オズワルドはメイベルの心情を察するように言った。
「でも俺だって、君の他人行儀が嫌なんだよ。シンプルに、君の信頼が欲しい。そのための努力を、今はどんな理由があっても惜しみたくない。たとえ君が本当に、魔王だったとしてもだ」
メイベルは呆れるしかなかった。
「子供みたいなことを言わないで。あなたは王子じゃない。たかが私の信頼一つで、王族の義務を捨てようなんてこと、」
「どちらも捨てた覚えはない」
オズワルドは吐き捨てた。
「俺の欠点は優柔不断だが、それは可能性を捨てないからだ。状況を整え直せば整合性は取れる。俺が君を好きであってもなくても、君が魔王というだけで君を斬り捨てる理由はない」
オズワルドは立ち上がり、メイベルを連れて森の中を移動した。
「あの、オズ?」
どこへ行こうというのか。どんどん人の目が入らないところまで手を引かれて、メイベルは警戒心を強めた。
するとオズワルドが振り向いた。
メイベルの目を覗き込んで、彼女の両肩に手を置く。
「メイベル。俺は君を大切にしたい」
冗談めかして借りを返して欲しいとはいったが、メイベルは最初からオズワルドとよりを戻すことを考えていない。
搦め手としか思えなくて、メイベルは言った。
「急に、信じられる話ではありません」
薄いオレンジ色のメッシュが入ったカメリア色の赤毛に、緑色の瞳。聖女たりえないメッシュに、魔女の証である配色。
それがメイベルの姿。この大地の化身。
対するオズワルドは、金色の目こそ父親譲りのものだが、髪色は王家の男児に伝統的な黒髪だ。
姉のユージェニーも、王家の女児に伝統的なオールドローズの淡い髪で。
彼らの母親に至ってはオールドローズのみならず、王祖と同じ薄紫色の瞳まである。
だから、オズワルドが言った、神君竜王の生まれ変わりというのが本当なら、本来敵対関係にあるアヴァルランド王家の立場では危ういだろう。
生まれ変わりを自覚して神君竜王の心を持ったというのなら、メイベルを助けてくれるだろう。
アルビアン<聖なる獣>の肉体に神君竜王の魂を宿していると知って、どれだけの葛藤があっただろう。メイベルには与り知らない。
だが、オズワルドはやはり、王族なのだ。
メイベルが、コルート家の貴族意識を忘れられないように。
どんな時でも、何があっても、生まれ持って教え込まれた義務が二人を縛っている。
「そうだろうな」
オズワルドはメイベルの心情を察するように言った。
「でも俺だって、君の他人行儀が嫌なんだよ。シンプルに、君の信頼が欲しい。そのための努力を、今はどんな理由があっても惜しみたくない。たとえ君が本当に、魔王だったとしてもだ」
メイベルは呆れるしかなかった。
「子供みたいなことを言わないで。あなたは王子じゃない。たかが私の信頼一つで、王族の義務を捨てようなんてこと、」
「どちらも捨てた覚えはない」
オズワルドは吐き捨てた。
「俺の欠点は優柔不断だが、それは可能性を捨てないからだ。状況を整え直せば整合性は取れる。俺が君を好きであってもなくても、君が魔王というだけで君を斬り捨てる理由はない」
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