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第三章:才能の開花
第十三話 王宮からの召喚
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工房に届いた封書は、見間違えるはずのない紋章が刻まれていた。
「王宮……?」
リリアは緊張しながら、それを受け取った。
「おいおい、王宮から直接召喚状が来るなんて、普通じゃねえぞ」
アレクセイも眉をひそめながら封筒を見つめる。
王宮からの正式な文書は、特定の貴族や官吏を通して届けられるのが普通だ。こうして直接、しかも突然に召喚状が届くというのは異例だった。
「……開けてみます」
リリアはそっと封を切り、中の書状を広げる。
**『魔法具職人リリア・フォン・アルセイン殿
貴殿の魔法具が王宮において関心を集めている。よって、近日中に王宮へ参上されたい。王宮魔法技術顧問より』**
「王宮魔法技術顧問……?」
「王宮で魔法具の研究や管理をしてるやつらのことだ。けど、そいつらがお前を呼ぶってことは……」
アレクセイは腕を組み、しばらく考え込んだ。
「お前の作った〈冷気の指輪〉が、王宮の耳に入ったってことだな」
「そんな……でも、庶民向けの魔法具なのに?」
「いや、だからこそだろうな。王宮の貴族どもは、高級で豪華な魔法具しか頭にない。だが、お前の発明はシンプルかつ実用的で、広く普及する可能性がある……それが問題になったのかもしれねえ」
「問題……?」
「考えてみろ。貴族たちは高価な魔法具を独占してきた。それが、庶民でも使える便利な魔法具が出回ったらどうなる?」
「……」
リリアははっと息をのんだ。
もし、庶民が自由に魔法具を使えるようになったら……貴族たちの“特権”は崩れ始める。
そして、それを守るために、何らかの圧力をかけてくる可能性は十分にあった。
「……行かない方がいいのでしょうか?」
不安げに尋ねるリリアに、アレクセイはしばらく考え込んでから、ゆっくりと首を振った。
「いや、行った方がいい」
「えっ……?」
「もしここで無視すれば、王宮のやつらは“従わない者”として、お前を排除する理由を作る。だったら、正面から出向いて、どういうつもりか確かめた方がいい」
「……でも、もし向こうが私を危険視していたら?」
「その時は……ま、考えようぜ」
アレクセイはニッと笑ってみせるが、その笑顔には警戒の色がにじんでいた。
リリアはしばらく黙っていたが、やがて決意を固めるように拳を握った。
「わかりました。行ってみます」
***
王宮への道のりは、かつてリリアが王太子妃として過ごしていた場所へと続いている。
馬車の中で、リリアは静かに窓の外を見つめた。
数ヶ月前、彼女は王宮から追放された。
もう二度と関わることはないと思っていた。
なのに、今――自分は“魔法具職人”として、再び王宮に足を踏み入れようとしている。
(……どうなるんだろう)
不安と緊張を抱えながら、リリアは王宮の門をくぐった。
そして、彼女を迎えたのは――
なんと、かつて自分を追放した“あの王太子”だった。
「リリア……久しぶりだな」
冷ややかな微笑を浮かべる王太子エドワード。
果たして、王宮はリリアを何のために呼んだのか――?
「王宮……?」
リリアは緊張しながら、それを受け取った。
「おいおい、王宮から直接召喚状が来るなんて、普通じゃねえぞ」
アレクセイも眉をひそめながら封筒を見つめる。
王宮からの正式な文書は、特定の貴族や官吏を通して届けられるのが普通だ。こうして直接、しかも突然に召喚状が届くというのは異例だった。
「……開けてみます」
リリアはそっと封を切り、中の書状を広げる。
**『魔法具職人リリア・フォン・アルセイン殿
貴殿の魔法具が王宮において関心を集めている。よって、近日中に王宮へ参上されたい。王宮魔法技術顧問より』**
「王宮魔法技術顧問……?」
「王宮で魔法具の研究や管理をしてるやつらのことだ。けど、そいつらがお前を呼ぶってことは……」
アレクセイは腕を組み、しばらく考え込んだ。
「お前の作った〈冷気の指輪〉が、王宮の耳に入ったってことだな」
「そんな……でも、庶民向けの魔法具なのに?」
「いや、だからこそだろうな。王宮の貴族どもは、高級で豪華な魔法具しか頭にない。だが、お前の発明はシンプルかつ実用的で、広く普及する可能性がある……それが問題になったのかもしれねえ」
「問題……?」
「考えてみろ。貴族たちは高価な魔法具を独占してきた。それが、庶民でも使える便利な魔法具が出回ったらどうなる?」
「……」
リリアははっと息をのんだ。
もし、庶民が自由に魔法具を使えるようになったら……貴族たちの“特権”は崩れ始める。
そして、それを守るために、何らかの圧力をかけてくる可能性は十分にあった。
「……行かない方がいいのでしょうか?」
不安げに尋ねるリリアに、アレクセイはしばらく考え込んでから、ゆっくりと首を振った。
「いや、行った方がいい」
「えっ……?」
「もしここで無視すれば、王宮のやつらは“従わない者”として、お前を排除する理由を作る。だったら、正面から出向いて、どういうつもりか確かめた方がいい」
「……でも、もし向こうが私を危険視していたら?」
「その時は……ま、考えようぜ」
アレクセイはニッと笑ってみせるが、その笑顔には警戒の色がにじんでいた。
リリアはしばらく黙っていたが、やがて決意を固めるように拳を握った。
「わかりました。行ってみます」
***
王宮への道のりは、かつてリリアが王太子妃として過ごしていた場所へと続いている。
馬車の中で、リリアは静かに窓の外を見つめた。
数ヶ月前、彼女は王宮から追放された。
もう二度と関わることはないと思っていた。
なのに、今――自分は“魔法具職人”として、再び王宮に足を踏み入れようとしている。
(……どうなるんだろう)
不安と緊張を抱えながら、リリアは王宮の門をくぐった。
そして、彼女を迎えたのは――
なんと、かつて自分を追放した“あの王太子”だった。
「リリア……久しぶりだな」
冷ややかな微笑を浮かべる王太子エドワード。
果たして、王宮はリリアを何のために呼んだのか――?
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