あなたと夕陽と心

すずかけあおい

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あなたと夕陽と心④

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整った寝顔。眠いけどやっぱり喉が渇いてしまって、このまま寝るのも辛いので千明さんの肩を軽く揺らす。

「…? みつき?」
「すみません、喉渇いちゃって…。お水もらってもいいですか?」
「ああ、おいで」

起き上がってキッチンについて来てくれた。思ったとおり、怒られなかった。グラスに冷蔵庫から出したミネラルウォーターを注いでくれて、俺が飲み干すのを見守ってくれている。飲み終わったグラスを洗おうとしたら、いいから、と千明さんが洗ってくれた。申し訳ない。

また喉が渇いたときのためにと、同じミネラルウォーターのペットボトルを一本、ベッドサイドのテーブルに置いてくれた。なにかあったらすぐ声をかけて、と言って、さきほどまでのように俺を抱き締めて瞼を下ろす千明さん。これが基本姿勢なのか。
そういえば昨日は歯も磨かず寝てしまった気がする。慌てて千明さんをもう一度起こす。

「どうした?」
「俺、歯を磨かないで寝ちゃって…」
「あ、そっか。ごめん、気付かなくて」

千明さんが身体を起こして洗面室に連れて行ってくれる。予備の歯ブラシを出してくれて、歯磨きを済ませるとシャワーも浴びたくなった。千明さんの顔をじっと見る。

「なに?」

でも、さすがにそれは申し訳なさすぎる。なにも言わずに首を横に振って寝室に戻ろうとすると、千明さんが俺の服を脱がせた。

「…!」
「シャワー浴びておいで」

ぽいぽいと着ているものを取られて浴室に放り込まれた。優しい…のかもしれない。いや、優しい。言われたとおりにシャワーをさっと浴びたらすっきりした。脱衣室のカゴには着替えが一式置いてあって、素直に借りた。

「光輝には俺の寝間着じゃ大きいね」
「千明さんがスタイルよすぎるんです…」

寝室に戻ろうとしたら、リビングダイニングのソファに千明さんが座っていた。俺を見て目を細め、おいでおいでと手招きするので近寄る。

「…一週間後、出て行きたくないって言わせるから」

俺を膝に横抱きにして微笑む千明さん。なんで俺なんかをそんなに求めてくれるんだろう。珍しくもなんともないのに。

「寝れる?」
「………」

俺が、目が覚めてしまったと言ったら、この人はきっとこのまま朝までここで俺に付き合ってくれるんだろうな、と思ったら心がむずむずした。こんな風にされたことないから、どうしたらいいかわからない。ちょっと頬が熱くなって、こくんと頷く。

「……寝れます」
「じゃあ寝ようか」

俺を抱き上げようとするので慌てて膝から降りる。残念そうにする千明さんを置いて先に立ち上がると、千明さんがくくっと笑った。

「光輝はくるくる表情が変わって、本当に可愛いね」
「…可愛くなんてないですよ」
「起きたときにはその敬語はやめていてほしいな」

肩を抱かれて寝室に戻る。あまり眠くないはずなのに、千明さんに抱き締められたらすぐに瞼が重たくなった。眠気に素直に従うと、あっという間にまた眠ってしまった。
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