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永久糖度
永久糖度⑩
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「んん……っ、う……ぁ」
変な感じがして眉を寄せると、眉間にもキスが降ってくる。異物感がすごいのに、叶の指だと思うとどきどきと胸が鼓動を速める。叶が触れてくれるところすべてが気持ちいい。
慎重に動く指に、叶に大切にされていることがわかる。丁寧にほぐされ、異物感が消えて吐息する。知らずに息を詰めていて、自分で思う以上に緊張していた。
「恵吾、大丈夫?」
「ん、平気」
「じゃあ少し奥に入れるね」
ゆっくりと中を進む指の違和感も、叶なら怖くない。髪を撫でられて、ひとつ頷いた。
恵吾以上に叶のほうが顔が強張っていて、緊張しているように見える。髪を撫でてくれる叶の手を捕まえて指先にキスをする。
「叶、俺大丈夫だよ。叶なら怖くない」
「うん。ありがとう」
「それに俺、丈夫だし簡単には壊れないから」
情けなく眉をさげた叶がゆっくりとまばたきをする。しょうがないな、と思われているかもしれない。でも強がりではなく、本当に大丈夫なのだ。相手が叶だから、大丈夫。
「あ、あっ」
「え?」
「や、そこ……やだ」
「ここ?」
指がひとところをかすめると、ぞわりと得体の知れない感覚が腰から全身に広がる。何度も同じところを指で軽く撫でられ、背が反った。
「ひ、う……あっ」
痺れるように全身がびりびりし、目の前は白くまたたく。シーツを蹴って乱す恵吾に、叶は嬉しそうにまたそのところを撫でる。指先で軽くノックするように押されたら、絶頂感に腰が跳ねた。
「恵吾、気持ちよさそう」
「あ、あ、待て、ほんと……やば……」
せりあがってくる熱いものが腰の奥に溜まっている。達しそうなのに絶頂には至らず、もどかしさに頭を振って枕を掴む。どうしたらいいかわからないくらいに、もどかしさがひどく苦しい。燻ぶったものが弾けそうで弾けない中途半端さに視界が滲む。
「叶、叶、前も」
「前も?」
「触って……いきたい」
叶の手を引き寄せて濡れた昂ぶりを握らせる。ごくりと唾を飲む音が聞こえ、羞恥が頬を燃やした。
濡れた音を立てながら扱かれ、手に合わせて腰が動く。中のひとところを同時に押されたら呆気なく昂ぶりが弾けた。
「はっ……はあっ……」
射精の勢いで気が遠くなるように目の前が白む。腹に散った白濁が熱く、身体が重くて動けない。
「恵吾、中もきゅんってしてる。すごく可愛い」
「言う、な」
ただでさえ自分だけ達したことが恥ずかしいのに、叶は追い討ちをかけてくる。恥ずかしくても嫌な気分にならないのは、叶の手と指で限界を迎えたことが嬉しいからだ。彼の手に暴かれたことで胸がいっぱいになる。
「恵吾が気持ちよくなってくれて嬉しい。今日はここまでにしようか」
「は?」
「無理させたくないから」
微笑んで言っているけれど、叶の猛りは腹につくくらいにまで角度を変えている。恵吾の視線の先に気がついた叶は「えっち」といたずらっぽく言って、隣に横になった。
「そのままじゃ、叶だってつらいだろ」
「俺はいいの。恵吾が気持ちいいのが一番嬉しい」
こうやっていつも恵吾を一番に考えてくれていたのだと、今さら知る。
恵吾が嬉しいなら、恵吾が喜ぶなら、恵吾がしたいなら、恵吾がほしいなら――。
叶の行動の基本は恵吾だった。昔も今も同じで、恵吾が嫌がることをしたがらない。我を押し通すことをしないのだ。
「……」
そんなことにも気がついていなかった自分が叶を好きなんて、恥ずかしい。叶の気持ちの前では、どんな「好き」も霞んでしまう。叶が恵吾を想ってくれる気持ちこそ、「本当の好き」だ。
変な感じがして眉を寄せると、眉間にもキスが降ってくる。異物感がすごいのに、叶の指だと思うとどきどきと胸が鼓動を速める。叶が触れてくれるところすべてが気持ちいい。
慎重に動く指に、叶に大切にされていることがわかる。丁寧にほぐされ、異物感が消えて吐息する。知らずに息を詰めていて、自分で思う以上に緊張していた。
「恵吾、大丈夫?」
「ん、平気」
「じゃあ少し奥に入れるね」
ゆっくりと中を進む指の違和感も、叶なら怖くない。髪を撫でられて、ひとつ頷いた。
恵吾以上に叶のほうが顔が強張っていて、緊張しているように見える。髪を撫でてくれる叶の手を捕まえて指先にキスをする。
「叶、俺大丈夫だよ。叶なら怖くない」
「うん。ありがとう」
「それに俺、丈夫だし簡単には壊れないから」
情けなく眉をさげた叶がゆっくりとまばたきをする。しょうがないな、と思われているかもしれない。でも強がりではなく、本当に大丈夫なのだ。相手が叶だから、大丈夫。
「あ、あっ」
「え?」
「や、そこ……やだ」
「ここ?」
指がひとところをかすめると、ぞわりと得体の知れない感覚が腰から全身に広がる。何度も同じところを指で軽く撫でられ、背が反った。
「ひ、う……あっ」
痺れるように全身がびりびりし、目の前は白くまたたく。シーツを蹴って乱す恵吾に、叶は嬉しそうにまたそのところを撫でる。指先で軽くノックするように押されたら、絶頂感に腰が跳ねた。
「恵吾、気持ちよさそう」
「あ、あ、待て、ほんと……やば……」
せりあがってくる熱いものが腰の奥に溜まっている。達しそうなのに絶頂には至らず、もどかしさに頭を振って枕を掴む。どうしたらいいかわからないくらいに、もどかしさがひどく苦しい。燻ぶったものが弾けそうで弾けない中途半端さに視界が滲む。
「叶、叶、前も」
「前も?」
「触って……いきたい」
叶の手を引き寄せて濡れた昂ぶりを握らせる。ごくりと唾を飲む音が聞こえ、羞恥が頬を燃やした。
濡れた音を立てながら扱かれ、手に合わせて腰が動く。中のひとところを同時に押されたら呆気なく昂ぶりが弾けた。
「はっ……はあっ……」
射精の勢いで気が遠くなるように目の前が白む。腹に散った白濁が熱く、身体が重くて動けない。
「恵吾、中もきゅんってしてる。すごく可愛い」
「言う、な」
ただでさえ自分だけ達したことが恥ずかしいのに、叶は追い討ちをかけてくる。恥ずかしくても嫌な気分にならないのは、叶の手と指で限界を迎えたことが嬉しいからだ。彼の手に暴かれたことで胸がいっぱいになる。
「恵吾が気持ちよくなってくれて嬉しい。今日はここまでにしようか」
「は?」
「無理させたくないから」
微笑んで言っているけれど、叶の猛りは腹につくくらいにまで角度を変えている。恵吾の視線の先に気がついた叶は「えっち」といたずらっぽく言って、隣に横になった。
「そのままじゃ、叶だってつらいだろ」
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「……」
そんなことにも気がついていなかった自分が叶を好きなんて、恥ずかしい。叶の気持ちの前では、どんな「好き」も霞んでしまう。叶が恵吾を想ってくれる気持ちこそ、「本当の好き」だ。
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